ヴェネツィア編(49):カンナレージョ地区(07.3)

 いよいよ帰国の日です。窓から見るこの光景も今朝が最後かと思うと感無量です。なおこの通りは“RIO(運河) TERA(大地)”、つまり運河を埋め立てて造成した路です。部屋にもやって慣れてきたのにね。ドストエフスキー曰く「人間は全ての環境に慣れる」 朝食をいただいていると、もう顔馴染みになったウェイターが珈琲をもってきてくれました。山ノ神が最後の朝食だと告げると、彼曰く「Why !?」。もう何百回も言っているジョークなんだろうなあ、でも可笑しい。
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 フロントでAさんと落ち合い、いっしょに駅まで歩きました。涙が出そうなのでここでお別れをしましょう、とAさん。山ノ神の目もうるんでいます。出発までは見送らず、駅の入口で別れることにしました。せめて、振り返らずにまっすぐ列車へと歩くAさんの後姿が消えるまで見送りましょう。さてわれわれはどうしよう。船に乗って空港に行きたいのはやまやまだが、漠然とした不安があるのでタクシーで行こうと山ノ神に提案。しかし彼女は船で行くことを、頑強に主張します。1.やはり船からヴェネツィアにお別れを言いたい。2.混雑のピークは済んでいるし(前日の便はおさえられませんでした)、国際空港ではないので、一時間十六分前に着けば充分。3.ローマ広場まで荷物を運ぶのは一苦労。Q.E.D. (一見)明快な論旨に説得され、私も同意しました。となると、多少の余裕があるので、カンナレージョ地区を散策することにしました。よくあることですが、出発の日は天気が良いのですね。運河越しに干された洗濯物を見ることもできました。カッレやソットポルテゴやコルテやカンポに別れを告げながらぶらぶら歩いていると、ゴミを入れた大きな荷車をひっぱる市の職員がやってきました。
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 すると船が近づき、小さなクレーンで荷車ごと持ち上げ船の上に運びます。すると下部がぱかっと開きゴミは船の中へ。合点合点合点。こういうことだったのか。
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 せっかくなのでスカルツィ橋を渡って、駐車場やバス停のあるローマ広場も見物しておきましょう。結局、ここを利用することはなかったなあ(伏線)。二人の顔型呼び鈴も諸手を上げてわれわれの旅立ちを祝福してくれています。
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 さあそろそろ出発です。ホテルに戻り、チェック・アウトをし、荷物をもって船着場に到着すると、定刻通りに空港行きの船はやってきました。Hallelujah ! 現在10時44分、予定では11時14分に空港に着くはずです。先頭の座席に乗り込み、陽光に輝くヴェネツィアに別れを告げましょう。Arrivederci ! あとは快適なクルージングを楽しむだけ…のはずでした。
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 本編の足跡と本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2007-09-05 06:11 | 海外 | Comments(0)
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