大芦川・真岡鉄道・烏山編(3):大芦川(07.7)

 途中からは川は道のかなり下方を流れるようになり、木々にはばまれて見えなくなります。40分ほどで橋に到着、たもとには見事な楓の古木が周囲を圧倒するように屹立していました。秋には紅葉が見事なことでしょう。橋を渡ると、立ち退きを拒否してここに住み続ける大貫氏のお宅が見えてきます。
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 「熊注意」という看板もあり、うーんほんとにツキノワグマが出るんだなあ。このあたりにはダム建設反対を訴える朽ち果てた看板がけっこうあり、かつての戦いの痕跡を物語っています。また「ゴミ捨て禁止」という看板がそこかしこにあるのは、不法投棄をする人が絶えないのでしょうね。さて今度は川を右手にして10分ほど歩くと、川原に下りられる遊歩道への入口がありました。そこには「清流」というダム計画中止顕彰碑があり、これまでの事実経過と運動の様子が刻まれています。『それにしても「ダムありき」で進められた本事業とは一体何であったのか』という最後の一文には考えさせられました。やはり建設業者との癒着、行政の予算消化への固執と決定の責任逃れのためでしょう。
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 この碑の右手を川の方へ下っていく遊歩道がありますが、これは大貫氏が個人的に整備されたものだそうです。ところが途中から道標が全くなく、適当に当たりをつけた急峻な細い道を下りると川原に出ることができました。生い茂る木々の間を、岩をなめながら勢いよく走る清流。そして心の塵を洗い流してくれるような清浄な空気と鳥の声。来てよかったあ。周囲には誰一人おらず、岩に腰かけながら心ゆくまで孤独を楽しむことができました。なおここがダム建設予定地、栃木県や鹿沼市はこの自然を破壊して必要のないダムを作ろうとしたのか。官僚たちが実際にこの風景を見た上での決定であるならば、信じ難いことです。利権や自分の立場・地位を守るためならば、下劣かつ没義道な行為を平然と行う官僚や業者。もしかしたらこの風景を美しいと思う感性すらないのかもしれません。まさかね。
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 さて下流を見ると遊歩道の一部である吊り橋が見えます。川原からは行けないので、いったん崖の上に戻り吊り橋に下りる道を探しましたが見つからない… 結局断念しましたが、どうやら訪れる人がほとんどいないようです。整備し直してほしい気もする一方、このままでいいような気もします。人があまり訪れなければ、この美しい自然は未来永劫このままで保たれるでしょう。楽園、そこには人間はいない。このあたりで立木トラストの名残を感じさせる名前入りの札がかかっている樹木を見かけました。この運動ももう終わっているのかもしれません。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-10-02 06:07 | 関東 | Comments(0)
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