大芦川・真岡鉄道・烏山編(11):真岡鉄道(07.7)

 さて駅で自転車を返却し、ホームの先端に立って少年のように目を輝かせながら待っていると、遠くで汽笛の音が聞こえます。ぶぉぉぉ そして黒く光るやや小ぶりな蒸気機関車が三両の客車を牽引して入線してきました。解説によると、C12型、505馬力、1933年製作の車体、そして指宿線・石巻線・山田線・黒石線・小海線を疾駆した剛の者です。そして喘ぐように停止、「七人の侍」に登場した久蔵を思わせる精悍にして剛健、古武士のような風貌に惹かれてしまいました。客車の中から出てきた人、ホームで待っていた人、老若男女いりみだれ、記念写真を撮ったり車体に触ったりと、無心に機関車を愛でている光景が印象的。もちろん私もその一人です。
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 さあ乗り込みましょう。指定席ではないので前の客車はすでに満員、真ん中の窓際に座り窓を開け、出発を待ちます。そして汽笛一声、まるで挽馬のように鉄路を踏みしめながら速度を上げ、田園地帯の中を疾走していきます。鉄路をかき鳴らすがっしゅがっしゅという車輪の音、雄叫びのような汽笛、微かな石炭の匂いとともに車内を吹き抜ける涼風。これは快感、熱烈なSLファンの気持ちが少しわかったような気がします。病みつきになりそう。車窓からの眺めも一味ちがって見えるようでした。普通の列車だと風景はディスプレイのような窓に映る映像のように見えるのですが、リズミカルな音と石炭の燃える匂いと風があると自分も風景の一部として存在しているのだなと実感できます。SLに向かって手を振る人、追いかけながら走る子供、農作業の手を休め見上げる人、特権的な時間を楽しみながら一時間弱で終着駅の茂木に到着です。
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 転車台があったので、もしや機関車がくるりと回ってくれるシーンを見られるかなと待っていると、ビンゴ! 客車を切り離した機関車が、転車台に乗ってゆっくりくるりと180度方向転換するのを見学できました。その間、注意を喚起するためでしょう「乙女の祈り」のメロディがオルゴールで流され続けていましたが、これは合わない、再考を願います。私としては早坂文雄作曲「七人の侍のテーマ」のフル・オーケストラによる生演奏を期待しちゃいますね。無理か…
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 なお真岡鉄道沿線には、焼き物の益子、二宮尊徳ゆかりの桜町陣屋跡と彼の資料館や親鸞が創建した専修寺のある二宮町(最寄り駅は久下田)、製鉄技術者集団と関係がありそうな多田羅など、そそられる地があります。久保講堂と板谷波山記念館をからめてまた来てみたいな。

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2007-10-14 07:41 | 関東 | Comments(0)
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