別所温泉・稲荷山・姨捨編(7):別所温泉(07.7)

 緑に囲まれた長い石段を上りきると、そこが安楽寺。鎌倉建長寺と縁の深い禅寺です。なお解説によると鎌倉時代、北條氏がここ塩田平に居館を構え、このあたり一帯に勢力をふるったようです。お目当ては八角三重塔(国宝)、そこに行く道すがらに「満蒙開拓団慰霊碑」がありました。「植民地帝国」(L・ヤング 岩波書店)によると、長野県と山形県出身者で開拓団全体の17%を占めており、昭和恐慌で深刻な打撃を受けた生糸生産県であることと、信濃教育会など移民運動の長い歴史を有することがその理由だそうです。国策の犠牲者にして、中国農民への加害者、なんともやりきれない気持ちになります。
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 すこし歩くと木立の間に八角三重塔を見上げることができます。実にプロポーションがいい優美な姿態の塔ですね。全国で唯一の八角形、制作年代は鎌倉末期、北條氏の供養塔として建立されたとのことです。そばに石段があるのですこし上り、上からリズミカルに波打つ屋根を見下ろすのも格別です。塔の脇にある解説板には「三重塔は仰いでお参りすることが大切です。山の上から眺めおろすものではありません」と書いてありますが、わかっちゃいるけどやめられない。
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 バスの発車時刻まで少し時間があるので、温泉街をしばし散策。そして北向観音へ。「北向」の名は長野の善光寺の南向きと、向きあっているところから名づけられたもので、善光寺と北向観音のご利益は一体のもの、その一つを欠けば"片詣り"であるといわれているそうです。さあそろそろ駅に向かいましょう。なだらかな坂道からは、塩田平を遠望することができます。
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 バス停で付近の地図を見ていると、どうやら目の前の空き地に別所小学校があったようです。日本の教育予算は、いわゆる先進国中最低レベルだという厳然たる事実を目の当たりにした気持ち。さて塩田平を巡回するシャトル・バスに乗り込み、山里の光景を眺めながらのプチ・バス旅行です。途中で廃校となった西塩田小学校がありましたが、この木造校舎は映画のロケによく利用されているようです。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-10-27 08:10 | 中部 | Comments(0)
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