別所温泉・稲荷山・姨捨編(14):稲荷山(07.7)

 それではもらった地図を頼りに、街の散策をはじめましょう。ほとんどない人通り、シャッターの閉まった商店、手入れがされていない土蔵、痛烈な寂寥感を感じます。沈痛な面持ちで目抜き通りを歩いていると、山ノ神の姿がありません。
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 近くの洋菓子屋の中から彼女の笑い声が聞こえてきました、どうやら道草をくっている模様。私も中に入って、佐藤B作似の店主さんからいろいろとお話をうかがいました。そして午前10時ごろに新潟県柏崎を中心に大地震が起こったことをはじめて知りました。一瞬(ほんとに)息が止まりました。     柏崎…      核(原子力)発電所はどうなった…       彼の話によると、火災が起きているとのです。        とうとう大事故が起きてしまったか…        幸い、炉心溶解や大規模な放射能漏れにはいたっていないと知り安心しました。しかし、われわれはこうして永劫に怯え続けなければいけないのか、それとも怯えることさえせずに無関心であり続けるのか。やるせない気持ちになってしまいます。胡桃入りクッキーを購入して店を出ようとすると、店主が特製あんずジャムの試食を薦めます。荷物が重くなりそうだなあと逡巡していると、これがとてつもなく美味! あんずの濃密な味がぎっしりと濃縮された見事な味です。これまで一番おいしいとおもったのは軽井沢・沢屋のものですが、それをはるかに凌駕する未知の領域を体験しました。店主によると、小学校の時の友人が経営している農園から、熟れすぎて売り物にならないあんずをわけてもらい、精魂こめてつくっているそうです。「おいしいでしょ」と言った時の、彼の誇らしげに輝く表情が忘れられません。こうして仲間と手を取り合いながら頑張っている人を見ると、地方再生の鍵を教えてもらったような気がします。地域の仲間と協力して、真っ当なものをつくる。当たり前と言えば当たり前ですが、基本中の基本ですね。逆に言えば、こうした仲間との協力関係(コミュニティ)を破壊すれば、地方も崩壊し、中央政府や大企業・グローバル企業に従順な奴婢にすることができるわけだ。そうか、好みの小学校に行けるよう学区をとっぱらい自由化し、公教育へのバックアップを放棄して裕福な家庭の児童が私学に行くように誘導する自民党の政策には、そういう深謀遠慮があったのか。こどもたちが違う小中学校に通学してしまえば、地域を支える仲間意識はできづらくなりますから。見事に下劣な政策をひねりだす自民党と、それを無邪気に支持する有権者のみなさんに、心から感服つかまつります。
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 街の見所と姨捨の棚田に行く道を教えてもらい、あんずジャムを抱えて、店主に丁重にお礼を言って別れました。旅の魅力は、やはり人との出会いですね。ようがす、宣伝しましょう。
栄泉堂 長野県千曲市稲荷山856 Tel 026-272-2044
 こちらのあんずジャムはおいしいぞおおおおおおおおおおおお! 後日談、プレーン・ヨーグルトにこのあんずジャムをかけて食べると、もうこの世は極楽。あらためてこの店を嗅ぎあてた山ノ神の嗅覚に、深甚なる謝意を表したいと思います。あーりがとおーおー

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-11-07 06:06 | 中部 | Comments(0)
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