飛騨編(16):飛騨古川(07.8)

 そして鉄のアーチが逞しい霞橋を歩いて荒城川を渡り、観光地図に「ああ野麦峠」ゆかりの宿と紹介されている「三つ八」へ。有形登録文化財となっている凝った造りの旅館ですが、どんなゆかりがあるのでしょう? 宿の方が玄関から出てきたので、これ幸いと訊ねてみました。彼曰く、女工を募集に来た製糸会社の職員が定宿としてよく利用していたそうです。成程。橋のたもとにある本光寺の隣には「野麦峠の碑」がありました。碑文にはこう刻んであります。
 二月もなかばを過ぎると 信州のオカヤに向かう娘たちが ぞくぞくと古川の町へ 集まって来ます みんな髪は桃割れに 風呂敷包みをけさがけにして 「トッツァマ・カカマ達者でナ」 それはまるで楽しい遠足にでも 出掛けるように元気に出発して 行ったのでございます
 野麦峠はどちらの方角になるのか、訊くのを忘れたのは不覚。なお本光寺の玉垣には、これを寄進した製糸会社の関係者や女工の名が散見されます。
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 さて、荒城川ぞいの路を歩いて今宮橋を渡り、真宗寺の前を通り、「飛騨の匠文化館」に向かいましょう。このあたり一帯は三之町と言いますが、思わず立ち止まってしまう街並みです。これといって歴史や由緒のある民家はなく、最近作られた家がほとんどなのに、何故でしょう? 答えは、地域性あふれる建築様式による統一感。ほとんどすべてが木造・瓦屋根、格子と出格子、茶系統の色合い、リズミカルに並ぶ庇、出桁を支える装飾を施された腕木。町の景観や調和を壊さないように新築しようという、明白な意思を感じます。途中では、玄関の石畳を丁寧に雑巾がけしている年配の女性を見かけました。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-12-15 07:35 | 中部 | Comments(0)
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