伊豆松崎編(3):(04.1)

 ここは1880(明治13)年に完成した、甲府の旧睦沢学校、松本の旧開智学校に次いで古い学校建築です。毎度のことながら、この時期の教育にかける情熱には感服します。総建設費2630円のうち約4割が村人の寄付金によって賄われたそうです。母校が改築となったら、自分はいったい幾らくらい寄付するだろうと想像すると、その思いがよくわかります。木造によって西洋建築を模した典型的な擬洋風建築で、ファサード(正面)の装飾はバルコニーに唐破風・千鳥破風・扁額という恐れを知らない賑やかなもの。白いペンキ塗りとなまこ壁も、伝統の厚みを感じさせる凛とした佇まいを演出しています。中はちょっとした教育資料館のようになっていて、授業風景のジオラマや、ご真影・教育勅語を納めた木製奉安庫がありました。子守をしながら授業を受ける少女がリアルですね。鏝絵もあちこちに見られます。側面から撮影するとその盛り上がりがよくわかりますね。
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 二階の裁縫・作法のための和室の欄間には、入江長八製作による鶴が乱舞しています。部屋の一角から抜け出たような数十羽の鶴が、太陽を模した赤い壁の床の間をめがけて思い思いの姿で飛んでいく姿に、長八は何を託したのか。
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 帰りは、集落をぬける山添の気持ちよい道を歩いて帰りました。本当は船で沼津まで行きたかったのですが、舟行していないので、バスで下田まで行き、伊豆急行・東海道線を乗り継いで小田原へ。ま、伊豆半島を一周したわけです。夕食は、小田原駅近くの「ブエナ・カレラ」でメキシコ料理を堪能。もうこの店のサルサの味は絶品! 内田百閒が空襲の最中に、死ぬ前にもう一度食べたいものを列挙した随筆を書いていましたが、この店のケサディアを食べていれば必ずや書き加えたでしょう。
 追記。先日「ブエナ・カレラ」は横浜の方へ移転しました。横浜だとなかなか行く機会がなくて、しばらく食べておりません。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2008-02-17 07:37 | 中部 | Comments(0)
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