肥前編(23):佐世保(07.9)

 本日は九十九島クルーズを楽しんで、伊万里に移動しましょう。佐世保の近くには世界最古級の豆粒文土器が発見された泉福寺洞窟、少し離れたところには日本ではじめて発掘された旧石器時代の土器で有名な福井洞窟があるのですが、時間がないのでカット。東山海軍墓地にもそそられましたがこれもカット。クルーズ船が発着する西海パールシーリゾートに行くバスの出発時刻まで時間があるので、ホテル近辺を徘徊しました。とんねる横丁はおそらく防空壕を再利用したものですね。いやに恰幅のよい猫が爆睡していました。
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 その先にある公衆便所には「公衆便所の前では据売りをしないてください」という掲示。据売りとは屋台のことをさすようです。「黒麹芋焼酎 魔界への誘い」の誘惑をしりぞけ、カトリック三浦町教会へ。
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 1931(昭和6)年に完成し、戦時中には空襲を避けるためにコールタールを黒く塗られましたが、結局佐世保大空襲の際にもまったく被害はなかったとのことです。中に入ると、ステンドグラスが朝の光を極彩色に変えて壁面を彩っていました。この教会は高台の上にあるので見晴らしはいいはずなのですが、周囲には高層ビルが乱立し望むべくもありません。教会の前で、両手を広げ屹立するキリスト像は何を思っているのでしょう。
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 駅の向こう側に行くと、そこはすぐ港になっています。寄らば斬るぞと身構える海上自衛隊の軍艦が印象的。そして懐かしい「有害雑誌回収白ポスト」が寂しげに駅の裏に立っていました。テクノロジーの発達で有害な写真はいとも簡単に手に入るようになったんだ、もう君の出番はなさそうだよ。でも、一番有害なものは、子どもたちを市場に巻き込んで金を巻き上げる大人たちの浅ましい心根かもしれないね。
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 小腹がへったので喫茶店はないかときょろきょろ捜すと、駅の近くに「ドミニカ」という店がありました。地元の方々の溜り場的雰囲気がなんともいえない落ち着いた喫茶店で、さっそく目玉焼き+トースト+サラダのモーニング・サービスを所望。それにしても、何で「ドミニカ」なのでしょう、女将にその由来を聞けばよかった。
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 駅前には8月31日に閉業した前田旅館が悲しそうに建っていました。剥ぎ取られた看板の跡が痛々しく壁面に残っています。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2008-04-08 06:17 | 九州 | Comments(3)
Commented by たいすけ at 2012-03-22 15:28 x
三浦町教会のあたりは昔確かにビルがなく、教会から港が望めました。
しかしそれは時代の流れで、それを残念がるのではなくプラス思考で考えることはできないのでしょうか?乱立という言葉で町を皮肉るのは非常に不愉快です。発展していると言ってもらいたいくらいです。長崎市も駅周辺はビルがいっぱい建っていますよ!!
Commented by たいすけ at 2012-03-22 15:43 x
発展は確かに昔の風情というものを無くしいっています。その町に住む人はもちろん旅人が訪れたときに好きだった風景が変わってしまっているのは確かに残念です。時代の流れと言い済まされないようなものを失っているかもしれません。しかしそんな時代の中、町の一角に少しでも残している風情を見つけるとうれしくなってきます。だから発展でその町の個性が失われることは決してないと思います。
Commented by sabasaba13 at 2012-03-28 09:06
 こんばんは、たいすけさん。コメントをありがとうございました。小生は「無秩序に建てられた高いビルが景観を損ねている」と述べただけで、佐世保を皮肉る意図は毛頭ありません。また、これは個人的な感覚ですが、そういった光景には少々辟易します。そして高層ビルを建てられるほど経済力をもつ企業がたくさんあることが、即「発展」と結びつくのかどうかも疑問に思います。「発展」とは何かについていろいろな意見があると思いますが、私は不平等がなく皆が人間らしい暮らしを営める状況だと考えています。企業を中心とした経済的「発展」、高層ビルを乱立させるような経済的「発展」は、その町の風情や個性を破壊する可能性が高いのではないでしょうか。
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