そして白壁・なまこ壁の土蔵造りが建ち並ぶ白壁通りへ。鏝絵も散見されます。
このあたりを流れる水路が災除(さいのき)川。
あとはあてどもなくふらふらと徘徊したのですが、この街にすっかり魅せられてしまいました。特段これといった見どころはないのですが、いろいろな水路がつくりだす表情が情趣をかきたてます。ゆるやかに、時には轟々と音を立て、ある場所では民家の間をひっそりと流れる多種多様の水路。街のどこにいてもせせらぎの音が聞こえてくるような気がしました。(実際、よく聞こえてきましたが) これって精神衛生上、きわめて良いのではないでしょうか。そして水面に映りゆらめく民家や木々の影。奮発して、「九州の
ヴェネツィア」という献辞を捧げましょう。わたしゃ
柳川よりも観光ずれしていない筑後吉井を買いますね。ちなみに「関東のヴェネツィア」は
栃木、「中部のヴェネツィア」は
郡上八幡、「山陰のヴェネツィア」は
松江。こうした街は多少の不便を感じても、水と水路がもたらしてくれる快適さを守り続けているのだと思います。東京も大阪もかつては水の都だったのに、経済性を重視して景観を破壊してしまい今では見る影もありません。そろそろ快適な暮らしを壊さない範囲でほどほどの経済性を追求するという思考にシフト・チェンジしたほうがいいのにね。
そうそう、街を歩いていて「おくやみのお返しを自粛しましょう」「病気お見舞いのお返しはしないように致しましょう」というポスターを何枚か見かけました。過剰な贈答という慣習がこの地にはあるのかもしれません。あるいは経済的疲弊が耐え切れぬほど押し寄せている可能性もありますね。
本日の三枚です。