駿河・遠江編(11):蒲原(07.11)

 新蒲原駅で降りましたが、期待に反して観光案内所や案内表示は一切なし。せんかたなし、ガイドブックに載っている小さい地図を頼りに歩き始めました。東海道五十三次、品川から数えて十五番目の宿場町が蒲原です。歌川広重が描いた夜の雪景色「蒲原夜之雪」で有名ですが、なぜ温暖なこの地でめったにない雪を描いたのかは謎のようです。国道396号線を渡り、路地を抜けると国道に並行する旧東海道に出られました。どうなることやらと思っていたのですが、ここまで来ると案内表示もけっこうあるので一安心。まずは江戸方面へ向かうと、珍しい三階建ての渡邊家土蔵があります。四隅の柱が上にいくにつれて少しずつ狭まる「四方具(しほうよろび)」という耐震性に優れた技法で建てられているそうです。諏訪神社のあたりはかつて東木戸があったところで、常夜燈が残されていました。
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 ここで折り返して京方面へと向かいましょう。黒漆喰となまこ壁が良い味を出している佐藤家、その向かいが低く迫り出した瓦屋根が印象的ななまこ壁の吉田家を拝見し、左に折れると「夜の雪記念碑」があります。
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 忘れもしない、永谷園の「お茶づけ海苔」(余談ですが、私はふりかけとして愛好していました)のおまけとして出会った衝撃の一枚です。すべての音を吸い込んでしまうようなモノトーンの静寂な世界、そこを行き交う寂しげだが力強い足取りの三人の旅人… いいなあ。もし初摺「東海道五十三次」のうち一枚もらえるとしたら、わたしゃ躊躇なく何の留保もなくこの一枚を選びます。
 ふたたび旧東海道に戻ると右手にかつての旅籠「和泉屋」であった鈴木家があらわれます。二階の櫛形手すりや看板かけがしぶい!
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 その前が本陣跡、内部は見学できませんが、黒塗りの板塀がいいですねえ。本町会館には延焼を防ぐための煉瓦製火垣がありました。
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 磯部家は、総欅と手づくりガラスが見もの。1909(明治42)年築ですが、その時につけられたガラスがいまだ健在です。日本における板ガラスの生産開始が1907年だそうなので、これは貴重な逸品。欅の見事な木目と波打つガラス窓のコラボレーションには魅せられます。白い下見板張りの楳田医院はなかなかおしゃれな物件。
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 年代物らしきコンクリート製の蔵では、物干し台を利用して柿が干されていました。その先にあった家では、窓ガラスの桟の見事な細工に圧倒されました。いやはやなんてえ町だ。
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 本日の三枚。一番上は佐藤家です。
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by sabasaba13 | 2008-05-18 06:50 | 中部 | Comments(0)
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