駿河編(1):熱海(07.12)

 旅に関する言葉を集めておりますが、また一つ見つけました。モーツァルトがパリから父レオポルトに宛てた手紙の一節です。(「モーツァルト 天才の秘密」 中野雄 文春新書) 「凡庸な才能の持ち主なら、旅などしようがしまいが、いつまでも凡庸なままです。しかし卓越した才能の持ち主ならば―ぼく自身がその才能の持ち主であると自負しても、罰は当たらないと思いますが、いつも同じ場所に留まっていたら駄目になってしまいます」(1778.9) なかなか旅行を許可してくれない大司教コロレドに対する憤懣を父にぶつけているわけですね。この本は、旅がモーツァルトの才能を育んだという、なかなか興味深い内容のものです。それはともかく、凡庸な自分をヴォルフガンクになぞらえるつもりは毛頭ありませんが、いつも同じ場所に留まっていたら駄目になってしまうという気持ちはよくわかります。さて、今回の一泊二日小旅行の眼目は、朝鮮通信使と縁の深い清見寺と、湧水にあふれる三島です。これに三保の松原、熱海、沼津をくっつけて旅程を考えてみました。持参した本は「アメリカの鏡・日本」(ヘレン・ミアーズ 角川書店)です。
 当日、朝の天気は小雨模様。予報によると回復に向かっているそうですので、富嶽を眺められる三保は明日にまわして、熱海・沼津を先に訪れることにしました。新幹線の車中でガイドブックをひもといていると、伊東に行ったことがないという事実が発覚。熱海から近いし、木下杢太郎記念館もあるし、急遽立ち寄ることに決定しました。さて熱海に到着、駅のトイレに駆け込もうとすると、その脇に「お手洗い↑」という表示。うぬぬ、昇天するような気持ちのよいトイレなのかと期待しましたが、普通のものでした。まずは駅構内にある観光案内所で地図をもらいましょう。ここ熱海では、団体旅行客に胡坐をかいた有名観光地の現状をつぶさに見てみたいと思います。そしてもし惨憺たる状況でしたらば、不肖この散歩の変人が(余計なお世話ですが)改善策を提言いたしましょう。さて案内所でもらった観光地図ですが、思わず眼をこすってしまいました。白黒コピーで増し刷りしたような空前絶後・前代未聞のしょぼいしろもの! おまけに見所に関する解説もなく、もっとも重要な地図自体があまりにも大雑把です。距離を示すスケールもなく、おまけに道路の太さをすべて同じ幅で描き表すなんてえのは、言語道断の所行。"やる気のなさ"が瘴気の如く立ち上ってきます。「責任者を呼べ、眼をつむれ、歯をくいしばれ」と言いたいところですね。まずはこのへんから改善する必要がありそう。
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by sabasaba13 | 2008-07-09 06:07 | 中部 | Comments(0)
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