瀬戸内編(1):新山口(08.2)

 土日に一所懸命働いたおかげで、二月末から三月にかけて六日間の連休をとれることになりました。うっほほほーい! 矢も楯もたまらず、さっそく旅行の計画をねることにしましょう。♪春は名のみの♪というわけで、北方への旅はきつそうです。南方かあ… 故宮本常一氏の故郷・周防大島へ行く絶好の機会かもしれない。さっそくこの線で調査を開始してみました。すると多島海・瀬戸内には面白そうな島がてんこ盛りであることが判明。人間魚雷「回天」の訓練基地があった大津島、練塀と神舞の祝島、旧海軍兵学校のある江田島、朝鮮通信使の資料館がある下蒲刈島、御手洗という風情ある町並みの大崎下島、景色が美しいという仙酔島、安藤忠雄設計の地中美術館がある直島。うん、これで行こう。アイランド・ホッピングにからめて、柳井、室津、室積、竹原、尾道、鞆といった街にも寄れそうです。ついでといっちゃなんですが、竹原にある社倉や、閑谷学校も見られるかもしれない。こうした点と線をつないでみることにしましょう。こういうことにはまめな私ですが、今回はそうとう苦心惨憺しました。なにせ島へ行く船便が少ないこと少ないこと。祝島などは一日三便です。これは褌を締めよほど気合を入れて綿密な計画を立てないと立ち往生してしまいそうです。インターネットにかじりついて、船やバス(これがまた少ないんだ)の時刻表を調べ上げ、どうやら目鼻がつきました。それではいざ出発。
 なお持参した本は「出発は遂に訪れず」(島尾敏雄 新潮文庫)です。

 某月某日。長期予報では雨はなさそうですが、すっきりとは晴れず曇りがちとのこと。羽田空港から一路、山口宇部空港をめざします。雲がそれほどないため窓からの視界は良好。日本のエーゲ海・瀬戸内海のようすもまあまあクリアに見えました。おっ淡路島だ、たこフェリーが懐かしいな、えっ小豆島ってけっこう大きいんだ、棚田と尾崎放哉記念館を見られなかったのは今でも悔やまれます、うっ尾道と今治を結ぶしまなみ海道だ、かつてこの道を自転車で縦断した剛の者がいたっけ、いっ形からしてここが今回のメインとなる目的地・周防大島ですね、などと静かにはしゃいでいるとあっという間に宇部空港に到着です。
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 空港内で「金子みすゞのふるさと長門」という広告を発見。そういえば、近くまで行きながら彼女の記念館も素通りしてしまった記憶があります。
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 まずはバスに乗って新山口(小郡)駅へと向かいます。30分強で到着し、少し時間があるので駅周辺を散策。ここは四年前の山陽旅行の起点として訪れた地です、懐かしいなあ。近くには種田山頭火の旧居を復元した「其中庵」と、現役で実働している転車台がありましたっけ。今でもグルングルンと元気に廻っているのでしょうか。さてそろそろ糸崎行き列車の出発時刻です。おっと忘れちゃいけない、今回の旅行では必需品となるポケット時刻表を買わなければ。駅の売店で訊ねると、どうやら二月号と三月号があるそうです。売り子のおばさんも「新しい方がいいんじゃない」と言ってくれたので、何の考えもなく三月号を購入。後日、これは失敗であったと気づきました。三月号は、3月15日のダイヤ改正後の時刻表を載せているのですね。けっこう変わっているところがあり、結局使えませんでした。

 本日の一枚は周防大島です。
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by sabasaba13 | 2008-09-03 06:16 | 山陽 | Comments(0)
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