千光寺新道を少し上って左に入ると志賀直哉旧居、ここからの眺望は見事です。
そして千光寺道へと行き今度は右に曲がると天寧寺三重塔。
また千光寺道に戻って少し上ると、先ほどの三重塔・町並み・海・向島・尾道大橋を一望できる絶景スポットがありました。千光寺に到着すると、この先は尾道に関する文学碑が道なりに林立する「文学のこみち」、そして展望台のある千光寺公園です。
キノコのような展望台の屋上に立つと、それはそれは素晴らしいパノラマ! 小雨模様のため視界がクリアでないのはまっこと惜しいのですが、それでも山の斜面と狭い平地に身を寄せ合うようにして犇きあう尾道の町並みが手に取るように一望できます。尾道と向島に挟まれたまるで川のような尾道水道、さらにその彼方には朧げながら島なみも遠望できました。
すぐ近くにはロープウェー山頂駅があるので、これに乗って街中へと降りましょう。雨に濡れて光る甍の波がぐんぐんと迫ってくるのを見ると、けっこう胸がときめきます。わずか数分ですが空中散歩を楽しんで山麓駅で降り、ふたたび散策を開始。
すぐ近くには時宗のお寺さん・慈観寺がありました。これは珍しい、一遍はこのあたりでも布教をしたのでしょうか。商店街に出ると、梶山時計店の大きな文字盤型のレトロな看板が目に飛び込んできます。扉にある「時計修理専門店」という手書きの文字が誇らしげでした。
そして御袖天満宮の長い石段へ、ここは映画「転校生」(監督:大林宣彦)の撮影スポットですね。石段天辺からは、町並みを見下ろすことができます。その近くには「犬(ネコ)殿 糞(フン)の後始末をするように飼い主様を教育して下さい」という貼紙がありました。
西国寺は足の健康祈願で有名、仁王門には長さ約2mの巨大わらぞうりがかけられています。奥の山の中腹には三重塔が遠望できます。正岡子規が「のどかさや 小山つづきに塔二つ」は、ここと先ほどの天寧寺の三重塔を詠んだものですね。
久保小学校は、縦長の窓がリズミカルに並んだモダンな建築。コンクリート製二宮金次郎像がありましたが、「親に孝行して兄弟仲よく物を大切にし働きながら勉強した人」という解説板がつけられているのは珍しい。
その先の道端で、柔道着姿で佇んでいる御仁がおりましたが、「姿三四郎」のモデル、必殺技・山嵐で有名な西郷四郎像でした。1922(大正11)年にここで亡くなられたそうです。そしてゴールの浄土寺、本堂と多宝塔が国宝に指定されています。映画「東京物語」(監督:小津安二郎)の撮影スポットですね。こちらの参道にあたる石段は線路のガード下をくぐるという珍しいもの。境内には異様に立派な瓦屋根をいただいた「はとのエサ 30円」売り場がありました。
本日の四枚です。