2010年 02月 18日 ( 1 )

松本・上高地編(1):白馬(09.5)

 青鬼(あおに)の棚田をご存知ですか。一度写真で見た時から脳裡と瞼に焼きついてしまいました。残雪をいただく白馬三山を前方に望み、その山影と青空を水が張られた水田が映し出す、なんともはや美しい光景でした。これは是が非でもこの目で拝んでみたい。ガイドブックやインターネットで調べてみると、このあたりの田植えの時期は五月の下旬頃のようですので、一念発起、代休をからめた去年の五月末の三連休に行ってみることにしました。所在地は長野県、松本から北にのびるJR大糸線の信濃森上駅から、車で十分ほどのところにあるそうです。公共輸送機関はないので、タクシーを利用するしかありません。信州に行くとなると、未踏の地・上高地もぜひ訪れてみたいですね、新緑と残雪がきっときれいだろうなあ。上高地までは松本から、松本電鉄+バスを乗り継ぎ二時間ほどで行けるとのことです。よって松本に二泊することで宿は決まり。これに松本市内の見物を加えましょう。以前に松本城と開智学校を駆け足で訪れたことがあるのですが、もう一度拝見する価値のある物件です。さらに「歩く地図8 松本・上高地」(山と渓谷社)を見ると、野麦峠にあった製糸女工宿「宝来屋」や諏訪にあった旧昭和興業製糸工場を移築保存し、野外展示してある松本市歴史の里、旧山辺学校を展示する教育文化センター、旧制松本高等学校校舎を展示するあがたの森公園があることがわかりました。うん、これも是非見てみたい。いずれも市街地からやや遠いところにあるので、現地でバスの便を確認し臨機応変に訪問することにしましょう。そしてこれも未踏の地・安曇野と、「小さな町小さな旅 関東・甲信越」(山と渓谷社)で紹介されていた須坂(すざか)の古い町並みも歩きたいな。はい、これで大まかな骨格が定まりました。
 第一日目。大宮→長野に新幹線で移動、長野電鉄に乗り換えて須坂を訪問。長野から篠ノ井線で松本に行き、松本市内を見物。そして松本泊。
 第二日目。朝早く大糸線で信濃森上まで行き、タクシーを利用して青鬼の棚田へ。ここではたと行き詰まりました。大糸線を走る列車の本数が極端に少なく、信濃森上近辺に三時間ほど留まらざるをえなくなります。これは困った、かなり時間のロスだ… しかしあきらめたらそこで試合終了です、いろいろと調べてみると、となりの白馬駅からも車で十分ほどで青鬼の棚田にいけることが判明しました。白馬だと、八方尾根へのリフトがあって散策もできるようです。ここで適宜時間をつぶして、安曇野へ行くことにしましょう。そして松本泊。
 第三日目。できるだけ朝早い時間に上高地へ行き、ゆっくりと逍遥。そして松本に戻って、見残したところを見物し、特急「あずさ」で帰郷。うん、これでいきましょう。
 しかし直前の天気予報によると、二日目に雨が降る確率が高そうです。雨の棚田と上高地はちょっと悲しいなあ、これは旅程を組み替えたほうがよさそうです。こうした臨機応変なフットワークの軽さが個人旅行の大きなメリットですね。第一日目と第二日目を入れ替えて、まず青鬼の棚田に行くことにしましょう。インターネットで列車の時刻表を調べてみると、7:30新宿発南小谷(おたり)行き特急「あずさ3号」を発見。なんと白馬駅まで直通で、11:28に到着です。おまけに安曇野のある穂高駅への列車(※信濃大町で乗り換え)が13:24発、棚田を見て、昼飯を食べて、白馬の町を散策してちょうどいい時間ですね。そして安曇野を散策して松本泊。二日目は、須坂と松本市内の見物。三日目は変更なし。紆余曲折、すったもんだの挙句、やっと旅程が決まりました。なお持参した本は、「毒ガス開発の父ハーバー 愛国心を裏切られた科学者」(宮田親平 朝日選書834)と、「帝国・国家・ナショナリズム 世界史を衝き動かすもの」(木村雅昭 ミネルヴァ書房)です。

 好月好日、7:30新宿発南小谷(おたり)行き特急「あずさ3号」に乗り込みました。最近のウォーキング・ブームからして列車が混雑するような予感がしたので、念のために指定席をおさえておきました。実際にはそれほどの混雑ではありませんでした。雲は多いけれども晴れ間も見えるまずまずの天気、やはり旅程を組み替えて正解でした。駅で買ったサンドイッチをほおばり、本を読み、車窓を流れる風景を眺めていると、あっという間に列車は塩山、そして甲府を駆け抜けていきました。新緑に染まった里山を美しく映し出す、水を張った鏡のような水田には目を奪われます。この時期の光景はほんとうに美しいですね。
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 そして諏訪湖を遠望しながら、列車は上諏訪、下諏訪、岡谷と進み、進路を北へ変え松本に到着。そして大糸線に入り、さらに列車は北行していきます。このあたりから残雪をいただく北アルプスの山容を見ることができました。よかった、残雪と水を張った棚田という絶好のシチュエーションに出会えそうです。穂高を過ぎると、フォッサマグナがつくった三つの湖、仁科三湖の東岸を列車は疾走していきます。南からウォータースポーツがさかんな木崎湖、ヘラブナやウグイなど釣りが楽しめる中綱湖、日本有数の透明度を誇る青木湖ですね。そして11:28に予定通り白馬駅に到着。駅前に出ると、おおっ、雪をいただく白馬の山々が迫るように屹立しています。
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 駅のとなりにある観光案内所で地図をもらいざっと眺めてみると、眺望ポイントとして大出の吊橋が紹介されています。よし、青鬼の棚田を見た後、運転手さんに頼んでここにも寄ってもらいましょう。美しい山並みを堪能しながら紫煙をくゆらせていると、スーツ姿の男性が近づいてきて「観光ですか?」と声をかけてきます。白馬村観光局の方でもなさそうだし、どうやら宗教関係の方らしいですね。四方山話をすこしして、「家族として生活を楽しむ」という小さなパンフレットをくれると、立ち去っていきました。やはり「エホバの証人」の信者の方でした。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2010-02-18 07:00 | 中部 | Comments(0)