2016年 09月 16日 ( 1 )

京都錦秋編(16):がんこ二条苑(14.11)

 もう少し歩くと、がんこ二条苑に着きました。こちらは和食の料理店ですが、小川治兵衛がつくった庭、高瀬川源流庭苑があります。事前に調べたところによると、お店の方にことわれば拝見できるそうです。さっそく入店して係の方に「お庭を見せてほしい」と頼むと、すぐに快諾。解説のパンフレットをくれた上に、お庭の案内までしてくれました。多謝。パンフレットを転記します。
 京の人々に古くから親しまれ愛されてきた高瀬川の流れは、豪商角倉了以の別邸跡「がんこ高瀬川二条苑」を通り、木屋町通りをくぐって再び姿を現します。
 おおよそ400年前の慶長16年、了以によってつくられた当庭苑はその後、明治の元勲山縣有朋の別邸「第二無鄰庵」となり第三代日本銀行総裁川田小一郎の別邸、阿倍市太郎の所有を経て、現在は大岩邸として伝わりがんこ二条苑高瀬川源流庭園となっております。
 時刻は午後七時すこし前、そろそろ夜の帳がおりかかり庭も溶暗しつつありますが、処々に置かれたライトが煌々とあたりを照らしています。私としては、風景が不自然に綺麗に見えてしまうライト・アップは好きではありません。やはり庭園は自然光のもとで見たいものです。シカゴ・カブスのオーナーであるフィリップ・リグレーが"野球とは陽光を浴びてプレーすべきもので、電灯の光のもとでプレーするものではない"と言ったそうですが、異議なし、議事進行。せめて庭師が配慮して置いた灯籠に灯を入れて見せてほしいですね。
 ご丁寧にお店の方が、連れ沿って説明をしてくれました。ここの紅葉は色づくのが遅く、ちょうど今が見頃とのことです。こちらは小川治兵衛による作庭ですねと話を向けると、わが意を得たりと莞爾、しばらく植治の話で盛り上がりました。最後は、対龍山荘をぜひ公開してほしいということで意気投合。
 さて肝心のお庭ですが、池泉回遊式ですが、池泉ではなく流れとなっています。鴨川から取水したみそそぎ川がここを通り高瀬川に流れ込みます。水量豊かな流れで、この水の動きと潺の音が、庭全体に躍動感を与えています。流れを渡るための、リズミカルに置かれた沢渡石と、シャープな切石の橋の対比も妙ですね。ここを渡ると滝口が組まれており、一枚岩の大きな水落石が屹立しています。東山から高瀬川が滝のように流れるとういイメージでつくられたそうです。その先にあるのが日本一大きな灯籠、吾妻屋風灯籠。なるほどこれはでかい。主屋に付属している欄干は、明治時代に能舞台として使われていた名残です。縞々模様のある石は滋賀県瀬田川の虎石で、川の水の浸透力で虎模様が刻まれたそうです。着物の袖の形をしているので、「誰か袖」と命名された蹲がありました。庭の奥には、小堀遠州によって作庭された茶庭があるそうですが、暗くてよく見えませんでした。無念。
c0051620_6225079.jpg

 なおこのお庭は、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」(JOJG)が発表する2015年の「日本庭園ランキング」の第48位に選定されています。"So what"と(以下略)
 楓もそれほど散ってはおらず、人工照明に照らされているとはいえ、その美しさを堪能できました。うん、高瀬川源流庭苑、いいですね(ロハだし)。こんどはぜひとも陽光を浴びた光景を見てみたいものです。再訪を期す。

 本日の五枚です。
c0051620_6232877.jpg

c0051620_6235360.jpg

c0051620_624275.jpg

c0051620_6245199.jpg

c0051620_6251573.jpg

by sabasaba13 | 2016-09-16 06:26 | 京都 | Comments(0)