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北海道編(56):帰郷(13.9)

 まだ時間が少々あるので、小鳥の村遊歩道を歩いて近くにある糠平川橋梁まで歩くことにしましょう。川沿いの遊歩道をすこし歩いていくと、二連アーチの糠平川橋梁を見上げるところに着きました。この橋は遊歩道の一部として整備されており、階段をのぼると橋の上を歩くことができます。解説板によると、士幌線のアーチ橋には二つの生い立ちがあるそうです。戦前に、清水谷から十勝三股にかけて建設されたものと、戦後に、糠平ダムの建設により付け替えられた黒石平からメトセップにかけて建設されたもの。この橋は後者、戦後生まれだそうです。
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 東大雪の道を歩いて糠平温泉まで戻り、ひがし大雪自然館を見学。なお上士幌町鉄道資料館もあるそうですが、時間もないのでカット。
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 そしてペンション「森のふくろう」に戻り、ご主人の車に乗せてもらいバス停「上士幌郵便局前」へ。車窓からはバイクでツーリングをする方々をたくさん見かけました。ご主人に丁重にお礼を言っておろしてもらい、近くにあった喫茶店「のんのん」で珈琲を所望。
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 13:38発のバスに乗って、14:55に帯広に着きました。札幌行きの列車到着まで一時間ほどあるので、駅近くにある「みすず」でご当地B級グルメ「牛じゃん麺」をいただきました。店内に貼ってあった謳い文句に曰く、"十勝管内16店舗が終結した一大プロジェクト""胡瓜と白髪ネギ、更にはトマトのマリネを具材にしたサラッと食べれるシンプルな1杯"、たしかにしかと受けとめました。"食べれる"というのが気になりましたが。
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 帯広駅へ戻り、駅前にあった旧広尾線のレールを撮影。まだ時間があるので駅ビルにあった自然食品の店「COCO」で香り高い珈琲を所望しました。
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 そして帯広発16:05のスーパーとかち8号に乗車、途中で「先行する普通列車が鹿と衝突」というアナウンスが流れ、追分で二十分ほど待たされるはめになりました。やれやれ、でも余裕をもって移動しているのでよかった。やはりエゾシカの数はかなり増えているようですね。午後六時半ことに南千歳に到着、乗り換えて新千歳空港に着いたのが午後七時ちょっと過ぎ。空港ビルで北海道最後の食事をとろうと徘徊していると、「「ジアス ルーク&タリー」という店のメニューにスパカツがありました。釧路で食べられず忸怩たる思いをしていたのですが、天網恢恢疎にして漏らさず、ここで出会うことができました。さっそく入店して注文、ナポリタン・トンカツ・ミートソースが織りなす味のトリコロール、美味しうございました。そして20:50発のANA4736に搭乗、22:30に無事羽田空港に到着。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-08 06:28 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(55):旧士幌線アーチ橋ツァー(13.9)

 同じ道を戻って国道へ、層雲峡方向へすこし走ると、第五音更川橋梁を道路から見ることができました。10mの無筋コンクリートアーチが連続し、音更川を跨ぐところに23mのコンクリートアーチがかけられています。ここから糠平温泉方向へすこし戻ると、幌加駅跡があります。駅舎はすでになく、廃線とホームだけの荒涼とした風景がひろがります。解説板によると、1954(昭和29)年の洞爺丸台風により幌加周辺に大量の風倒木が発生、その処理に多くの造材人夫が入り、住宅・商店・飲食店・事務所などがこのあたりに建設されました。1962(昭和37)年頃の幌加は約80軒の建物があり、350人くらいの人が住んで賑やかな町を形成していましたが、風倒木の処理が終わると人は次第に消えていったそうです。今では往時を偲ぶ縁は何もありません。
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 それでは第三音更川橋梁へと向かいます。途中に、対岸のタウシュベツ橋梁を遠望できる展望台がありますがカット。五の沢の駐車場に多くの車が停まり、家族連れで賑わっていましたが、旧士幌線跡を足こぎトロッコで走れるそうです。車窓から三の沢橋梁を撮影。
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 糠平温泉を抜けてしばらく走ると第三音更川橋梁に到着。下車して車道から眺めることができました。解説板によると、この橋は現存する北海道内の鉄道用コンクリートアーチ橋としては最も古く、32mアーチスパン(径間)は最も大きなものだそうです。この橋梁の成功により日本各地で大きなアーチ橋が沢山つくられるようになりました。また、設計計算や施工の状況が克明に記録された資料が残されており、学術的にもたいへん貴重とのこと。
 山と川を背景にきれいな弧を描く橋を撮影して車に戻ろうとすると、ぞわっ、ひとそろいの革靴が無造作に脱ぎ捨てられています。なんなんだこれは? さっそく四人で鳩首会議、樹海へ入っての自殺、熊に食べられた、靴屋の宣伝、マリー・セレスト号事件、諸説飛び交いましたが結論は出ず。そそくさと立ち去りました。糠平温泉へ戻る途中に車窓から見えたのが第四音更川橋梁のアーチの一部。この橋は撤去されてしまったそうです。
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 老夫婦が糠平温泉街で鹿を見かけたと言うと、運転しているガイドさん曰く、エゾシカが増えすぎて農作物の被害が70億円にも及び、現在は駆除しているとのことです。減ったら減ったで保護し、増えたら増えたで駆除する、人間なんてほんとうに勝手なものです。そして糠平温泉文化ホールに到着、ガイドさんに丁重にお礼を言って別れました。ホールのトイレを借り男女表示を撮影。
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 壁には「幻の橋 今年で見納め!?」という十勝毎日新聞の記事が掲示してありました。ついでに第三音更川橋梁の観光ポスターも撮影。
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 本日の二枚、第五音更川橋梁と第三音更川橋梁です。
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by sabasaba13 | 2015-05-07 06:25 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(54):タウシュベツ橋梁(13.9)

 糠平ダムによってできた糠平湖沿いの国道273号線を走り、丸山橋を渡ったところで車止めゲートのある林道に到着。ここからは林野庁の許可が必要とのこと、ガイドさんが車から降りて手慣れた様子で持参の鍵でゲートを開け、密林の中へと車で分け入っていきます。ガイドさんによると、以前は自由に通行できたのですが、道が荒れているため事故が多発。圏外で携帯電話は使えず、熊の出る道を一時間歩いて国道へ出て助けを求める人が続出。そのため通行禁止となったそうです。さもありなん、のがたがた道をしばらく走って下車。ここから先は徒歩となります。
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 「ヒグマ出没! この一帯は、ヒグマの生息・多発地帯です。十二分に注意をして下さい」という金属製の看板に肝を冷やします。"十分に"ではなく"十二分に"という下りに、リアリティを感じますね。しかし甘かった。ガイドさんが看板についている傷を指差し、ぽつりと一言。「ヒグマの爪痕です」 ぞっ。裏まで突き抜けるその鋭さ、背筋を冷たいものが走りました。
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 ここはガイドさんと一蓮托生、彼を信じるしかありません。ちなみに彼は熊鈴を鳴らしていました。彼曰く、ツキノワグマだったら立ち向かってもよいが、ヒグマはパス。(私はツキノワグマもパス) 実はヒグマよりも怖いのがスズメバチで、黒の服を着ているとやってくる。手で払ったら攻撃されるのでじっとしているしかないが、私にはできそうもない。(私にもできそうもない) などと会話をしながらぬかるむ道をすこし歩くと、糠平湖の湖畔に出ました。
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 おお素晴らしい! 晴天で無風、周囲の山なみや緑の木々を鏡のように映す湖の美しさに息をのみました。肝心のタウシュベツ橋梁は…やはり上部がすこし見えているだけ。ガイドさんによると、5月下旬~6月上旬がいちばん橋がよく見えるそうです。また橋が老朽化による崩落の危機にあると新聞報道され、今年はツァー参加者が増えたとのこと。これはぜひ近いうちに再訪を期したいですね。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-06 17:36 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(53):旧士幌線アーチ橋ツァー(13.9)

 朝の六時に目覚め、窓を開けると霧がたちこめています。朝食をいただき、お茶目なトイレ男女表示を撮影。
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 本日参加するアーチ橋ツァーは、9:00に糠平温泉文化ホール集合となっております。その後、バスで帯広に行き、根室本線で札幌へ、そして新千歳空港 20:50発の飛行機で羽田空港に戻る予定。しかし帯広行きバスの本数が少なく、おまけにこの時間帯は、始発が糠平温泉ではなく上士幌郵便局前となっています。♪困ってしまってワンワンワワン♪、いたしかたない、タクシーで…いやまてよ、情けは人の為ならず、駄目でもともと、宿の御主人に頼んでみましょう。「どうかひとつ」「ようがす」、というわけで自家用車で送ってくれるとのこと、ご厚情、深謝します。ほんとうにありがとうございます。
 部屋で寝転びながらうだうだしていると、青空がひろがってきました。それではすぐ近くにある糠平温泉文化ホールへと向かいましょう。途中に「大雪グランドホテル」という廃業したホテルが佇んでいました。
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 午前九時五分前にホールに到着、係の方に挨拶をして開口一番「タウシュベツ橋梁は見えますか?」と訊ねました。残念、九月に来襲した台風で増水して水没し、上部が少しだけ見えているだけだそうです。ああ悔しい。悔しいので貼ってあったフルムーンのポスターを撮影、こんなふうに見える時に再来するぞと決意。ガイド料3000円を支払い、同行する老夫婦と三人で、ガイドさんの車に乗り込み、Here we go ! なお橋に行くまでの道がぬかるんでいるということで、ゴム長靴を貸与されました。まずはこちらでいただいたパンフレットにより、旧士幌線とアーチ橋について紹介します。
 国鉄士幌線は十勝北部の農産物や森林資源の開発に貢献した鉄道でした。1937年(昭和12年) 9月に上士幌~糠平間が、1939年(昭和14年)に糠平~十勝三股間が開業しました。しかし森林資源の枯渇と車社会の到来によって、1978年(昭和53年)に廃線となり(糠平~十勝三股間がバス代行)、その後、1987年(昭和62年)には帯広~糠平の間も廃止されました。そして鉄道の廃止とともに鉄道橋としてのアーチ橋の使命は終わりました。

 士幌線は1,000m進むと25m登るという急勾配と半径200mのカーブが続き、終着十勝三股駅は海抜661.8mと北海道の鉄道の中で最も高い位置にあるなど本格的な山岳鉄道でした。特に、音更川の渓谷に沿って作られたため、たくさんの橋を造る必要がありました。そこで、工事費をおさえるために、現地でとれる砂利や砂を使って造ることのできる、アーチ橋をかけることになりました。また、大雪山国立公園の渓谷美に似合った橋の形にしたいということからも、アーチ橋とすることになりました。
 タコや強制連行された朝鮮人・中国人についての言及はありませんが、この工事には関わっていないのでしょうか。気にかかるところです。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-02 06:39 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(52):糠平温泉へ(13.9)

 その近くには、馬たちがひく鉄ソリが展示されていました。自転車にまたがって帯広駅へと戻り、観光案内所へ自転車を返却。
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 駅前のバスターミナルで、17:00発の糠平温泉行きのバスに乗り込みました。市街地を抜けると、あちらこちらに広大な駐車場を擁する量販店を見かけます。地域経済の破壊と、自動車による環境の破壊とエネルギー浪費、見方によっては悪夢のような光景です。
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 そして日没、夕焼けが広大な空を真っ赤に染め上げていきました。どうやら明日は晴れそうです。途中で「黒石平 黒曜石の産地」という看板を見かけましたが、そういえば受験日本史でここ十勝が黒曜石の産地だと暗記しましたっけ。
 バスは18:40に十勝バスぬかびら源泉郷営業所前に到着。今夜の塒、温泉ペンション「森のふくろう」はすぐに見つかりました。夕食をいただいて風呂にはいり、殺風景な部屋に戻って一献傾けながら明日の旅程を確認。
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 さあいよいよ最終日です。お目当ては、旧士幌線のアーチ橋ツァー。中でも見事な連続アーチのタウシュベツ橋梁が湖面に映る美しい姿は必見。ただダムの水が少ない冬季には姿を表わしますが、夏季になると水没してしまう幻の橋です。さあ明日はその姿を見られるでしょうか。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-01 07:42 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(51):ばんえい十勝(13.9)

 はい、私も反対です。日本経済のすべてをグローバル巨大資本の市場に差し出し、国内における国際競争力の弱い産業を切り捨てる、悪魔の所業です。この問題については、アメリカ側と日本側、双方から考えることが必要ですね。引用ばかりで申し訳ないのですが、まずはアメリカ側についての考察です。『永続敗戦論』(白井聡 太田出版)から紹介します。
 ひとつには、TPP問題に代表される経済戦争の新形態の展開である。1970年代から衰退を露呈し始めた米国経済は、新自由主義と経済システム全体の金融バブル経済化、そして旧共産主義圏の市場のこじ開け・統合によって延命を図ってきた。しかし、こうした努力も利潤率の傾向的低下、経済成長の鈍化を食い止めることはできず、限界に逢着したことを示すのが、2008年のリーマン・ショックであった。米国のTPP戦略は、この窮状からの脱出を目指す戦略のひとつである。多数の識者が指摘するように、保険・医療・金融・農業といった諸分野における米国主導のルール設定と日本市場の獲得という、米国による露骨な帝国主義的策動がTPPの枠組みに含まれている恐れは十分に存在する。…低成長を運命づけられている新自由主義体制のなかでは、ゼロサム・ゲームを前提としたパイの奪い合い(その手段には物理的暴力の行使も含まれる)が起こるほかない。そこにおいては、「身内」(=同盟諸国の住民)からも奪うという行為も当然選択肢のなかに含まれてくる。まして、冷戦崩壊以降、米国にとっての日本は無条件的な同盟者ではあり得ない。(p.130~1)
 次に日本側についての考察を、『ナショナリズム論・入門』(大澤真幸・姜 尚中[編] 有斐閣アルマ)所収の「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」(鵜飼哲)から引用します。
 現在の新自由主義的な資本主義は、国内産業・国内市場・義務兵役の確立を目的とした国民国家形成期の産業資本主義とは異なり、各人が資本家になること、貨幣資本を所有していない者は唯一の所有物、つまり自分自身を、自分の体と心を「資本」にし、責任をもって自己管理することを求める。いわゆる「自己責任」に対するこの要求が貫徹されるなら、「国民としての最低限の生活の保証」というこれまでの福祉国家の前提は崩れ去る。資本の要求に従順な国家はそのとき「パラサイト国民」と見なされた人々の切り捨てにかかる。「甘え」を許さないあのガイドの厳格さが、今ではリストラが進むあらゆる職場で求められ、「期待される日本人」像の不可欠の要素になっている。しかし、そのときナショナリズムは、固有の歴史との絆を決定的に喪失する。(p.346)
 もう一つは、『街場の憂国論』(内田樹 晶文社)からの引用です。
 もう「全員がこの四つの島で生涯を過ごす」ことは統治者にとって、政策決定上の本質的な条件ではなくなった。だから今、「この四つの島から出られない機動性の低い弱い日本人」を扶養したり、保護したりすることは「日本列島でないところでも生きていける強い日本人」にとってもはや義務としては観念されていない。むしろ、「弱い日本人」は「強い日本人」がさらに自由かつ効率的に活動できるように支援すべきだとされる。
 国民的資源は「強い日本人」に集中しなければならない。彼らが国際競争に勝ち残りさえすれば、そこからの「トリクルダウン」の余沢が「弱い日本人」にも多少は分配されるかも知れないのだから。
 「弱い日本人」は「強い日本人」に奉仕しなければならない。人権の尊重を求めず、「パイ」の分配に口出しせず、医療や教育の経費は自己負担し、社会福祉には頼らず、劣悪な労働条件に耐え、上位者の頤使に黙って従い、一旦緩急あれば義勇公に報じることを厭わないような人間になることが「弱い日本人」には求められている。そのようなものとして「強い日本人」に仕えることが。
 これが安倍自民党が改憲によって日本人に飲み込ませようとしている「新しいルール」である。改憲の趣旨は、一言で言えば、「強い日本人にフリーハンドを与えよ」ということである。
 自民党の改憲案を「復古」とみなす護憲派の人たちがいるが、それは違うと思う。この改憲案はやはり「新しい」のである。
 国政の「採算不芳部門」である医療、教育、保険、福祉などをばっさり切り捨ててスリム化し、国全体を「機動化」することをねらっているからである。それは国民の政治的統合とか、国富の増大とか、国民文化の洗練とかいう、聞き飽きた種類の惰性的な国家目標をもはや掲げていない。改憲の目標は「強い日本人」たちのそのつどの要請に従って即時に自在に改変できるような「可塑的で流動的な国家システム」の構築である(変幻自在な国家システムについて言うには「構築」という語は不適当だが)。
 国家システムを「基礎づける」とか「うち固める」とかをめざした政治運動はこれまでも左右を問わず存在したが、国家システムを「機動化する」、「ゲル化する」、「不定形化する」ことによって、個別グローバル企業のそのつどの利益追求に迅速に対応できる「国づくり」(というよりはむしろ「国こわし」)をめざした政治運動はたぶん政治史上はじめて出現したものである。安倍自民党の改憲案の起草者たちは、彼らは実は政治史上画期的な文言を書き連ねていたことに気づいていない。(p.38~9)
 問題なのは、こうした「国こわし」を進める安倍伍長がなぜ、絶大とまでは言いませんが、ある程度支持されているという現状です。仮説ですが、その背景には3タイプの方々がいると考えます。まず積極的に支持する人たち。これは自分が「強い日本人」に属する、あるいはそう信じる人たち。二つ目は、「弱い日本人」ですが、TPPが何となく自分たちの利益になると勘違いされている人たち。三つ目は、この件に関しては無知・無関心で、伍長が唱える"景気回復"というマントラに何となく呪縛されている人たち。やれやれ、"汝の現今に播く種は、やがて汝の収むべき未来となって現われべし"(漱石ロンドン留学日記)なのにね。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-30 06:33 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(50):ばんえい十勝(13.9)

 それでは帯広駅へと戻りましょう。馬券売り場のところには「本日の協賛レース」という掲示板があり、「5R 真樹ちゃん繁ちゃん ありがとう」「7R 河辺永佳 勤続20年慰労記念」といったローカリティあふれる名称が記されていました。今、インターネットで調べてみると、1口1万円の協賛金を出すと、自分の好きな名称をつけて冠レースにできるそうです。その7割を優勝馬の馬主・調教師・騎手・厩務員の全員またはいずれかに授与、3割をばんえい競馬振興運営費に充てるとのこと。そして協賛者の次の特典が…
*当日の出走表に冠レース名が掲載されます。
*勝馬投票券に冠レース名が掲載されます。
*表彰式へプレゼンターとして参加できます。
*予想新聞他新聞の掲載面にレース名がでます。(都合により掲載できない場合があります。)
*優勝馬・協賛金授与者と記念撮影ができます。 (カメラをご持参下さい。)
(レース後、優勝馬が興奮して危険と判断した場合は、受賞者との記念撮影となります。)
*競馬場・各場外発売所及びCSテレビ・ケーブルテレビなどで競走名を紹介します。
*騎手に授与された場合、騎手からサイン入り色紙をプレゼントいたします。
*当日ご来場できない方には、ご希望により当日の出走表及び記念撮影写真を送付いたします。
*スタンド3階プレミアムラウンジに優先予約を受付いたします。(申込日から協賛前日まで)(有料1人1日1,000円)
 これは面白い。私も協賛してみようかな、「3R 山ノ神・宿六記念」なんてね。

 その近くには、"TPP(環太平洋連携協定)は、十勝の農業・経済・社会を崩壊に導きます!"というTPP反対のポスターが貼ってありました。後学のために転記しておきましょう。
TPPで農畜産物の関税が撤廃された場合…
小麦、砂糖、肉牛、乳製品等、品質的に海外と差が少ないものは、価格面で太刀打ちできず輸入品に置き換えられます
食料を海外に全面的に依存することにより日本国内における食料供給が不安定になります 併せて、消費者の皆さんが望む「食の安全・安心」の確保も難しくなります
十勝の農業生産のみならず、農業関連産業(食品加工・生産資材・運輸等)、地域経済・地域社会が崩壊します
また、TPPでは、農業の他、人の移動、自動車や医薬品の規格、金融、保険、環境、投資等幅広い分野での規制撤廃も議論されますが、日本にどのような影響をもたらすかは不透明です

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-29 08:26 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(49):ばんえい十勝(13.9)

 ああ面白かった。家訓と個人的信条によって賭け事はしないことにしているので馬券は買いませんでしたが、十二分に楽しめました。公式サイトが謳っている「華麗さは期待しないでください。ダイナミックな感動を期待してください」という宣伝文句は伊達ではありません。まだバスの発車時刻まで時間もあるのでもう一レース見ることにしましょう。その前にパドックに行って次の出走馬を近くから拝見しました。いやあ、サラブレットの倍ぐらいある大きな馬体の逞しさには驚愕。太い足、でかい尻、まるでブ――――――――です。♪わあらにまみれてよお♪とコブシをまわして唄いたくなりました。
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 なお勝ち馬を見分けるポイントは、元気がいいか、頭をグンと上げているか、落ち着きがあるか、歩き方、腰・尻、股・間接・筋腱の充実度、目の輝き、毛の艶、蹄み込みの良さとバランス、全体のコンビネーションはどうか、だそうです。素人にはまったくわかりませんでしたが。またパドックでは、騎手が乗鞍を付けずに騎乗するので、騎手と馬の呼吸がピッタリ合っているかも分かり、これも大事なチェックポイントだそうです。素人には全然わかりませんでしたが。
 さあそろそろ出走です。このレースはスタンド最上階から鳥瞰することにしましょう。どどどどどどどど(以下略)。いやあスタンドから見ても迫力満点でした。ああ楽しかった。
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 しかし馬たちの苦労も並大抵ではないようです。公式サイトによると、ばんえい競走馬になるには、能力検査と呼ばれる試験に合格しなければなりません。"この検査は約1200頭の登録馬から220~230頭が合格できる狭き門で、不合格馬は故郷に帰るか、グルメファンの欲求を満たす食材として全国に配送されます"という苛酷な解説がありました。ばんえい競争馬の馬刺しを欲するグルメがいるとは知りませんでしたが。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-28 06:39 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(48):ばんえい十勝(13.9)

 それでは「ばんえい競馬」へと向かいましょう。雪深さを感じさせる竪型の信号や、洋酒+カクテルの「黒んぼ」(おいおいいいのか)を撮影しながら三十分強ペダルをこぐと競馬場に到着です。
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 まずは「ばんえい十勝」のサイトを参考に、ばんえい競馬を紹介します。「ばんえい競馬」は最高1トンの重量物をのせた鉄ソリを馬に曳かせ、全長200m、途中に2ヵ所障害(坂)のある直線コースで競うレースです。よく知られている平地競馬とは違い、スピードだけではなく、馬の重いものを引っぱる力と持久力そして騎手のテクニックの勝負です。このレースは北海道開拓に活躍した農耕馬で農民たちがお祭り競馬として楽しんでいたものがシステム化され現在の形に発展したもので、すでに35年以上の歴史をもち、北海道が育てた世界でたったひとつの「ひき馬」競馬として内外の注目を集めています。おしまい。
 百聞は一見に如かず、入場することにしましょう。入口の前にあるのが「とかちむら」、産直市場や、ビストロ・豚丼・カレーなどのお食事処が軒を並べています。
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 入場料100円を払って中へ入ると、眼を血走らせた酒臭い男たちが競馬新聞を片手に色鉛筆を耳にはさんで悪鬼の如く咆哮し幽鬼の如く彷徨い歩く…といった雰囲気はまったくありません、いやほんと。家族連れ、子供連れ、カップルの姿も目立つ、和やかで健全な雰囲気でした。なお電光掲示板に「馬場水分 1.9%」と表示してありましたが、水分が多いとソリの滑りが良くタイムが早くなるとのことです。奥が深い。
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 それでは外へ出てコースの方へ行ってみましょう。障害となる坂を整備する係の方、ソリのチェックに余念がない騎手、スタンドやコースの様子を撮影。
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 おっレースが始まるというアナウンスがありました。まずは至近距離で見学いたしましょう。幸い、最大の山場である第2障害の前の人だかりに隙間がありました。わりーね、わりーね、ワリーネ・ディートリッヒと隙間にもぐりこんでカメラを身構え、スタートを待ちます。がばっ。スターティング・ゲートが開き、騎手を乗せた鉄ソリを、八頭の馬が土煙をたてながら勢いよく挽いていきます。どどどどどどどど。高さ約1mの第1障害はその勢いで一斉に乗り越えていきます。どどどどどどどど。ん? 高さ約 1.6mの第2障害の前で、各馬が一旦停止しました。かなりハードな障害なのですね、騎手は馬の呼吸と他馬の動きを見ながら、仕掛けのタイミングを図っているようです。おっ一頭が仕掛けた、しかし登りきれない、次の馬が一気に抜き去った。脈打つ筋肉、迸る汗、あがる息、叱咤する騎手、気がついたら歯を噛みしめ拳を握りしめていました。ぎりぎり。ぎゅー。第2障害を駆け下りれば後は直線、どどどどどどどど、と砂塵を巻き上げながら馬たちがゴールを駆け抜けていきます。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-27 06:33 | 北海道 | Comments(0)

北海道編(47):真鍋庭園(13.9)

 次は廃業した銭湯の桜湯。1932(昭和7)年に建てられたとのことですが、ファサードを飾る半円形の意匠が素敵ですね。マルセイバターサンドの六花亭は、重厚なレンガ造り。
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 旧宮本富次郎商店は、1919(大正8)年竣工の赤レンガ建築。レンガの赤と石の白い帯がよくマッチしています。蕎麦の「小川」は美味しいとの情報を入手しましたが、豚丼を食べたのでパス。再訪を期しましょう。
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 「北のレンガ」は、築およそ90年の果物倉庫を利用したギャラリーだそうです。吉川商店はなんと「馬具商」、さすがは帯広です。
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 ここから三十分弱ペダルをこぐと真鍋庭園に到着です。樹木の輸入・生産・販売をしている農業者「真鍋庭園苗畑」が運営している回遊式のコニファーガーデンで、世界中から収集した数千品種の植物が出迎えてくれました。コニファーガーデンとは何ぞや? 調べてみると、コニファーとは色彩の豊かな針葉樹の総称だそうです。24,000坪の広大な土地に、日本庭園・西洋風庭園・風景式庭園などさまざまなタイプの庭があり、歩くごとに千変万化する景観や多彩な植物を愛でながら楽しいひと時を過ごせました。幸い青い空に白い雲が浮かび絶好の写真日和、池や流れも多く水面に映る緑も恰好の被写体です。ん? 「ノルウェーカエデ クリムソン・キング(Crimson King)」だとお! 私の好きなロック・バンドの名前ではないですか。「クリムゾン・キングの宮殿」「ポセイドンのめざめ」、ああ懐かしい。思わずラックからCDを取り出して、「21世紀のスキッツォイド・マン」(レコード制作基準倫理委員会基準により改名)を聴いてしまいました。もしかすると、イアン・マクドナルドの生家にこのカエデが生えていたのかな。
 出口近くのカフェテラスで珈琲を飲んでいると、松の幹にへばりついている小動物が目に入りました。エゾリスだ… 人に慣れているのか逃げもせず、写真に撮ることができました。これでクマ、シカ、リスをすべて撮影することができました。御慶。
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 なお「北海道ガーデン街道」というものがあって、ここ真鍋庭園はその一つだそうです。以下、サイトから転記します。
 北海道の代表的な美しい8つのガーデンが集中している、大雪~富良野~十勝を結ぶ全長約250kmの街道です。いずれのガーデンも北海道ならではの気候や景観を生かして個性にあふれ、力に溢れた庭づくり・景観を展開する現代の日本を代表する観光庭園です。
 日本のコッツウォルズ(イギリスのガーデンエリア)やロマンティック街道(ドイツ・観光街道の一つ)と呼ぶに相応しく、日本の新たな庭園文化を築くものです。また、自然の風景や山並みとともにアクティビティーを楽しめ、豊かな食も堪能できる観光ルートです。
 うーん、残り七つの庭園を訪れていないので断言はできませんが、"日本のコッツウォルズ"と呼ぶのはちょっと傲岸ではないかな。バートン・オン・ザ・ウォーター付近のフットパスを散策したことがありますが、その緑にあふれる丘陵や牧場の美しい景観には及びもつかないかと思います。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-26 08:11 | 北海道 | Comments(0)