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ギリシア編(23):デロス島(07.8)

 そして次はデロス同盟の最盛期につくられたアポロン神殿跡・アルテミス神殿跡の見学です。
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 紀元前七世紀の終わりにナクソス人が奉納したという五基のライオン像はレプリカで、本物はすぐ近くにある博物館におさめられているそうです。ん? 石柱の上に何やら異なものが。中ほどから折れているのですが、これはペニスではないのか。なぜ? 疑問は忘れずそのままにして、次は博物館の見学です。
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 ライオン像の実物や大理石像、モザイクなどを見ていると、ペニスをあらわにしたディオニュソス像がありました。陶酔と狂乱の神ディオニュソス(ローマ神話ではバッカス)、彼に対する信仰には男根崇拝という一面もあったのかもしれません。すると先ほどの石柱があったあたりは、ディオニュソスに関する神域だったのかな。ここでしばらく自由行動となったので、外へ出ました。すると当然の如く、日陰でまどろむ二匹の猫。ほんとは愛撫したかったのですが、幼い子どもを優先しましょう。うん、私も大人になったな。
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 さて地図をたよりに、デロス同盟の金庫跡をさがしましょう。調子に乗って遺跡の中を徘徊していると、係員から立入禁止だとよと注意されました。気をつけましょう。おっ、あったあった。もちろん上物は影も形もありませんが、"TRESORS"と書いてある石の表示がありました。それほど大きくはない土台が五つほど残っており、これがすべて金庫跡です。かつてここにアテネが各ポリスから搾り取った富が眠っていたわけだ。
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 少し歩くと小高い所があり、アポロン神殿跡・アルテミス神殿跡の全貌を見渡せることができます。これはパノラマ写真を撮らねば。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2008-01-31 06:12 | 海外 | Comments(0)

「四丁目の夕日」

 「四丁目の夕日」(山野一 扶桑社文庫)読了。「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画が大変な人気のようで、続編も公開されるそうですね。「ビッグコミック オリジナル」に連載が開始された時から、西岸良平氏による原作をしばらく読んだのですが、すぐに飽きてしまいました。あまりに単調で一本調子の絵にも辟易したのですが、恐ろしいぐらい美化された昭和30年代の暮らしに、その時代の端っこを生きた者として強烈な違和感を覚えたからです。それにしてもこのブームの正体は何なのでしょう。現在の息苦しさからの逃避なのでしょうか。あるいは今後私たちをさらなる貧困のどん底に落そうと舌なめずりをしている官僚・政治家・財界諸氏が、「貧乏人どうしが助け合えばこんな幸せな暮らしができるんだよおおおおお」というメッセージを刷り込むために、メディアを動員してつくりだしたブームかもしれませんね。しかしこの似非ユートピアとも言うべき漫画に、真っ向から異を唱える強烈な漫画があることを知りました。それが本書です。
 時代背景と舞台はほぼ同じ、下町の小さな印刷工場の息子の別所たけしが主人公です。善意にあふれた人たちであふれる「三丁目の夕日」に対して、本書では「他人のことなどどうでもいい、金がすべて」という人たちが次から次へと登場します。そして主人公に襲い掛かる、目を覆いたくなるような不幸の連続、そして… 善意に満ちた似非ユートピアに対する、悪意に満ちた似非アンチ・ユートピアです。現実はこの中間、やや四丁目よりにあったのではないかなあ。血と汗と嘔吐と膿が滴り落ちるような重いタッチ、そして情け容赦なく貧困を抉り出す台詞とト書きには圧倒されました。
 カネができなけりゃ腎臓でも角膜でも売ったれや。いいか、てめえら貧乏人はな、んなもの一コづつついてりゃたくさんなんだよ。

 この世には二種類の人間がいるんだ。…うん…まぁ一言で言ってしまえば"奉仕する人とされる人"かな。

 その後この二人は工場再建のための涙ぐましい努力をした。でもソーユー事とは全く無関係にやっぱり工場はつぶれてしまったのだった。すべての努力は全くの徒労であった。
 絶望的に貧しい生活を送るうち、次第に狂気を帯びてくる目には背筋が寒くなります。そう、貧困は人間をここまで追い込んでしまうのですね。「貧しいからこそ人と人との暖かい触れ合いがある」などという、為政者の甘言に騙されないようにしましょう。やはり貧困を世界からなくさなければ。かといって大量生産・大量消費に溺れる過剰な豊かさでは地球がもちません。人間の尊厳を冒さない程度の質素な暮らしをどうやって築いていけばいいのか、われわれに課せられたとてつもない課題です。

 あまりにも苛烈な内容と絵なので安易にお薦めはできませんが、一見の価値はある漫画だと思います。できれば「TOMORROW(TODAY?) 四丁目の夕日」というタイトルで映画化されないかなあ。安倍晋三元伍長が『美しい国へ』の中で、「ALWAYS」を絶賛したそうですが、「奉仕される」側に属するこの御仁にまっさきに試写会の招待券を送ってあげたいですね。
by sabasaba13 | 2008-01-30 06:01 | | Comments(0)

魔笛

 プラハ国立劇場オペラによる「フィガロの結婚」に続いて、同オペラによる「魔笛」(モーツァルト)を見て聴いてきました。こんなに立て続けにモーツァルトのオペラを聴けるなんて、もう悦楽! 会場は上野の東京文化会館、例によって山ノ神とはホール内で待ち合わせです。さあはじまりはじまり。釈迦に説法ですが、ストーリーを紹介します。(台本は彼の畏友である興業師エマニュエル・シカネーダー作)
 森に迷い込んだ異国の王子タミーノは、夜の女王に仕える3人の侍女に助けられ、女王の娘パミーナの絵姿を渡される。パミーナにひと目ぼれしたタミーノは鳥刺しパパゲーノを伴い、僧ザラストロに捕らえられているという彼女を救出に出かける。ザラストロの神殿にたどり着いたタミーノは、この僧が悪者ではないことを知り、パミーナと結ばれるための試練を受ける。みごと試練を克服した2人は、かわいい女房パパゲーナと出会ったパパゲーノらとともに神をたたえる。
c0051620_693687.jpg 開演の少し前から幕は開きっぱなしで、だぶだぶの茶色い衣装を着た十数人のバレエ・ダンサーがウォームアップをしています。そして序曲が始まっても、その状態が続きます。「これは劇なんだよ」と印象付けるための演出なのかな。大規模な舞台装置はなく、数本のロープによってダンサーが操る大きな大きな布が、怪物、山、神殿などなどさまざまな光景を表現します。これはグッドアイデアですね。動かし方や光の当て方で千変万化し、こちらの想像力を刺激してくれました。(安上がりですむし) 客席に姿を現したパミーナをビデオカメラで撮影し、それをリアルタイムでその映像を布に大きく映し出すという細工も面白い。布とともに揺らぐ彼女の姿が、タミーノのときめきを表現しているように思えます。
 演出も穏当なものでした。善玉と悪玉が途中でひっくりかえるストーリーなので、凝りに凝った演出も多いと聞いていますが、今回の演出は夜の女王=ヒール/ザラストロ=ベビーフェイスとメイクと衣装によってはじめからはっきりと提示しています。この方がすっきりしていいですね、音楽に集中できます。余談ですが、夜の女王が登場する時の衣装(高さ4~5mの巨大なスカート!)が、紅白歌合戦バージョンの小林幸子風なのは、日本公演を意識したのかもしれません。
 そして肝心要の音楽。「フィガロの結婚」同様、歌手もオーケストラも大きな瑕疵はなく、安心して聴くことができました。中でも、パミーナを演じたパヴラ・ヴィコパロヴァーの艶のある美声と、パパゲーノを演じたフランティシェク・ザフラドニーチェクのコミカルな歌唱と演技は印象的。となると、あとはモーツァルトの美しい音楽にどっぷりとひたるだけです。愛、笑い、嘆き、憎悪、万華鏡のように人間の心を映し出す魅惑的な音楽に身をゆだねれば、この世は天国さっ!
 それにしても「フィガロの結婚」ではすべてを許したモーツァルトが、本作では世界に漆黒の闇をもたらした夜の女王を最後に地獄の業火へと落してしまったのはなぜか? あまりにもシンプルな勧善懲悪的結末が腑に落ちません。身分制度どころではない、この世に最悪の災いをもたらす許しがたい存在がひたひたと近づきつつあると感じていたのでしょうか。そしてそれは産業革命ではないか、というのは深読みかな、深読みですね。ただそうしたおぞましい事態に立ち向かうための勇気や希望を、音楽が与えてくれるというメッセージはしかと受け取りました。それを伝えるためのメタファーが"魔笛"だと思います。最後の場面でパミーナはこう唄います。
さあ、笛を吹いて下さい。
その音が恐ろしい道を行く私たちを導いてくれるように。
 なお脇役として登場するムーア人(北西アフリカのイスラム教教徒)のモノスタトスが気になりますね。彼はザラストロの従者ですが、囚われのパミーナに恋して彼を裏切り、最後には夜の女王とともに地獄に堕ちてしまいます。醜悪、不誠実、悪徳といったマイナス・イメージをつねにまとわされているムーア人… モーツァルトも「オリエンタリズム」という呪縛からは逃れられなかったのですね。ただ「だのに俺だけ恋しちゃならぬと、色が黒くて醜いからだと。俺にはハートがないとでもいうのか? 血も肉もないとでもいうのかね?」という彼の独白に、一抹の安堵を覚えますが。
by sabasaba13 | 2008-01-29 06:10 | 音楽 | Comments(0)

「サブプライム問題とは何か」

 「サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉」(春山昇華 宝島社新書254)読了。「地道に働け」という家訓のせいなのか、生まれつきの性格ゆえか、はたまた山ノ神の呪縛によるものか、賭け事は一切していません。競馬・競輪・ボートレースは未経験だし、麻雀・パチンコはここ二十数年しておりません。別に自慢ではないですけれどね(自慢かな?) よって株や投資にも全く興味がありません。しかし巷で騒がれているサブプライム問題については胡散臭さとともに、嫌な胸騒ぎを覚えます。枯れ尾花なのかルシファーなのか、その正体を知っておきたいものだと思っていたら本書に出会えました。
 著者は金融機関に勤務するとともに、インターネットを通して投資知識の普及をめざされている方だそうで、わかりやすい概念図を多用した語り口には好感をもてました。で、おぼろげながら見えてきたのは、要するにこれは浮かれ・悪乗り・非常識をともなった「バブル」なのですね。「サブプライム」とは、優良顧客(プライム)ではない、所得水準が低くローンの延滞履歴があるなどサブ層へのローンのことです。住宅+土地の価格がいつまでも上昇し続けるというという思い込みの中で、「多少馬鹿な価格で買っても、後に控えた人がもっと馬鹿な価格で買ってくれるから、逃げられるので大丈夫ですよ」と巧みにさそいかける金融機関やブローカーの甘言に乗ったサブ層が、転売するために借りまくったローンが、この問題の本質のようです。そしてそれらの住宅ローンが、パッケージ化された金融商品として、お化粧を施され、他のローン債権等と組み合わされて世界中の投資家に売却されている。おまけに格付け機関がこれに「トリプルA」という評価を乱発したので、文字通り飛ぶように売れたというわけです。そして当然のことですが、住宅価格が頭打ちとなり、下落が始まった…
 後はどこかの国で起きたことを想起してください。ただ違うのは、世界中の金融機関や投資家がこの不良債権を抱えてしまったということですね。へたすれば1929年の再現です。そして著者は、これを単なるバブルとして切り捨てるのではなく、第二次大戦後の世界経済の構造的問題として位置づけています。以下、引用です。
 アメリカ以外の好景気は、常にアメリカの貿易赤字(=輸入超過、つまり日欧の輸出ブーム)のおかげであった。戦後、アメリカは市場を開放して、外国の貿易品を受け入れる自由貿易体制を採用していた。その背景には、戦後の国際社会で、アメリカが自由主義陣営の覇権を維持して、社会主義大国ソ連と対抗する必要があったからだ。覇権維持のために、アメリカは国内の消費者や企業が欲しがるものを、日本や欧州j、アジアといった子分に作らせて物を買った。一方では、防衛や金融の仕組みなどを押さえ、親分(宗主国)として振舞うjという主従関係を築いたのだ。
 要するにどこかの大国がひたすら海外から物を買い続けてくれないと成り立たないのが、世界経済の現状であるという認識です。しかしアメリカの「物を買い続ける力(バイイング・パワー)」に陰りが見え始めてきた。資源価格の高騰によって、中南米やロシアが台頭し、中東諸国の反米的な動きも加速している。そしてこのサブプライム問題によって、アメリカ帝国の終焉も近いのではないか、というのが著者の予測です。そして大消費市場をもつ中国・インドがバイイング・パワーを振るう大国として、アメリカにとって代わり世界経済を牽引する日が近いのではないか。
 説得力はあるのですが、気が滅入ってしまう結論ですね。世界経済が、楽して儲けようという巨大なカジノとなり、そして物を大量に買い続けてくれる大国に依存しながら自転車操業を続ける。市場にとって価値のない(儲けの対象とならない)国や地域や人間は情け容赦なく無視して切り捨てる。やれやれ、おぞましくいかがわしいこの現状を追認するしか選択肢はないのでしょうか。(著者はないと思っておられるようですが) 人類の英知を結集して、大量生産・大量消費・マネーゲームにかわる新しい経済システムを早急に構築しないともう地球は…

 ラージガートに刻まれたガンディーの碑文が脳裡をよぎります。「七つの社会的罪 1.理念なき政治 2.労働なき富 3.良心なき快楽 4.人格なき学識 5.道徳なき商業 6.人間性なき科学 7.献身なき信仰」
by sabasaba13 | 2008-01-28 06:08 | | Comments(0)

「禁煙ファシズムと戦う」

 「禁煙ファシズムと戦う」(小谷野敦・斎藤貴男・栗原裕一郎 ベスト新書99)読了。私、大の愛煙家でして、時々気管支の弱い山ノ神からお叱りを受けながらも禁煙する気は毛頭ありません。しかし煙の嫌いな方への配慮を忘れてはいけないと思い、家の中では換気扇の直下で吸う、街中では人混みの中では勿論半径3m以内に人がいれば吸わない、歩きながら吸う時には常に胸の前に煙草をキープする、吸殻は携帯灰皿かポケットに入れるという原則を守るようにしています。しかあし、最近の執拗な禁煙の強制には辟易しています。周りに誰もいない状況の路上でさえ、喫煙を禁じる条例が平気で決定される昨今、何かおかしいと思うようになってきました。こうした状況に対する、きわめて痛烈な批判を試みたのが本書です。快哉! 以下、引用します。
 猖獗をきわめる昨今の禁煙運動の根源にあるのは、特定の集団を差別したいという心理である。現在の先進社会では、性別、人権などによって人を差別することは、たてまえ上とはいえ、許されていない。そこで、他人に害を与えるという理由のもとに、喫煙者を「汚い」ものと認定し、差別しようとしているのである。これは、かつての肺結核患者やハンセン氏病患者が受けた差別と、ほぼ同質のものだ。
 やや感情的すぎる言い方があるものも、うなずける内容です。自動車や飲酒(つけくわえれば食品に含まれる添加物等)に対する扱いとの差は、あまりにも公正さを欠くと思いますね。さらに喫煙と病気との関連性も完全に解明されているとは言い難い状況のようです。本書の最後に引用されているエンストローム氏(カリフォルニア大学)の研究では、環境中たばこ煙とたばこ関連疾病死亡率との間の因果関係を証明しないという結論が出ています。
 ほとんどの喫煙者の方は迷惑をかけていることを重々承知の上で、身をすくめるようにして煙草を吸っているのではないかな。あまりにも過酷で理不尽な禁煙を国や自治体に求める動きには、確かにファシズム(国家は国民の社会的・文化的生活のあらゆる側面を支配すべきという思想)の匂いを感じます。そういえば、ナチス・ドイツでも国民に健康を義務づけ、禁煙運動を起こしていました。

 本日の一枚は、日本専売公社のポスターです。
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 追記。昨日、りだーどんさんにロゴ画像の正体を見破られてしまいました。原則として、ばれたら新しいものにさしかえるようにしております。今度は難しいぞおおおおおお。

 追記その二。エンストローム論文には問題があるという、あいさんのコメントがありました。今「ウィキペディア」で確認した限りでは、この論文はたばこ会社の関連組織から研究資金をもらい、また統計上の瑕疵があるなど、学会では疑問視されているとのことです。ご指摘を感謝します。
by sabasaba13 | 2008-01-27 06:00 | | Comments(8)

ギリシア編(22):デロス島(07.8)

 本日も雲ひとつない快晴。午前はデロス島観光、午後は自由行動です。バスで港まで送ってもらい、遊覧船でデロス島まで向かいます。港では懐かしいオート三輪が現役でがんばっていました。また小さな市がたっていて、魚や野菜が売られています。その様子をぼーーーーーーーっと眺めている、ミコノス島のおじさん、いい味でてますよ。「語らうおじさん」シリーズはポルトガル編で上梓しましたが、ギリシアでは「ぼーっとするおじさん」シリーズができそう。馘首にされた時の選択肢がまた一つ増えました。ミコノス島のヒマそうなおじさんになってやる!
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 そして出航。三十分ほどのクルーズですが、爽やかな海風を受けながら鏡の如く静謐な紺碧のエーゲ海を堪能しました。同乗していたイタリア人の陽気なグループと(イタリア語を習っている)山ノ神は意気投合、いっしょに記念写真におさまりました。
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 さてデロス島とはどんな島か。ここはキクラデス諸島の中心に位置しエーゲ海の制海権を統制しやすい地理的条件から、アテネの支配下に入りました。太陽の神アポロン生誕の地でもあり、古代信仰の聖地。また国際商業都市としても栄え、イタリアやシリア、エジプトなどからも裕福な商人たちが移り住んだそうです。
 そして何といっても、紀元前5世紀前半のペルシア戦争の過程で結成されたアテネを盟主とするギリシア諸ポリスの同盟、いわゆるデロス同盟の総会が開かれ金庫が置かれた島ですね。アテネとしては、スパルタのペロポネソス同盟に対抗しうる自己の勢力圏を築き上げることがねらいだったようです。前454年に同盟金庫がアテネのアクロポリスに移され、やがてアテネは同盟諸市の内政に干渉して駐屯軍や監視役人団を配置したり、入植団を送り込んで土地を奪ったりして、この同盟は「アテネ帝国」と化し、同盟諸市は属国化していきました。しかしペロポネソス戦争(前431~前404)においてアテネはスパルタに敗北し、デロス同盟は消滅しました。
 灼熱の太陽が照りつける島に上陸すると、そこは一面の遺跡群。まずは国際商人たちの居住地区を見学です。石畳の路地を縫うように散策。
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 建物は一部の壁・柱しか残っていませんが、ところどころにモザイクがあり(レプリカ?)往時の繁栄を偲ばせてくれます。
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 地下に水をためる貯水槽があるので、水の確保にはさぞ苦労したことでしょう。
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 街区の奥には半分崩壊した劇場がありました。きっとここで演劇や討論会行われて、観客席は男たちだけで埋まっていたのだろうなあ。
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 港の方に戻ると、クレオパトラの家があります。かつての高級住宅の一つで、入口に家の主であった富裕な商人ディオスクリデスとクレオパトラ(エジプトの女王とは無関係)の像が立っていることからこの名称があるそうです。そうそう、よく装飾に使われる地中海大アザミ(アカンサス)があちこちに生えていました。
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 本日の四枚。上からミコノス島、エーゲ海、デロス島(二枚)です。
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by sabasaba13 | 2008-01-26 07:25 | 海外 | Comments(2)

ギリシア編(21):ミコノス島(07.8)

 さて荷物を置いてある場所まで戻り、バスでホテルへ移動です。十数分走ると、ホテルのあるプラティ・ヤロスという海水浴場に到着。さっそくロビーで添乗員さんによる部屋割りです。今回は部屋の当たり外れがあるようで、くじ引きということになりました。ラッキー! だったら「神の手」を有するわれわれは添加霧笛じゃない天下無敵です。自信満々でくじをひいたのはもちろん山ノ神、キーを受け取り部屋に行くと… 行くと… 行くと… 窓のない半地下の部屋でした。Oh my mountain God ! と、ここまで書いていたら、隣でみつまめを食べていた山ノ神が突然"飾りじゃないのよ涙は、ハッハー"と歌いだしました。どうしたのだろう。ま、それはさておき今にして思えば、ギリシアでは直射日光の当たらない半地下の部屋は最高級なのでは? 負け惜しみですけどね。
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 気を取り直して水着に着替え、泳ぎに行きましょう。海水浴場はホテルのすぐ隣、歩いてすぐのところです。わりと狭い砂浜で、有料ビーチ・パラソルとチェアが林立し、背後にはレストランなどが建ち並んでいます。貧乏性のわれわれがパラソルを借りるはずもなく、何もない奥の砂浜で水着となり海に飛び込みました。水はきれいでしたが、ロケーションはそれほどのものでもありません。珊瑚礁も熱帯魚も海亀も当然見当たらないし。噂のヌーディストはピー。
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 しばし波と戯れた後、ホテルの前にいた猫と戯れ、ホテルの部屋に戻り昼寝。
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 そして夕食はロースト・チキン。食後にホテル付近を散策、海にゆらめく家々の灯影を楽しんできました。近くの店で、寝酒としてギリシアの地酒ウゾを購入。甘い焼酎のような味。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2008-01-25 06:16 | 海外 | Comments(0)

ギリシア編(20):ミコノス島(07.8)

 そしてミコノス島に到着。相も変わらず酷烈な日差しです。荷物を観光案内所に置いて、ここから徒歩で昼食場所まで移動。ミコノス島には断崖はなく、海からゆるやかな斜面にそって町が広がっていました。やはり白漆喰と青とこげ茶を基調とした、統一感のある美しい町並みです。
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 港に蛸が干してあるのは観光用でしょう。海沿いに異なメーターがあるのは、船の給水用? 給油用?
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 レストランに着くと、ペリカンがお出迎え。彼もミコノス島名物のひとつだそうです。昼食はムール貝のリゾットとサガナキ(揚げチーズ)。私、あまりムール貝もリゾットも好きではないのですが、それほど違和感なく美味しく食べられました。気がつくと、椅子の下に猫が来て何やら物欲しげな顔をしています。人生感意気、功賞誰復論、ここで会ったが百年目、盲亀の浮木優曇華の華、毛がすり合うも多生の縁、いいでしょう、ご飯粒をあげましょう。「今日の飯はちょっと柔らかめだな」と言わんばかりに上品にたいらげた彼は、すぐ違うテーブルへと優雅に行ってしまいました。馘首にされた時の選択肢がまた一つ増えたぞっと。ミコノス島の猫になってやる!
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 さて、腹ごなしにレストラン近辺をふらっと歩いてみました。すぐ裏手にあるのが、純白のパラポルティアニ教会、もこもこもこっと大地から盛り上がったような独特なフォルムが魅力的です。わずか85平方kmのミコノス島には教会が300以上もあるそうです。ここからは海越しに風車群を遠望することができました。
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 付近の家々は白漆喰を基調に、思い思いの色で戸や窓を塗りアクセントにしています。中には、変電盤の箱やガスボンベまで同色でコーディネイトしてある家もありました。コーディネイトはこおでねえといけねえ。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2008-01-24 06:13 | 海外 | Comments(0)

ギリシア編(19):サントリーニ島からミコノス島へ(07.8)

 朝起きて窓から空を見上げると珍しくうす曇りです。今日はミコノス島への移動日。朝食をとった後、出発まで一時間強あるのでフィラの町を散歩することにしました。昨夜の喧騒が幻であるかのように静まり返ったフィラの町並みを歩き、ゴンドラリフトに乗って断崖の下にあるオールド・ポート(以前使用されていた古い港)まで降りてみましょう。斜面にくらいつくように作られた家並み、眼下の港や海を眺めていると数分で到着です。
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 遊覧船や漁船など繋留されたさまざまな船が波に揺られ、長閑な光景でした。そして建ち並ぶ土産物屋、ふと見ると複雑なポーズで体を舐める猫を5.50ユーロで売っている…と思ったら、隣のみやげ物の値段でした。
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 その奥を見ると、急な坂道とロバ使いのおじさんたちが手ぐすねひいて客を待ち構えているのが見えます。正直に言って、ロバに乗ってあの坂道を登るのは危なっかしい、御免こうむりたい。山ノ神の気を海の方へそらそうとしました。「ねえ見て見て、あの海の色。トゥキディ…」 しかし時すでに遅し。高所フェチ+動物フェチの山ノ神がこの機会を見逃すはずがありません。託宣がでてしまいました。ポンッ 「乗るぞよ」 綸言汗の如し、こうなったら覚悟を決めてつきあいましょう。料金を支払い、おじさんが選んでくれたロバにそれぞれどっこらしょと乗りました。鞍・鐙・手綱がついており、ロバの背丈もそれほど高くないので思ったよりも怖くありません。しかし、係員が一頭にそれぞれつくのではなく、十数頭に一人つくだけで後は野となれ山となれ、完全にロバまかせ。しかもロバは気まぐれ、突然走り出したり止まったり、端によるので足が手すりにこすれたり、他のロバにちょっかいを出したりと、けっこう気を抜けません。それでも個性があり、われわれが乗ったロバはわりと良識を備えていたので助かりました。(ロバの良識とはどういうものか分かりませんが) 九十九折りの急な石畳をのてのてと昇ること十数分で、フィラに到着です。やれやれ。たまたまエーゲ海の藻屑にならなかったので言えますが、これは面白い。ほんの少しの勇気とほんの少しのお金がある人にはお薦めです。でもあのロバたちは世界中を旅してまわりたいのかもしれませんね。
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 眺望を愛でながら海沿いの道を歩き、ホテルに戻りましょう。バスに乗り込んで、現在メインの港として使用されているアティニオス港へと向かいます。さすがはギリシア有数の観光地、大変な混雑で、フェリーが着くとたくさんの人や車やバイクがわらわらと吐き出されてきます。
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 われわれが乗船したのはかなり大きな双胴型の高速船です。
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 定刻より遅れてさあ出航。イオス島、パロス島に寄港して、ミコノス島まで約三時間の船旅でした。空はいつの間にか晴れ渡り、青く輝くエーゲ海を眺めながらの快適なクルーズでした。途中で売店に行き珈琲を所望したところ、グリーク・コーヒーを勧められ飲んだのですが、うーん、珈琲の粉をそのまま煮詰めてしまうという感じでわれわれの口にはちょっときついですね。それでもうつらうつらうたた寝をしてしまい、ふと眼が覚めて隣を見ると、四人がけの席に座っている四人がすべて読書をしているという、日本ではめったにお目にかかれない光景を見られました。携帯電話のディスプレイだったら十二分にありえますが。
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 本日の二枚。上がフィラの街、下がエーゲ海です。
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by sabasaba13 | 2008-01-23 06:10 | 海外 | Comments(0)

ギリシア編(18):サントリーニ島(07.8)

 近くにあるスーパーマーケットで飲み物を購入。巨大なペットボトルに入ったワインや、大きな缶入りのオリーブ油が、この地での暮らしぶりを彷彿とさせます。
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 まだ夕食まで少し時間があるので、プールに入って火照りをさましましょう。青い空を見ながら背泳ぎをし、プールサイドでビールを飲めばこの世は天国さっ。夕食は牛肉のカツレツ。
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 せめて残照でも見ようと早めに席を立ってホテル前の海を見下せる公園に行きましたが、無念、もう闇が世界を覆っていました。すごすごと部屋に帰ろうとした時に山ノ神の託宣がくだりました。ポンッ 「町の夜景が綺麗であろうぞ」 なるほど、そうかもしれない。さっそくフィラの街中にくりだしてみました。いやあ、坂道の両側に建ち並ぶ煌々と明るい土産屋や飲食店に目も眩み、大変な人混みで息も切れてしまいます。ん、この雰囲気はどこかで… パンッ 清水坂だっ。
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 それはともかく、海に面した道に出ると、そこには輝く光の波が斜面いっぱいに散らばっていました。これは綺麗だ… 、「妻の意見と茄子の花にゃ、千に四百八十九ぐらいしか無駄ない。」という経験則の数値が、462に下がりました。夜風に吹かれながら海沿いの坂道を歩いていると、気分は淡島千景と森繁久彌です。カポッカポッカポッカポッカポッ 蹄の音が聞こえてきます。振り向くと石畳の坂道を十数頭のロバたちが上ってきました。そういえばこの真下にはオールド・ポートがあり、お金を払えばロバに乗ってここまで上ってこられるという情報がガイドブックにありましたっけ。本日の営業は終了で、塒に帰るところなのでしょう。でも足元が危なっかしいなあ、手すりも低いし。ロバもろともエーゲ海に沈んで心中なんてぞっとしないなあ…(伏線)
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 夜景を堪能し、ホテルに戻ろうとすると、広場のところで民族舞踊のショーが行われていました。リズミカルで心浮き立つメロディ、ギリシア民謡はなかなかいいですね。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2008-01-22 06:13 | 海外 | Comments(0)