これらの悪の天才は、把握不可能の圏(ゾーン)を作る能力にある。(ソール・ベロウ)
白馬に乗った王子様を待つのはおやめなさい。自分で自分を救うのよ。私たちが待っていたのは、ほかでもない、自分自身なのです。(ベラ・アブザク) わが国民は、呼吸よりも運転を選ぶことだろう。(メキシコ・シティ行政局局長アレハンドロ・エンシーナス) 真実を探し求める権利には、当然、義務も含まれる。(アルバート・アインシュタイン) ぼくは二十歳だった。それが人の一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。 一歩足を踏みはずせば、いっさいが若者をだめにしてしまうのだ。恋愛も思想も家族を失うことも、大人の仲間に入ることも。世の中でおのれがどんな役割を果たしているのか知るのは辛いことだ。 ぼくらの世界は何に似ているだろうか。(『アデン・アラビア』 ポール・ニザン) オレはジャガイモを見つけた。まだ泥がいっぱいついていて、すごく丁寧に泥を落とさなければならない。でも泥を落としたときには、みんなの大事な食べ物になる。(レナード・バーンスタインの佐渡裕評) 臆病者は死ぬ前に何度も死ぬ。勇者はただの一度しか死を味わうことはない。(『ジュリアス・シーザー』 シェイクスピア) ぼくはだめだ。自分がどの程度の人間かはよくわかっている。それなりの経験は積んできたからね。打率が二割三分くらいで、それ以上は打てないことを承知している野球の選手、それがぼくさ。(『武器よさらば』 ヘミングウェイ) されど背後に絶えず聞く 翼ある時の戦車の、急ぎ近寄るを (マーヴェル) ぼくとしては、オーストリア軍が勝っている限り、彼らは戦闘を止めたりはしないだろう、という気がするだけです。人がキリスト教徒になるのは敗北しているときだけですよ。(『武器よさらば』 ヘミングウェイ) サンドイッチが届いた。ぼくは三切れ食べて、マティーニをもう二杯飲んだ。これほどクールですきっとしたものを味わうのは初めてだった。なんとなく、自分が洗練された人間になったような気がする。(『武器よさらば』 ヘミングウェイ) 歳をとったからといって、人は聡明になることはない。ただ注意深くなるだけでね。(『武器よさらば』 ヘミングウェイ) 良質なウィスキーは実に楽しい。人生の喜ばしいものの一つだ。(『武器よさらば』 ヘミングウェイ)
そしてやってきたバスに乗り込み、ロープウェー駅前へと向かいます。車窓から地獄沼が見えましたが、紅葉はもう終わりかかっています。酸ケ湯温泉で小休止があったので、外へ出て写真を撮影。
![]() そしてロープウェー駅前に到着です。それほどの混雑ではなく、すぐロープウェーに乗ることができました。さすがに中腹から上はもう紅葉は終わり。寒々とした風景が眼下に広がっています。 ![]() 頂上駅からの眺望は素晴らしいですね、靄にかすみながらも、八甲田の山々や岩木山、青森市内まで一望することができました。 ![]() そして下山、付近の方でしょうか、山の斜面で山菜をとっている方々を見かけました。さてこれからが問題です。青森駅前行きの最終バスが来るまであと一時間弱、ここで待つしかありません。まずは駅周辺の紅葉を鑑賞、まだこのあたりは紅葉の最後の名残りが見られます。 ![]() おっ温泉があるぞ、夕陽を見ながらひと風呂あびて冷え切った体をあたためるのも一興、さっそく飛び込むと、残念、もう営業は終了していました。木立の影も長くなり、やがて山の端に赤い太陽が沈んでいきます。日が暮れるとさすがに寒くなりますが、バスが来るまであと二十分。ロープウェーも営業を終わり、最後の乗客が三々五々自家用車や団体用バスに乗り込んで、立ち去っていきます。そして夜の闇が迫ると、駅も駐車場も閑散としてきました。寒い… あと十分… 停留所のベンチに座っているのは私と若いカップルだけ。♪もーしもしベンチで囁くお二人さん♪と呟きながらふと足元を見ると、泥だらけの履き古したテニスシューズの前部がぱっくりと口を開けています。きっと赤沼に行った時に破損したようです。戦友をねぎらい♪ここは御国を何百里…♪と挽歌を歌っていると、ようやくバスが到着しました。下手すりゃ満員で乗れないかなと心配したのですが、がらがら。公共輸送機関を使って個人旅行をする人が減っているのでしょうか。 ![]() 一時間ほどで青森駅に到着、青森空港行きのバスは19:15発ですから約一時間あります。近くの店で夕食をとることにしました。いろいろな飲食店を物色し検討した結果、「弁慶」というお店に決定。さっそく入店して、阿部鶏の唐揚げ、前沖サバの塩焼き、そして八戸名物のせんべい汁を所望。実は私、せんべい汁は初体験、店の方に食べ方を訊ねると、汁が煮立ったら南部せんべいを割って入れ、アルデンテになったら食べごろだそうです。さっそく仰せの通りやってみましたが、何とも不思議な食感ですね。病みつきになりそう。 ![]() そして空港行きのバスに乗り込み、青森空港に到着。チェックインをして待合室に入ると「日本のリサイクルエネルギーは青森から」という日本原燃の大きな広告がありました。写真の風景はおそらく六ヶ所村ですね。この禍々しい施設に比べたら、自動車の害悪なぞ天使の微笑みのように見えてきます。われらの血税や電気料金を湯水のように使い、日常的に放射能をまきちらし、日本を破滅させかねないビヒモス。安藤昌益がもし生きていたら「今の俗、貨財を盗む。至愚にして前後を知らず、欲心に迷ふのみ盗を為る者有り、此の亡命を顧みざるなり」(統道真伝巻一)と言うだろうなあ。どうしたら核(原子力)発電所と関連施設を日本から完全に消去させることができるのだろうと、暗澹たる気持ちで飛行機に乗り込みました。 ![]() 本日の三枚です。 ![]() ![]() ![]()
バスに乗り込むと、次の停留所が「仙人橋」、下車したのは私一人でした。目の前にあった橋を渡り、欄干に手を当てて佇むと…ほんとだ急峻な上り道が山の斜面を走っていました。案内板もあるし間違いなし。
![]() それでは上りますか、途中からタイガーロープが設置してあるので助かりました。ロープにつかまりながら一気にのぼると、後は平坦な道となり、ところどころに案内板もあるので安心して…歩けません! 付近に人の気配はまったくなし、車道からすこしのぼっただけなのに雰囲気は深山幽谷、そう、熊さんと出くわすには格好のシチュエーションです。 ![]() 毛髪辣然肌に粟を生ず、正直、尻尾をまいて逃げ出そうと思いました、いやほんと。うーんどうしよう。いいや、行ってしまえ。基本的に熊は臆病なので、人の気配があると隠れるそうです。人馴れしている熊に出会わないことを祈り、知っているすべての呪文を唱えつつブナ林の中を歩いていきました。「Supercalifragilisticexpialidocious」「臨兵闘者皆陣列在前」「ミカンキンカンサケノカンヨメヲモタセニャハタラカン」「Salaga-doola,menchick-doola,Bibbidi-bobbidi-boo」「ニンドスハッカッカ・マ・ヒジリキホッキョッキョ」「桑原桑原」「寿限無寿限無五劫の擦り切れ(中略)長久命の長助」「Abracadabra」「鶴亀鶴亀」… おっ向こうから犬がやってくる、すわ野犬か、拳を握りしめると誰か歩いてくる。野犬か? するとハイカーらしき人影があらわれました。どうやら彼の飼い犬のようです。「赤沼はこの先ですか」と訊ねると、「そうです」、そして時計を見つめ、「三時を過ぎると急に暗くなりますよ」 現在の時刻は午後二時すこし前、なんとか戻ってこられるでしょう。最近雨は降っていないはずですが、そこかしこに泥濘があります。ブナの保水力をあらためて思い知らされました。ところどころにある倒木を乗り越え、呪文を唱えながら歩くこと二十数分、ようやく赤沼に到着。 ![]() …一瞬、息を呑んでしまいました。その凄絶なまでの透明度、そして無風のため鏡のような湖面は、色づいた木々や山を完璧に映しています。この世のものとは思えない幻想的な光景にしばし酔い痴れました。付近には高価そうな三脚に高価そうなカメラを設置した方が、三人おられました。きっと雲の動きを待って、格好のシャッターチャンスを狙っているのでしょう。私はもう満足(熊も怖いし)、撤退することにしました。 ![]() 効果があったようなので先ほどの呪文をぶつぶつ唱えながらすたこらすたこら歩いていくと…あれ、最初にのぼった急な上り坂が見当たらない。やばい、道に迷ったか。いやいやこういう時こそ冷静に冷静に…あたりをよく見回すと、歩くところをU字状にくりぬいた倒木がありました。うん、さっきあそこを歩いた覚えがある、倒木をまたぎすこし進むと、助かった、車道へとおりる急な下り道に辿り着けました。タイガーロープをつかみながら慎重におりて仙人橋に到着。やれやれ、これで熊さんとご対面しなくてすみました。バス停留所の近くには、「※注意 早めの下山をしましょう 熊も出るぞ」という立て看板。わかってまわかってま。 ![]() 本日の一枚です。 ![]()
そしてやってきたバスに乗ること四十分ほどで蔦温泉に到着、沼めぐりの小路を散策しました。一周約2.9km、ゆっくり歩いて約一時間半かかると案内地図にありました。歩きはじめると、いきなり周囲の緑を美しく映す小さな沼を通り過ぎます。
![]() そして五分ほどで蔦沼に着きました。おお素晴らしい! 紅葉に染まりかかった木々、青い空と白い雲、それらをクリアに映す美しい沼。周囲の物音を沼がみな溶かし込んでしまったのか、あたりを静寂が支配しています。うーん、陳腐な表現は百も承知、まるで時が止まってしまったかのようです。紫煙をくゆらしながらしばし風景を眺め、写真を撮り、さあ次の沼へと行きましょう。 ![]() 木々に包まれた遊歩道をすこし歩くと鏡沼です。水草が生い茂っているため、あまり湖面は見えませんが、鄙びた雰囲気の静かな沼でした。 ![]() 近くにある月沼はどうやら干上がっているようですね、その姿は確認できませんでした。そしてゆるやかなアップダウンをくりかえし、木々の香りを胸一杯にすいこみながら長沼・菅沼と通り過ぎますが、生い茂る木々のためあまり眺望はよろしくありません。 ![]() そして最後の瓢箪沼に到着、こちらも緑の木々を写す鏡のような水面が魅力的。接近して写真を撮ろうと足を一歩踏み出すと…ずぶずぶずぶずぶ…やばいっ! 地面かと思いきや湿地でした。あわてて足を引き抜き事無きを得ましたが、テニスシューズは泥だらけ。ああそうだ、露天風呂用にタオルを拝借したのだったっけ。バッグから取り出したタオルで靴をふき、なんとか見られるようにはなりました。ん? 「クマ・野犬注意」? 今朝ほど宿の主人から聞いた話を思い出しましたが、まあ温泉宿もあるし観光客もけっこう歩いていたし、まさかここで遭遇することはないでしょう。 ![]() 仙人橋へ行くバスが来るまですこし時間があるので、お土産屋さんで山菜そばをいただきました。そうそうおやじさんに、赤沼へのアクセスを訊かなければ。店番をしていたご老人曰く、「仙人橋を渡って欄干に手を当てて佇むと、急な上り坂が見えるので後は道なり。二十分ほどで着く」 前半部分が禅問答のようですが、ま、なんとかなりそうです。 ![]() 本日の二枚、上は蔦沼、下は瓢箪沼です。 ![]() ![]()
さてさて、しばらく歩くと、轟音とともに岩をも砕かんとする激流に到着。平成になって崖崩れによってできた「平成の流れ」ですね。われてくだけてさけてちるかも…なんとも雄渾な光景です。そしてすこし行くと阿修羅の流れに着きました。なるほど納得のネーミングです。「スーパーニッポニカ」(小学館)によると、阿修羅はインドの鬼神の一種。大叙事詩『マハーバーラタ』では、善神ビシュヌ神の円盤に切られて大量の血を吐きながら、刀、槍、棍棒で打ちのめされた阿修羅たちが戦場に横臥し、血に染まった彼らの肢体が、褐色の岩の頂のように累々と横たわっているようすが描かれているそうです。ほぼ同様の叙述は、仏典にも所々に言及され、これらを通じてわが国の文学にも伝えられました。それで血なまぐさい戦闘の行われる場所を「修羅場」というのですね。その名のとおり、水と岩の修羅場が見られます。
![]() ここまで来たらゴールはもうすぐ、二十分ほどで石ヶ戸(いしげど)に着きました。"ヶ戸" とは小屋という意味の方言、つまり石小屋ですね。たしかに平らな巨岩の片方がカツラの巨木に支えられて小屋のように見えます。なんでも、鬼神のお松という美女の盗賊がここを住処としていたそうです。こちらには売店やトイレや案内所がある、奥入瀬散策のキー・ステーションになっていました。なお玉簾の滝からここまで歩いて約一時間半、トイレはありませんのでご留意を。というわけで、子ノ口から石ヶ戸までだいたい二時間半、紅葉は物足りなかったとはいえ奥入瀬の魅力を堪能いたしました。それにしてもこれほど気持の良い道はそうざらにあるものではありません。今度は新緑の、そして雪の(寒そー!)奥入瀬を訪れたいと思います。 ![]() 本日の八枚です。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
車道から階段をおりると、奥入瀬川に沿う遊歩道の入口。水門を過ぎると、もうすぐに水と緑の交響楽に身も心も包まれます。
![]() まだ早いのか、今年は外れなのか、見事な紅葉には程遠いのですが、この素晴らしい渓流の散策を楽しめるだけで満足です。時には滑らかに、時には苔生した岩にくだけ、時には瀑布となって歓喜の歌を歌う清冽な水の流れ、その千変万化の表情には魅了されずにはいません。それにともなって変化する妙なる水音も素晴らしい。そしてその清流をやさしく包み込み緑のグラデーション。深呼吸をすれば水と緑の微かだが鮮烈な香りが鼻腔をくすぐります。川に横たわる倒木には苔や若い木々が生え、己の生を全うした後も命を育んでいました。互いを支える/に支えられる命の連鎖には、荘厳さすらただよいます。そしてそこから弾き出されているような強烈な異物感を、自らの存在に感じました。その精妙なる生命の連鎖を破壊しているのがわれわれ現代の人間ではないでしょうか。ある時から人間は、自然界の癌細胞になってしまったようです。いつから? たぶん「成長パラノイア」にとりつかれた近代という時代からなのでしょう。前の時代よりもより豊かになり続けなければならないという強迫観念のとりつかれた時代。自然の中で異物感にとらわれることなく、包み込まれるような一体感をふたたび感じることができる時はまた来るのでしょうか。 ![]() 幾段もの巌を分かれて流れ落ちる五両の滝を過ぎると、魚止めの滝(銚子大滝)に到着。奥入瀬川本流にかかる唯一の滝で、高さ7m、幅20mの勇壮な景色の滝です。ほぼ垂直に切り立っているので魚類が上れず、そのため十和田湖にはかつて魚が住んでいなかったと言われます。また十和田湖を銚子(とっくり)に見立てると、このあたりがその注ぎ口にあたるというところから、別名銚子大滝。 ![]() そしてほぼ垂直に切り立った岩盤を流れ落ちる九段の滝を見て、玉簾の滝を過ぎるとやっとトイレがありました。子ノ口からここまで時間にして約一時間、この間まったくトイレはありませんのでご注意を。なお銚子大滝のあたりから、バスで乗り付けてきたのでしょうか、けっこうな人出となりました。ま、この時期の奥入瀬ですからいたしかたないですね。 ![]() いたたまれないのは人混みよりも、あのおぞましく忌まわしい資源浪費と環境破壊と人権侵害の権化・自動車の存在です。なにせ渓流および遊歩道の直近に並行して車道が通っているので、その醜悪な音や匂いや姿に悩まされることが、時々あります。たかだか人間一人~五人を異動させるのに、なぜあんな大仰で重たい機械(ちなみにトヨタ・プリウスGの重量は1350kg)が必要なのか、理解に苦しみますね、わたしゃ。せめてマイ・カーを規制していただきたいと強く強く要望します。ついでに言わせていただければ、エコ・カー減税もやめていただきたい。上記のような無駄な乗り物である以上、"エコ"ではありえないのだから、車に乗らない人への減税および私用・趣味で乗る人への加税をしていただきたく思います。世の中に絶えて車のなかりせば秋の心はのどけからまし… いかんいかん、あやつのことを考えるとつい感情的になってしまふ。自戒自戒。 ![]() 本日の四枚です。 ![]() ![]() ![]() ![]()
朝、六時前に爽快に目覚めてしまいました。これ幸いと、自転車を借りて休屋のあたりを散策することにしました。朝靄に包まれた十和田湖もなかなかいいものですね。湖沿いの遊歩道をすこし走ると、高村光太郎作の「乙女の像」に到着です。紅葉をバックに写真を撮影し、十和田神社の前を通って宿へ戻る途中に石川啄木の歌碑がありました。なんでも、1901(明治34)年、彼が中学四年生の時に学友と十和田に遊び、毛馬内の錦木塚の悲恋伝説を取材した際につくった歌が刻まれていました。「夕雲に丹摺はあせぬ 湖ちかき草舎くさはら人しづかなり」
![]() そして宿に着くと、なんと、パン・サラダ・珈琲という軽食が用意されていました。これは嬉しいサプライズ、ご主人にお礼を言いさっそくいただきました。廊下にあった黒板に、英語や(たぶん)アラビア語で、宿への感謝の言葉が書かれていたので、けっこう外国人ツーリストの利用が多いようですね。食堂に、動物の足跡の幅を測っている様子を写した不思議な写真が貼ってあったので、ご主人に訊ねると、熊の足跡だそうです。十和田湖に熊! なんでもご主人が十和田湖畔で熊が小鹿を襲うのを目撃、その後警察が現場検証した写真だそうです。異常気象による食物不足のためか、人間のさまざまな開発によって熊の生存圏が脅かされたためか、熊にとっても人間にとっても何と生き辛い世であることよ。 ![]() さあチェックアウトをすませて出発しましょう。そうそう、忘れてはいけない。薬研渓流のようにどこかで粋な露天風呂に出会えるかもしれない。部屋にあるタオルを拝借していきましょう。まずは子ノ口までバスで行って奥入瀬を遊歩します。休屋のバス停に着くと、朝靄も消えかかり青空が見えてきました。バスの発車時刻は8:00、あと十数分あるのでちょいと十和田湖を見に湖畔まで出てみました。おお美しい! 紅葉の木々や山なみや青空や朝靄を、鏡のような湖水が見事に映しています。ええもんみせてもろた。 ![]() そしてバスに乗って子ノ口に到着。さあいよいよ奥入瀬の散策です。できれば焼山まで歩きたかったのですが、距離にして約14km、時間にして四時間半ほどかかるとのこと。また石ヶ戸から焼山まではさほど見どころがないそうなので、以後の旅程を考えて、石ヶ戸まで歩いてそこからバスに乗ることにしました。それでも距離にして約9km、時間にして三時間半ほどかかりそうです。11:10石ヶ戸発のバスに間に合わせるためには、少々強行軍を覚悟しないといけません。また石ヶ戸から十和田湖に向かって歩いた方が眺めが良いらしいのですが、今回は時間の関係で断念しました。 本日の二枚です。 ![]() ![]()
というわけで、このあたり一帯の紅葉についてかなり詳しそうな運転手さんに、見ごろの場所を訊ねてみました。奥入瀬はまだ早い、八甲田の中腹より上や睡蓮沼はもう終わり、赤沼のあたりがちょうどいいかもしれないということでした。赤沼? 何でも仙人橋バス停から山中を三十分ほど歩くとたどりつける美しい沼だそうです。詳しいアクセスは蔦温泉売店のおやっさんに訊けばよいとの助言もいただきました。よし決まり。明日は奥入瀬を子ノ口から石ヶ戸まで歩き、バスを途中下車しながら蔦温泉の沼めぐり、赤沼、そして八甲田ロープウェイとまわることにしましょう。そして子ノ口に到着、運転手さんに丁重にお礼を言い、16:00出航の最終便の遊覧船に乗り込みました。
鏡のような湖面を静かに進む船、湖面に映る紅葉を愛でていると、やがて雲や空が夕映えに染まりはじめました。 ![]() 五十分ほどで船は休屋に接岸、ここから宿まで歩いて十五分ほどです。夕闇が迫る中、「旅の宿 カントリーロード」に到着。チェックインをし、夕食がとれる場所をフロントで訊ねると、休屋まで行かないとないとのことでした。自転車を貸してもらい、お食事処「かえで」で鮎の塩焼き定食をいただき、近くの酒屋で地酒を仕入れて宿へもどりました。さあ明日はいよいよ最終日です。 ![]() 本日の三枚です。 ![]() ![]() ![]()
乗り込んだタクシーの運転手さんに確認すると、日照の関係でまず発荷峠展望台に行った方がよいということでした。三十分弱で休屋の先にある発荷峠展望台に到着、いそいそと車からおりて眺めにいきましたが、うーん、木々にさえぎられて思ったほどの眺望ではありません。
![]() 期待が外れてしょぼしょぼと車に戻ると、運転手さんは、このちょっと先にもっとよく見える展望台があるよと紹介してくれました。乗った! 数分登り坂を走り脇道に入ると、紫明亭展望台がありました。おおたしかにこちらの方が眺めがいいわい。まだ紅葉しきっていないのが残念でしたが、胸のすくような美しい湖水の十和田湖の姿を満喫することができました。 ![]() そして子ノ口方面へと戻り、瞰湖台へと向かってもらいましたが、ここでまた運転手さんから蠱惑的なオファー。「途中にもっと眺めがよいところがありますが、寄ってみますか」 寄らいでか! 瞰湖台の手前の人気がない車道に車を停めると、運転手さんは林の中にあるけもの道のような急坂をずんずんと登っていきます。 ![]() 遅れないようについていくと、すぐに崖の上部に着きました。眼下を見下ろすと…(絶句)…。美しい十和田湖と御倉半島、そしてそれなりに色づく山の木々を手に取るように眺めることができます。素晴らしい! 観光ポスターでよく見る光景はここから撮ったのですね。我を忘れてシャッターを押していると、「気をつけて」との一声。危ない危ない、数歩踏み出すと、そこは急峻な崖でした。運転手さん曰く、手摺もない危険な崖の上なので、パックツァーはここまでは来ないとのこと。さもありなん、個人旅行でしか来られない展望台ですね。ことのついでに、瞰湖台にも寄ってもらいましたが、いやはや、月と鼈、釣り鐘と提灯、スワローズとジャイアンツ、比べるのも恥ずかしいぐらいのしょぼい眺望でした。 ![]() 本日の二枚、上は紫明亭展望台、下は運転手さんに連れていってもらった無名の展望所です。 ![]() ![]()
さあそろそろバスに乗り込む時間です。微妙に変形した交通安全足型と土偶のモニュメントを撮影して駅前のバスターミナルに行くと、もうバス待ちの行列ができていましたが、ぞろぞろ乗り込むと全員座れたので一安心。
![]() さあ出発です。バスは青森市内を抜けて一路南下、まずはヴィラシティ雲谷(もや)に到着ですが、ここは青森市内や岩木山を眺めることができる絶好の眺望ポイントです。残念ながら下車できないので、車窓からあわてて写真を撮るしかありませんでした。 ![]() そして四十分ほどで萱野茶屋に到着、ここで小休止とあいなりました。木製のトイレ男女表示を撮影し小用をすませ、あたりを見渡すと…鮮烈な紅葉は見当たりません。やれやれ猛暑にたたられたのか、今年は紅葉の外れ年のようです。 ![]() やがてバスはロープウェイ駅前、城ヶ倉温泉、酸ケ湯温泉を通過、紅葉の名所と言われる睡蓮沼にかかりますが、こちらの紅葉はもう終わり、付近の木々はほとんど落葉していました。 ![]() そして猿倉温泉、谷地温泉、仙人橋を過ぎ、蔦温泉に到着。温泉マニアの方でしたら、もう涎が滴り落ちているでしょうね、でも私は温泉とは風馬牛。さて蔦温泉でまた小休止、車外に出て一服しながらぶらついていると「沼めぐりの小路」という看板地図がありました。一時間半ほどで、蔦温泉周辺にある蔦沼・鏡沼・月沼・長沼・菅沼・瓢箪沼を散策できるとのことです。これは綺麗な紅葉が期待できるかもしれない、唾をつけておきましょう。 ![]() そして焼山のあたりから、バスは奥入瀬と並行する車道を駆け抜けますが、楽しみにしていたこちらの紅葉もいまひとつ。まだ紅葉しきっていないという印象を受けました。おっ修学旅行生たちがぞろぞろぞろぞろと川沿いの遊歩道を歩いています。一般のツーリストにとってはちょいと迷惑だなあ、もしかすると引率する先生方が来たかったのかもしれません。 ![]() 十和田湖湖畔の子ノ口には14:30に到着、さあこれからどうしよう。今夜泊まる宿はここからすこし離れたところにある休屋、子ノ口から遊覧船で行くことができます。だがせっかく天気も良いので、十和田湖を一望できる発荷峠展望台と瞰湖台に寄りたいものです。ここはいっちょ奮発して、タクシーで行くことにしました。前者は休屋の先なのでちょっと割高になりますが、日没も早いでしょうからいたしかたありません。 本日の二枚、上は酸ケ湯温泉、下は蔦温泉です。 ![]() ![]() < 前のページ次のページ >
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。 カテゴリ
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