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小笠原伯爵邸編(4):(2016.1)

 ガイド・ツァーはここで終わりです。それでは外へ出て、外観を拝見いたしましょう。入口の上にあるキャノピー(外ひさし)は葡萄の蔦・葉・実を一面にちりばめた葡萄畑をモチーフにしたみごとな意匠です。左側にまわりこむと、御幣をかついだ猿の陶板がありました。ちょっととぼけたお猿さんなのですが、実は彼は魔除けです。『建築探偵 東奔西走』(藤森照信 朝日新聞社)によると、これは東北(艮)=鬼門の方角から鬼が入ってくるのを防ぐためで、江戸~東京では鎮守である山王社の神使である猿がその役目を果たすとのことです。ニワトリを模したユニークな物件は焼き窯で、これは新たに造られたものだそうです。ガーデンには恰幅のよいオリーブがありましたが、これは交流400年を祝してスペイン・アンダルシアから贈られた推定樹齢500年の古木だそうです。
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 そしてもう一つの見せ場、シガー・ルームの外壁を飾るタイル装飾です。輝く太陽、その光りを浴びて植物の花が咲き実がなり、小鳥やトンボが遊ぶ。生命の賛歌とも言うべき、華やかで明るいすばらしい意匠です。なお赤いハートめがけて上方から飛んでくる矢があるのですが、前掲書の教示では、建物のどこかに取り付けられたキューピッド像から放たれた愛の矢であるという言い伝えが小笠原家にあるそうです。先ほどこの件についてガイドの方に訊ねたのですが、思い当たらないとのことでした。またこれは今パンフレットを読んでいてわかったのですが、外壁左下に「Sone & Chujo, architects. 1926.A.D.」と刻まれた定礎銘板があったのでした。同パンフレットによると、コンドルの四人の弟子(辰野金吾片山東熊・佐立七次郎)の一人である曽禰達蔵は、政府や国家を建築で飾ることに一切興味を示さず、在野の建築家として活躍しました。自分の作品に名を刻むことをほとんどしない彼が、内装外装ともに最も力を込めたシガー・ルームの外壁にこの陶板を入れ込んだのは、それだけの思いがこの住宅に込められていたのでしょう。
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 というわけで素晴らしい建物でした。一度こんな邸宅に住んでみたいものだと誰もが思うでしょうが、現実はかなり辛かったそうです。『建築探偵 東奔西走』(藤森照信 朝日新聞社)に、当主の息子、小笠原忠統(ただむね)氏の談話が載っていたので引用します。
 この家は忠統氏の父の長幹氏が昭和二年に建てたもので、できた時は敷地面積二万坪以上で、家の中にはトイレが十六カ所以上あったという。
 こういう家に生れて育つということは、それはそれでなかなか大変らしい。
 たとえば学校の友達が遊びにきても、家令(元小倉藩主の小笠原家では江戸時代の家老職を明治になってからこう言いかえた)がいちいち人品骨柄をチェックして自由には会えない。もちろん一人で外出したり買い物したりはなし。お金に触れてはいけない。(中略)
 とにかく、家の中と外の世間は完璧に分離されていて、中から外が見えるのは塀の下のほうの通気用の穴だけ。子供の頃、塀の穴から外を歩く人のいろいろな足が見えると、なんだかせつない気持ちになったという。(p.80)
 うーむ、まさしく「籠の鳥」。こんな暮らしはちょっと勘弁してほしいですね。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-29 06:29 | 東京 | Comments(0)

小笠原伯爵邸編(3):(2016.1)

 そして二階へ。一階廊下脇の小部屋の壁にある照明は、破損せずに残っていた唯一の照明器具だそうです。ランプシェードには、小笠原家の表紋である「三階菱」が刻まれています。二階にあがると女中頭の部屋がありますが、現在では結婚式・披露宴の控室として利用されているそうです。山ノ神曰く、「あたしの部屋より広い」。あのお…僕の部屋でもあるのですが… それはさておき、屋上に出ると庭や中庭(パティオ)を一望できます。パーゴラと呼ばれる藤棚は、当時の設計図と写真をもとに復元したもの。
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 床面のタイルは、ボランティアの方々によって丁寧に磨きなおされた当時のものだそうです。屋上の片隅にある小部屋は何に使われていたのか不明ですが、鳥小屋ではないかと思われます。なお屋上からは、さきほど拝見したシガー・ルームの半円形の外壁と青いスペイン瓦を見下ろせます。壁面を飾る愉しいタイルは、後ほどゆっくりと鑑賞しましょう。
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 そしてふたたび階下へ。スペイン建築の特徴である中庭(パティオ)が建物の中心に位置し、屋上庭園につながる階段が配置されており、変化のある景観をかたちづくっています。なお噴水の彫刻は、彫刻家・浅倉文夫に師事していた当主の作品だそうです。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-28 10:32 | 東京 | Comments(0)

小笠原伯爵邸編(2):(2016.1)

 それでは中に入りましょう。なお事前に連絡をしておけば、係の方に館内を案内していただけます。荷物とコートをクロークに預けて、さあ館内探検のはじまりはじまり。まず、エントランス上部にある鉄製ファンライト(明かり取り)は、鳥籠に入った小鳥と葡萄がデザインされています。小笠原長幹は鳥が大好きで、館の各処に鳥がモチーフとしてちりばめられています。人呼んで「小鳥の館」、ウェザー・リポートの「バードランド」をウォークマンで聴きながら(古いなあ)見学するのも一興かもしれません。クローク上部にある唐草模様の鉄細工を見ると、ライトの上に小鳥がちょこんととまっていました。
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 エントランスの天井には小川三知作のステンドグラス(復元)がありますが、舞い飛ぶ鳥たちを遠近法を用いて表現しています。なお小川三知は日本初のステンドグラス作家といえる方、ウィキぺディアから引用します。
小川三知 (おがわさんち、1867-1928)は大正から昭和初めに活躍したステンドグラスの工芸家。橋本雅邦に学んだ高い日本画の素養と、アメリカで修行して身に付けた複雑な色調を生み出すガラス技法で、アール・ヌーヴォー、アール・デコ風でありながらどこか日本情緒を感じさせる作品を生み出し、日本初のステンドグラス作家といえる存在である。
 まずはディナー・ルームへ、こちらは小笠原伯爵家の正餐用食堂です。チークの壁が重厚な印象で、かつて5男6女の子どもたちと伯爵夫妻が囲んだ大テーブルが置かれていますが、これは邸内で現存する唯一の家具だそうです。エリザベシアンの影響を受けた意匠で、「メロンレッグ」と呼ばれる脚部には細かい装飾が施されています。
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 その隣が、柱頭装飾が可憐な応接間で、白壁が清楚な雰囲気をただよわせています。中央の窓には小花を吹き寄せた愛らしいデザインのステンドグラスがありますが、これも小川三知の作品でオリジナルのものです。
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 そしてこの館の最大の見せ場が、一番奥にある半円形のシガー・ルーム。煙草や葉巻がトルコやエジプトから入ったことから、西洋館の喫煙室はイスラム風につくることが当時の慣わしでした。大理石の柱と床、内壁、窓枠、扉などをうめつくす濃密華麗なイスラム風装飾に圧倒されます。なおここは紫煙が漂うなかで、男性のみが語らう場所だったそうです。女性の談話室は現在女性用トイレになっているそうなので、さっそく山ノ神を斥候として派遣しました。…彼女曰く、華麗なシャンデリアのある、白壁の瀟洒な広い部屋だそうです。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-27 07:21 | 東京 | Comments(0)

小笠原伯爵邸編(1):(2016.1)

 一月末日、オーチャード・ホールに、マーラーの交響曲第四番を聴きにいくことになりました。以前にも書きましたが、山田和樹という若い指揮者が、日本フィルハーモニーとともに三年をかけてマーラーの交響曲九作を年代順に振るという「マーラー・ツィクルス」第二期の一回目。開演は午後三時、聴く前に昼食か、聴いた後に夕食か、迷うところです。山ノ神と相談したところ、あのガチャガチャした虚飾の街・渋谷では食事をとりたくないということで意見は一致。新宿のあたりで昼食をとろうかなと思案した瞬間、脳内に閃光が走りました。小笠原伯爵邸! 『建築探偵 東奔西走』(藤森照信 朝日新聞社)を読んでその魅力にとりつかれ、以前に職場の送別会でディナーを食べたことがあるのですが、建物の素晴らしさとスペイン料理の美味しさにいたく感銘を受けました。今度はぜひ山ノ神にランチをご馳走してあげたいと常々考えていたのですが、絶好のチャンスです。破顔一笑して彼女も賛同、予約も入れることができました。小笠原伯爵邸で食事をして、マーラーを聴いて、家で「ブラタモリ」を見る、うわお、なんてゴージャスな一日なんだあ。

 コンサート当日、都営12号線(筆者注:あの極右・レイシストの御仁がつけた名称はわが家では使いません)「若松河田」駅で下車すると、徒歩1分で小笠原伯爵邸に到着です。まずは同邸のHPをもとに、その建物の沿革について紹介しましょう。ここは、礼法の宗家で有名な小笠原家第30代当主、小笠原長幹(ながよし)伯爵[旧小倉藩主]の本邸で、設計は曾根中條建築事務所。1927(昭和2)年に竣工しました。掻き落とし仕上げと呼ばれるクリーム色の外壁にエメラルドグリーンのスペイン瓦。窓には鉄格子の飾りが施され、中庭を囲むロの字型のプランは、日本に希少な完成度の高いスパニッシュ建築と言われています。後ほど紹介しますが、内部の意匠や装飾もみごとなものです。
 このような、当時の芸術の粋が結集した邸宅ができたのは、施主である小笠原伯爵の豊富な海外経験からくるモダンな生活や、朝倉文夫に師事し彫塑に堪能だった芸術に対する造詣の深さによるものでしょう。そして、それに応えることのできる建築家の手腕も見逃せません。建築家の曾根達蔵にとって小笠原家は建築家になる前、武士だった頃の主君につながる一族であり、中條精一郎は長幹伯爵と同じケンブリッジの留学経験を持つなど、施主と建築家の深い信頼関係が、かかわった人々の力を充分に発揮させていると思われます。
 なお曽禰中條建築事務所は、曽禰達蔵(1852-1937)と中條精一郎(1868-1936 作家・中條[宮本]百合子の父)によって1908 (明治 41)年に創設された日本初、かつ戦前最大の民間建築事務所です。作品は慶応義塾大学図書館、東京海上ビル、如水会館、日本郵船ビルなどがあり、いずれも大正・昭和戦前期の折衷様式の主流となる建造物です。
 なお旅をしていると、中條精一郎設計の建築とよく出会います。リデル・ライト両女史記念館旧山形県会議事堂吉池医院旧上杉伯爵邸北大植物園事務所北大旧昆虫学及養蚕学教室などですが、よろしければ拙ブログをご照覧ください。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-26 06:32 | 東京 | Comments(0)

スイス編(101):帰郷(14.8)

 そしてLX0160便に搭乗、定刻の13:00に飛行機は離陸しました。
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 復路の機内では、持参した『文明崩壊(上・下)』(ジャレド・ダイアモンド 草思社文庫)を読みましたが、その中に下記の一節がありました。
 モンタナで、ことによると世界じゅうでいちばん明確な形で地球温暖化の影響を被ったのは、グレーシャー国立公園かもしれない。現在、世界各地で―キリマンジャロ、アンデスやアルプス、ニューギニアの山々、エベレスト周辺で―氷河(グレーシャー)が後退しつつあるが、この現象については、とりわけモンタナで、仔細な研究が行なわれてきた。これは、モンタナの氷河が、気候学者と観光客にとって非常に利用しやすい場所にあるからだろう。19世紀後半、自然科学の専門家たちが初めてグレーシャー国立公園近辺に足を踏み入れたときには、150の氷河が確認されたが、現在残っているのはわずか35に過ぎず、そのほとんどが、当初報告された大きさに比べると、小さな破片としか言えない規模まで縮小している。現在の融解速度から計算すると、2030年までにはグレーシャー国立公園の全氷河が消えることになる。山地に堆積した雪がこのように減少すれば、夏の水源を山頂の雪解け水に頼っている灌漑系は痛手を被る。また、ビタールート川の帯水層から水を引いている井戸の系統にも悪影響が出るだろう。川の水量が、最近の旱魃によってすでに減少しているからだ。

 というわけで、スイスの旅、一巻の終わりです。美しい自然、素敵な街並み、楽しい鉄道、ル・コルビュジェの素晴らしい建築と、スイスの魅力を満喫できました。と同時に、地球温暖化、頻発するテロ、巨大金融資本の跳梁跋扈、アメリカの国家テロなど、世界が抱えるaporiaの一端にも触れることができました。人類にとってのpoint of no returnはもう過ぎてしまったのか、あるいはまだ引き返せるのかは分かりません。ただ拱手傍観だけはしたくありません。微力だけれども無力ではないと信じて、知り、考え、行動していきたいと思います。誰かが、もはや人類には胴体着陸か墜落かという二つの選択肢しかないと言っていました。どうすれば被害や犠牲の少ない軟着陸ができるのか…考え続けていきたいと思います。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-25 06:29 | 海外 | Comments(0)

スイス編(100):チューリヒ空港(14.8)

 一時間ほどでチューリヒ空港に着陸。モニターには五カ国語で「さようなら」。トランジットのために移動していると、サムソン(SAMSUNG)製洗濯機の大きな宣伝がありました。家電の分野ではもうサムソンが世界を席巻しているのでしょうか。
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 出発便のゲートに行くと、たいへん長い行列がいくつもできています。なんなんだ、これは。行列の脇にあった看板に「Passport control USA flights」と記してあったので疑問は氷解しました。アメリカ合州国に好ましくない人物が入国しないよう、厳重なセキュリティ・チェックをしているのですね。
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 世界最悪の犯罪国家/テロ国家・アメリカ合州国に家族や友人を殺されて憎悪と憤怒の念を燃やす人たちの中からテロリストが生まれ、彼らを水際で食い止めようと必死になっている姿にはやりきれないものを感じます。もちろんテロを容認する気は毛頭ありませんが、アメリカ合州国が国家テロをやめれば、かなりの確率でテロは激減すると思います。なおその実態については、『アメリカの国家犯罪全書』、『戦争中毒』、『アメリカ帝国の悲劇』、『素晴らしきアメリカ帝国』、『お節介なアメリカ』の書評をご覧ください。"テロの利用は、われわれアメリカの血のなかに根深く染み通っている"、エドワード・ハーマンの言葉です。
 これも他人事ではありません。集団的自衛権を隠れ蓑にして安倍伍長がアメリカによる戦争の片棒を担ぐことになったら…きっと日本に帰国する時には長い行列に並ばされセキュリティ・チェックを受け、その傍らには「Passport control Japan flights」という看板が立っていることでしょう。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-24 06:20 | 海外 | Comments(0)

スイス編(99):ジュネーヴ空港(14.8)

 フロントでチェックアウトをしてコルナヴァン駅へと行き、空港への列車を電光表示で確認しようとすると…一本もありません。これはおかしい、所要時間七分の列車が頻繁に運行されているはずです。なにかアクシデントが起きている模様ですが、近くに駅員の方がおらず、iにも行列ができているので確認する術はありません。ちらと"ヴェネツィアの悪夢"が脳裏をよぎりましたが、今回はリカバリーする時間的余裕があります。あわてて駅前のバス・ターミナルに行き、空港行きのバスに乗り込みました。これで事無きを得そうです。
 渋滞にも巻き込まれずバスは快調に走り、先日見学したパレ・デ・ナシオンの前を通り過ぎていきました。車内のテレビでロジャー・フェデラーが登場するCMが放映されましたが、かれはスイス人でしたね。三十分ほどでジュネーヴ空港に到着、時刻は午前八時半なので余裕の横山隆一で間に合うでしょう。
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 さすがはジュネーヴ、フランス行き搭乗口がちゃんとありました。空港にはカラフルな分別ゴミ箱が設置されていましたが、その一つに「COMPOSTABLE」と記されていましたが、堆肥として使えるゴミのことでしょうか。山ノ神曰く、堆肥として使用できる素材でできたパッケージ等も増えているそうです、進んでいますね。空港内のお店を徘徊していた山ノ神が、おいしいチョコの店「SPRUNGLI」を発見しました。さっそく二人が持っている小銭を洗いざらい出して、残りをカードで支払い購入。
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 空港の天井にはカサブランカ』の有名なシーンの写真が連続して飾られていました。たしかリック(ハンフリー・ボガード)とイルザ(イングリッド・バーグマン)がパリでかわした最後の口吻の場面、科白は「君の瞳に乾杯」でしたっけ。まだ時間があるので煙草を吸いに行くと、チューリヒと同様、たいへん広々とした喫煙室でした。
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 さてそろそろ搭乗です。赤十字への寄付金ボックスがあったのですが、さきほどチョコレートを買うために小銭はありません、申し訳ない。ジュネーヴ空港にも「Meditation room」が完備されていました。
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 機内に入って座席につくと、モニターには五カ国語で「ようこそ」と表示されていました。上から英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語ですね。機内誌によると、ドイツ語人口63.7%、フランス語人口20.4%、イタリア語人口6.4%、ロマンシュ語人口0.5%だそうです。
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 そして小雨が降る中を離陸、すぐに機内サービスでミネラル・ウォーターとチョコレートが配られました。しかしペット・ボトルの蓋が固くて開けられません。四苦八苦しているとCAが来てにこっと笑って軽く開けてくれました。凄い力だ。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-23 06:37 | 海外 | Comments(0)

スイス編(98):ジュネーヴ(14.8)

 そしてこれは他人事ではありません。福島および周辺地域の人びとに塗炭の苦しみを与え、その事故原因の究明がされておらず、責任を取る者もおらず、放射能廃棄物の最終的な処理すら五里霧中なのに、安倍伍長政権や官僚や電力会社は原発の再稼働に突進しているのか。その理由の一つが、日本の巨大金融資本の存在です。『街場の憂国会議』(内田樹編 晶文社)所収の「戦後最も危険な政権」で、孫崎享氏が紹介されていた朝日新聞(2011.3.18)の記事です。
 東日本大震災から一週間後の2011年3月18日、東電は大手銀行にSOSを出した。銀行団は2兆円融資の決定をした。大手銀行幹部はいう。"あの時川を越えた。今さら引けない。" (中略) 事故後に世論を二分した"脱原発"の議論をよそに、原発復活の道へと"迷走"する東電を金融機関が後押しする。(p.256)

金融機関主要11社の東京電力への融資額
三井住友銀行 9900億円
みずほ銀行 7700億円
日本政策投資銀行 7600億円
三菱東京UFJ銀行 3900億円

主要11社合計 4兆1000億円
77社融資総額 4兆5000億円 (p.256~7)
 やれやれ。原発再稼働の裏には、巨大金融資本の利益を最優先するという事情があるのですね。福島や周辺地域の人びと、ふたたび事故が起きたらとてつもない被害を受ける人々、場合によっては東アジアの人びと、さらには危険極まりない放射性廃棄物を押しつけられる末来世代の人びとを犠牲にしてでも、銀行を優遇しなければ、ということですか。安倍伍長。鸚鵡のように繰り返される"安全保障"が虚しく響きます。ま、要するに日本に暮らす人びとを犠牲にして、大企業の安全を保障するということでしょう。下品な表現で恐縮ですが、「嘘つき・人でなし・恥知らず」という言葉を進呈したいと思います。受け取ってくれますか。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-22 06:34 | 海外 | Comments(0)

スイス編(97):ジュネーヴ(14.8)

 朝目覚めてカーテンを開けると、まだ太陽は出ていませんがどんよりとした曇り空。本日はジュネーヴ空港10:05発の飛行機でチューリヒ空港に11:00に到着。そして13:00発のLX0160便に乗って、明日の7:50にあのおぞましい成田空港に到着する予定です。テレビをつけると、「euronews」がウクライナの緊迫した状況を報道していました。とてもコメントできる見識も知識もないのですが、人びとの憎悪を煽ることによって利益を得ている者たち存在しているという予感はあります。
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 Aさんが朝早い列車でクーネオに帰郷するということなので6:30に朝食会場で待ち合わせ、一緒に朝食をいただきながら別れを惜しみました。窓から空を眺めると、朝焼け雲がおそろしいほど真っ赤に燃えあがっています。Aさんとはエレベーターから降りる時に再会を誓いながらハグをしてお別れ。
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 部屋に戻って、窓からの眺めを写真におさめました。さらばノートルダム聖堂よ、さらば路面電車よ、さらばクレディ・スイス(CREDIT SUISSE)よUSB銀行よ。
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 そうそう、フィリピンのマルコス政権のために大規模なマネーロンダリングを行っていたのがクレディ・スイスだということは先述しました。「私物化される世界」(ジャン・ジグレール 阪急コミュニケーションズ)からもう一つ、スイスの銀行と政府の問題点について紹介します。著者が指摘しているのは、スイスの政府と銀行が、グローバル資本のための国際的脱税行為に協力しているという事実です。世界中ほとんどの国で脱税は刑法上の犯罪行為になるが、スイスではそうではないのですね。虚偽の納税申告をしたり、課税対象とされる収入を意図的に隠したりしても、行政規則違反とみなされるにすぎないのだそうです。(p.88~9) 世界を私物化して、多くの人間を貧窮のどん底に突き落としながら、莫大な利益を上げつづけるグローバル資本。スイスの政府と銀行がその片棒を担いでいるのだということは、心に銘記しておきましょう。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-21 14:50 | 海外 | Comments(0)

スイス編(96):ジュネーヴ(14.8)

 さて時刻は午後8時、Aさんとの約束の時間まであと三十分しかありません。路面電車で簡単に駅に戻れるとたかをくくっていたのですが、停留所の案内板を見ると直通の市電はなさそうです。困ったぞ…途方に暮れていると、現地の若者が「この市電に乗って二つ目の停留所、ベル・エアで乗り換え」と親切に教えてくれました。あーたす(ありがとうございます)!
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 教えてもらった市電を乗り継ぎ、かろうじて約束の時刻にホテルに着くことができました。Aさんと落ち合い、ホテル付近をめぐって夕食をとる店をさがしました。客が五月蠅い、メニューが貧弱、値段が高い、など帯に短し襷に長し、結局白羽の矢を当てたのが「ラ・ベランダ」というレストランでした。これは当たりでした。しっとりとした落ち着いた雰囲気で、ワインも肉料理も言うことなし。思う存分に舌鼓を打ち、スイス最後の夜を楽しみました。さあ明日は帰郷です。
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 本日の四枚、地図の★のところにあります。
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by sabasaba13 | 2016-02-18 06:38 | 海外 | Comments(0)