なお近くにあった地下駐車場のトイレは無料でした。その先にあるiで山ノ神に訊ねてもらったところ、やはり先ほどのバスで「小さな家」まで行けるとのことでした。やった。停留所に行き、「ヴヴェイ・フニ」行きのバスに乗り込むと、「ヴヴェイ・フニクラーレ」というケーブルカー駅が終着でした。なおここヴヴェイは、チャールズ・チャプリンが晩年を過ごし、オードリー・ヘプバーンがその人生を終える最期の時を過ごした事でも知られる町です。チャプリンの銅像も湖畔にあるそうです。近くにローカル線のヴヴェイ・フニ駅がありましたが、本線のヴヴェイ・フニ駅まではバスで行かなければなりません。とりあえずル・コルビュジェの「小さな家」を見学しましょう。ネスレ本社の前を通り過ぎすこし歩くと「VILLA LE LAC Le Corbusier ←」という看板がありました。数分歩くと…ありました。外見は、細長いただの箱、この中にどんな秘密が隠されているのか楽しみです。
まずは『ル・コルビュジエの勇気ある住宅』(安藤忠雄 新潮社)から引用しましょう。 スイス・レマン湖のほとりに、ル・コルビュジエが両親のためにつくった〈小さな家〉が建っています。年老いたふたりが隠棲するための住宅として1923年に計画されたもので、ちょうど「住宅は住むための機械である」という有名なフレーズを書いた年にあたります。この挑戦的な言葉は、そのインパクトゆえにいつも誤解を招きますが、「機械」とはあくまでも人間らしく"住まう"ための機能、もっともすぐれたムダのない空間を意味しているのだと私は思っています。 本日の一枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-02-04 06:34
| 海外
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そして城から退出し、青空を背景にシヨン城の全容を撮影。隣にあった売店で珈琲を買い、湖畔のベンチに座ってくつろいでいると可愛い雀たちがやってきました。ホテルの朝食会場からくすねてきたパンをちぎって与え、しばし雀たちと戯れました。湖畔の遊歩道をすこし歩いて、違う角度からシヨン城を撮影。逆光でしたが、アルプスの山並みをバックに城が見える、素晴らしいロケーションでした。
それではモントルーへとバスで戻りましょう。やってきたバスの行き先表示を見ると、「ヴヴェイ・フニ」となっています。もしかすると、バスで「小さな家」まで行けるかもしれません。iで確認しましょう。「マルシェ(市場)」でおりて、市場とフレディ・マーキュリーの銅像を撮影。 何を隠そう、私、クィーンのファンでして感無量です。なおガイドブックによると、彼が所有していたスタジオが記念館として公開されているそうです。 1970~1980年代に多くのヒット曲を世に送り出してきた、イギリスを代表するロックバンド「クィーン」。1991年に惜しまれつつこの世を去ったボーカルのフレディ・マーキュリーは、レマン湖畔の町モントルーにアパートとレコーディングスタジオを購入して、音楽活動の拠点のひとつにしていた。クィーン以外にも、多くの有名アーティストのレコーディングが行なわれたスタジオが、2013年12月に「クィーン:スタジオ・エクスペリエンス・モントルー」という記念館としてオープンした。当時のままに再現されたスタジオや、数々の貴重な写真、メンバーの愛用品などが展示されている。うーん、見たいのは山々ですが、これからの旅程を考えるとカットせざるを得ません。再訪を期す。なおふと気づいたのですが、ディープ・パープルの名曲「SMOKE ON THE WATER」は、ここが舞台なのですね。ウィキペディアで調べてみると、1971年、スタジオとして使用する予定であったモントルーのカジノでフランク・ザッパのコンサートが開かれた際、信号拳銃を持った熱狂的なファンが放火、その一部始終を歌詞に綴ったとのことです。 俺たちゃモントレーに行った。ジュネーヴ湖畔さ。レコード作りに行った。とってもきついスケジュール。フランクサッパとマザーズ、偶然ライブをやっていた。ところが、どっかのアホウが銃を撃ってあたりは火の海さ。湖上の煙、火の粉がパチパチ。湖上の煙。 本日の四枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-02-03 06:15
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そうこうしているうちに十五分ほどでシヨン城に到着しました。レマン湖に付き出た岩場の上に建てられていて、まるで湖に浮かんでいるような美しい城です。
それでは入城しましょう、おっと「掏摸に注意」のピクトグラムが立て続けに二つ、注意を怠らないように。 まずはスーパーニッポニカ(小学館)から、シヨン城についての説明を引用しましょう。 スイス西部、レマン湖上の古城。湖の東端に近く、岸からわずかに離れた岩島の上にある。古代ローマ時代からアルプスの南北を結んでいた重要な街道が、ここで山裾と湖の間の狭い所を通っており、この街道を抑えるために築かれた城である。城の起源は9世紀ごろだが、12世紀からサボイア家の居城となり、現在のような姿になったのは14世紀初頭に増築されてからであり、アルプスを背景に湖に影を映す姿が美しい。壕にかかる跳ね橋を渡って入城料を支払い、第一の中庭へ。屋根の上には監視回廊があります。 そして建物の中に入り、まずは地下貯蔵室を見学。そして牢獄へ、ここがジュネーヴ独立側に加担したため囚われたサン・ヴィクトル小修道院長ボニバールが幽閉されていた場所です。入口から5番目の柱に4年間、鎖で繋がれていたそうな。数世紀を経た後にここを訪れた英国の詩人バイロンが、彼をモデルに長詩『シヨンの虜囚』をつくりました。柱には彼の名が刻まれています。「現実は、いつでも作り話以上に奇妙なものだ」、バイロンの言葉です。 地下礼拝堂を拝見して第一の中庭に戻り、第二の中庭に向かいます。そして城主の大広間と城主の宴会場を見学。窓からレマン湖を眺めると、なんと青空が広がりはじめています。天下無双の晴れ男ここにあり、ですね。 控え間と寝室、タペストリー室、紋章の間、公爵の寝室、13世紀のトイレを見学して第三・第四の中庭をめぐります。 そして監視回廊に沿って歩き、天守閣へ。もうこの頃にはすっかり晴れ上がり、城やレマン湖やモントルーの街並みをクリアに見晴らすことができました。ブンダバー! 本日の六枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-02-02 06:42
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朝目覚めて窓から外を見ると、ノートルダム聖堂が朝日を浴びて輝いています。良かった、天気は良さそうです。朝食を食べにエレベーターに乗ろうとすると、近くに「この機械時計は高さが30.02mあり、世界最大です。1999年にカルージュ在住のカゼス氏により作られ、世界一ギネス・ブックに登録されています」と日本語で記したプレートがありました。上を見上げると…なるほどこれは長い、だからどうしたと言われると困りますが。
最上階にある眺めの良いレストランに行き、すでに食べ始めていたAさんと一緒に朝食をいただきました。8:30にロビーで落ち合おうと決めて、部屋に戻って身支度を整えました。そしてロビーに行き三人で外へ出ようとすると、ドアのところに一目で分かる「置き引き注意」というピクトグラムが描かれていました。 すぐ隣にあるコルナヴァン駅に行き、われわれは「スイス・セーバー・フレキシー・パス」の最後の一日分があるので、Aさんだけがモントルーまでの切符を窓口で購入。彼女がじゃらじゃらと小銭をひろげると、「お金持ちですね」と言われました。なおAさんは60歳ということで約1フランの割引となりましたが、IDカードなどの提示は求められません。何ともおおらかですね。そして9:02発のブリーク行きのIR(Interregional:地方都市を結ぶ急行列車)に乗り込みました。 車窓を流れゆくレマン湖の絶景を…と言いたいところですが、見る見るうちに暗雲がたちこめ小雨が落ちてきました。やれやれ晴れ男の運も尽きたようです。停車したローザンヌ駅でホームをふと見ると、女性の車掌が煙草を片手に書類に目を落とされています。このゆるさがいいですね。 四十分ほどでモントルーに到着、幸い雨はあがりましたがどんよりとした曇り空です。駅前から階段を下りると、そこがレマン湖沿いのメインストリート、グラン通りです。ここから№201のバスに乗ってシヨン城へと向かいます。なお列車に乗ってVeytaux-Chillon駅で降りるという手もあるのですが、この駅で停まる列車が少ないので、バスの方がよろしいようです。観光地図の掲示板で停留所を確認して待っていると、すぐにバスがやってきました。さっそく乗り込み車窓から外を眺めていると、「マルシェ(市場)」のところでフレディ・マーキュリーの銅像を発見。ぜひ帰りに寄りましょう。「Montreux Casino」というバス停がありましたが、ここで毎年7月にモントルー・ジャズ・フェスティバルが開かれるのですね。うーん、いつの日にか聴きにきてみたいものです。 余談ですが、私が所有している関連のアルバムは「ビル・エバンズ・アット・ザ・モントルー・ジャズ・フェスティバル」「レイ・ブライアント・アローン・アット・モントルー」。なおビル・エバンス盤のジャケット写真はこれから訪れるシヨン城です。 本日の二枚です。 #
by sabasaba13
| 2016-02-01 06:38
| 海外
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髪の毛にはらう関心のたとえ半分でも頭を働かせるほうにふり向けたならば、今の千倍も生活が向上するだろう。(マルコムX)
犯罪というものは、法がそれに協力する程度に応じてのみ存在する。(マルコムX) よく本を読む人はみな、開かれた新しい世界を想像できるのだ。(マルコムX) 大学に関する最大の問題は、悪ふざけの下着泥や社交クラブや自校チームを騒がしく応援するなど、気が散ることがあまりにも多いことだ。(マルコムX) なにかを実行に移すときは、ずばりやりたいと思った。それに、なにをするかにしても自分流にやりたい。それは私がしたいからであり、だれかがするのを見たからではないし、まして本で読んだのでも、なにかの映画で見たからでもない。(マルコムX) 私にとってこの世のなかで、もっとも危険かつ致命的な悪は、とくに西欧世界では人種差別、つまり神の創造物として一体となって生きられないことだ。(マルコムX) 私はなによりもまず人間だ。だから人間として、人類全体に利益をもたらしてくれるものであれば、だれにでもどんな事柄にでも味方する。(マルコムX) 私は、怒りは正しいと信じている。(マルコムX) 社会こそが、人間の最低、最悪の部分をひきだす心理を生み育てている。(マルコムX) 人間はどんな職業だろうと、少なくとも、ものを考えるのは自分の頭でやるべきだ。(マルコムX) ときどき、おこがましくも夢みることがあった。いつの日か私の声が-白人の自己満足と高慢とひとりよがりをおびやかした私の声が-アメリカを墓穴から、悪くすると決定的破局から救いだす役にたったことを歴史が認めてくれるかもしれない-そんな夢だ。(マルコムX) たった一冊の本で一人の人間の一生が変わってしまうことがある-それをみんな知らないんだよ。(マルコムX) 弾丸(ブレット)を用いようと、投票用紙(バロット)を用いようと、目標をよく見きわめねばならない。あやつり人形をたたいてはいけない。人形つかいをたたくのだ。(マルコムX) #
by sabasaba13
| 2016-01-31 07:13
| 言葉の花綵
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。
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