![]() 政府は6日、トルコ南部を震源とする地震を受け、行方不明者の捜索、救助を実施する国際緊急援助隊・救助チームの派遣を決めた。国際消防救助隊や海上保安庁職員ら75人規模。先発隊計18人は6日深夜、現地に向け羽田空港を出発した。 そしてつくづく思うのは、自衛隊を全面的に改組して国際救助隊「雷鳥」とし、国内や海外で起きた自然災害による被災者救助に即応してほしいということです。以前に拙ブログにも書きましたが、これには多くの利点があります。まず当然ですが、他国による侵略よりもはるかに発生する確率が高い自然災害への対策を最重要視することによって、日本に居住している多くの人びとの生命と財産を守ることができます。 さらに海外での救助活動によって世界中の国から掛け値なし/無条件の賞賛と敬意を得ることができます。救助隊員として働くことにやりがいも生まれ、誇りと自信をもって任務に励めるでしょう。隊内における自殺やノイローゼや非公式のいじめ/いやがらせ、セクハラ・パワハラも劇的に減ると思います。 三つ目。その任務の中に、国家テロによる被害の救助を含めれば、劣化ウラン弾やクラスター爆弾、対人地雷、無差別爆撃・攻撃など最悪の犯罪行為の実態を世界に伝達することができます。テロリズムの温床の大きな部分がここにあるとすれば、その救済・広報活動によって、日本がテロにみまわれる蓋然性はおそらくきわめて低くなります。国家テロと対抗テロをともになくす上で、重要な一助になりえます。 また、戦争や紛争を起こす大きな原因の一つが軍需企業の存在ですが、その糧秣を絶つことができます。その息の根を止めてぜひとも最新技術を駆使して人命救助機器を開発・販売する企業へと転身していただきましょう。 しかし我ながら悲しいほどに、具体性に欠けるプランでした。ところが、この骨格に具体性のある肉付けをして、さらに「防災平和省」を新設し、日米相互協力及び安全保障条約を廃棄してアメリカ軍に日本から退去していただくという大胆な提言をされた『自衛隊も米軍も、日本にはいらない! 「災害救助即応隊」構想で日本を真の平和国家に』(花岡しげる 花伝社)という本に出合えました。表紙はちゃらいですが、気にしない。真の安全保障について熱く真摯に考察する素晴らしい本です。その骨子をいくつか引用しましょう。 本章では9条改憲が不要であることを述べるとともに、災害大国日本の防災、減災、災害救助・復興に関連する災害対応のための新しい組織創設についての具体案を示します。それこそが、25万人の自衛隊員とそのご家族が国民から等しくその存在と任務を尊敬される「災害救助即応隊」通称ジャイロ(Japan International Rescue Organization)構想です。(p.45) これらの災害の際、住民の命を自助努力や共助だけで守れというのは、納税者である国民としては到底納得できるものではありません。消火活動、警察活動には専門官庁が存在し専門実動部隊が対応するのに、火事や犯罪と同じくらい頻発している自然災害に対しては対応する専門官庁も専門実働部隊も存在しない状態で、果たして良いと言えるでしょうか。(p.53) 安倍~菅自公政権は、憲法に緊急事態条項を書き加え、内閣が主導して危機管理に当たるなどと机上の空論で憲法改訂を進めようとしています。しかし、緊急事態法を作っても、また災害官庁をただ新設しても、配下に医療班も含めた実働部隊が存在しない限り、疫病蔓延時も含めて有事には住民隔離・治療や避難などの役には立ちません。 防災平和省としては現職の22万4000人の自衛隊員の現職全員を再雇用した上で、実働部隊としてさらに27万人ほどの追加採用が必要となるでしょう。新規隊員には駐屯地の地元の若者を優先的に採用し、不足の場合は採用地に何らかの縁のある地元以外の若者を採用します。災害救助即応隊(ジャイロ)の主要任務は住民の災害救助ですが、被災者の半数は女性です。新たに採用する要員の半数程度は女性被災者に配慮した救助・支援活動に対応できる女性隊員が望ましいでしょう。これは東日本大震災での女性被災者の切なる要望です。(p.68) 駐屯地及び詰め所には、規模に応じて100~1000人規模の被災者を収容する避難所を併設ないし近接地に設置します。避難所としては、津波にも安全な海抜30メートル程度の高台に、耐震構造の風水害被害にも耐える頑丈な建築物を用意します。避難者のための駐車場も被災者2人に1台程度のスペースを確保する必要があるでしょう。お年寄りを住居から避難所に搬送するための輸送車も、それぞれの駐屯地及び詰め所に用意しておきます。もちろん運転するのはジャイロ隊員です。 自公政権は、まず自助、次に共助、そして気が向いたら公助ということでお茶を濁そうとしていますが、ルノアールのココアより甘いですね。東日本大震災から8年目の3・11を記念したテレビ番組で、避難者の先導を任されている住民が取材に答えて「自分たちがいくら訓練をしているといっても、いざという場合にこれら決められている行動を落ち着いて段取り通り行うのは困難です。やはり頼りになる専門家にやってもらわないと不安です」と言われたそうです(p.63)。やはり現地にしっかりと根付いた実働部隊が必要です。 さらに元自衛隊員の雇用や、財源についても目配りをされています。 「自衛隊員の雇用はどうなるのか。また、抵抗も大きいのではないか」→現職自衛隊員は全員再雇用が約束され失業の心配はありません。その上、海外派遣といっても戦闘地域ではなく災害地への派遣であり、生命の危険ははるかに少ないことから、自衛隊員およびその家族からむしろ歓迎されるでしょう。新規採用についても、他の官庁の事務系職員に比べ現業として肉体的にハードな面はあるものの、安定した国家公務員採用ゆえ若者の人気は高いと思われます。 「財源はあるの?」→災害救助即応隊だけで新たに27万人規模の増員を行っても、必要な人件費などの予算は防衛省の本年度総予算5兆円の範囲に十分収まります。また、他省庁との組織併合部分の経費はそのまま旧省庁から予算ごと引き継がれるので措置済みと考えられます。組織の一部統合で業務の重複の見直しなどによる費用の削減も多少見込め、追加的予算措置は不要です。 そして本書の真骨頂は、こうした救助活動こそが、故安倍首相の言うところの似非「積極的平和主義」(戦争により平和を守る)ではなく、真のそれであるという点です。以下、引用します。 国内の自然災害ばかりでなく海外の大規模自然災害にたいしても、「災害救助即応隊(ジャイロ)」は救助活動に駆け付けます。 災害救助や復興支援協力で人道的支援を受けて助けられた当事国が、日本に"恩を仇で返す"はずはありません。この積極的平和主義の名前に恥じない人道支援活動こそが、日本にとって最も有効な安全保障策になるのです。(p.74) 外国か恨みを買うようなことをしない、つまり敵を作らないこと、さらには分け隔てなくすべての国に人道支援を行い諸外国に恩義を感じさせることこそが、日本を不当に侵攻させない最も確実な安全保障策なのです。(p.148) いかがでしょう。空想? 妄想? 理想論? 戯言? いやいや、実現させることは可能です。私たちが主権者なのですから。
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by sabasaba13
| 2023-02-09 06:11
| 本
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映画『ファミリア』のパンフレットを購入しましたが、在日ブラジル人について記した、「ともに生きていくために -移住者の背景-」という安田浩一氏による一文がたいへん参考になりましたので、長文ですがぜひ紹介します。 そこは「小さなブラジル」と呼ばれている。 日本社会に伏流する「悪いのはガイジンだ」という流れ。在日外国人を対等な人間として認めず、その人権にも配慮せず、使い捨ての安価な労働力として酷使する、そこに問題があるように思えます。マックス・フリッシュに「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」という言葉がありますが、企業が欲しているのは、人間ではなく、人権に配慮する必要のない労働力なのでしょう。そしてこの考えは在日外国人だけでなく、女性にも、非正規社員にも適用されて、日本社会を蝕んでいます。 なぜこんな酷い社会になってしまったのか。もちろん、さまざまな要因があるでしょうが、『下り坂のニッポンの幸福論』(内田樹・想田和弘 青幻舎)を読んでいたら、考えるヒントとなる一文に出会えました。内田樹氏の言です。 資本家は労働者に対して「お前の替えなんかいくらでもいる」と屈辱感を与えて、自己肯定感を傷つけ、どんな劣悪な雇用条件でも「働かせてください」とすがりついてくる人間を創り出す。これは資本主義の「業」のようなものです。(p.128) 屈辱感を与え、自己肯定感を傷つけることによって安価な労働力を創り出す。なるほど、学校教育もその片棒を担いているようです。そして自己肯定感を傷つけられた日本人は、そこから目を逸らすために、人間として扱われない存在を必要とする。「お前らガイジンは人間ではない、俺たち日本人は人間だ」と言わんばかりに。 ではどうすればよいのか。長期的には、安い労働力が無ければ立ち行かない経済と社会のシステムを変えること。今すぐにでもできるのは、そうしたシステムの存在をきちんと認識したうえで、在日外国人を人間として認めることだと思います。 パンフレットに、在日ブラジル人を演じた若者たちの座談会が掲載されておりますが、ルイを演じたシマダアラン氏が成島出監督のやり方について述べた感想が心に残りました。 そうそう、自分たちを認めてもらえてると思うとすごく嬉しくて、もっとやる気になっちゃうんですよ(笑)。(p.18) ここから始めましょう。私たちは人間だ、君たちも人間だ、われわれを人間として扱わない奴らを相手に手を取り合って闘おう、と励まし合いながら。
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by sabasaba13
| 2023-02-08 06:16
| 鶏肋
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![]() 東京藝術大学及び同大学院修了。オランダ・ハーグ王立音楽院修了。令和2年度(第71回)芸術選奨文部科学大臣新人賞、第18回齋藤秀雄メモリアル基金賞、第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)首席指揮者、読売日本交響楽団指揮者/クリエイティヴ・パートナー、アンサンブル・ジェネシス音楽監督。NHK交響楽団、読売日本交響楽団等と共演するほか、バロックオペラの制作、上演にも取り組む。NHK-FM「古楽の楽しみ」レギュラー出演。調布国際音楽祭エグゼクティブ・プロデューサー。九州大学客員教授。 なおJ・S・バッハ演奏の第一人者、鈴木雅明氏のご子息であることを付言しておきましょう。 機会があったらぜひ彼の独奏を聴いてみたいなと思っていたら、思いの外すぐに巡り合えました。トッパンホールでジャンミッシェル・キム氏のコンサートに行った際に、鈴木優人氏のピアノ・リサイタルのチラシを発見。響きが素晴らしくこじんまりとして居心地のよいこのホールで、J.S.バッハの「パルティータ」全6曲を一夜で弾かれるそうな。やった。インターネットで即購入、先日、山ノ神とともに聴いてまいりました。 まずはチラシの紹介文を引用します。 指揮者、鍵盤楽器奏者のみならず、音楽祭のプロデューサー、さらには作曲家として、国内外のクラシック音楽シーンを縦横無尽に駆け巡る鈴木優人。本シリーズは、コロナ禍にもかかわらず益々多忙を極める鈴木に、彼の原点ともいえるJ.S.バッハにシリーズで集中的に取り組まないかと提案し、まずは3回の開催を目標にスタートした。 J.S.バッハが大好きと公言しているわりには、「パルティータ」という曲はグレン・グールドのCDで時々聴くのですが、その内容や形式についてはよく知りません。勉強不足ですね、●があったら入りたい。いただいたパンフレットに木村佐千子氏による詳細な解説があったので、私の文責で要約して紹介します。 まず「パルティータPartita」という語は、英語の「パートpart」と語源が同じで、「一式」「一組」といった意味をもちます。音楽では変奏曲を指すことも舞曲を連ねた組曲を指すこともありますが、バッハの「パルティータ」は後者の組曲にあたります。 この曲が書かれたライプツィヒは出版業が盛んな都市で、書籍の見本市(メッセ)も開かれていました。ケーテンという小さな町から移ってきたバッハは、ここライプツィヒで自作の鍵盤楽曲の出版事業に挑戦したいと考えたのでしょう。 バッハの頃の鍵盤組曲は、基本的に同じ調の「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「ジグ」という4つの舞曲を中核楽章(必須舞曲)として綴られ、はじめに前奏曲、途中にほかの舞曲や舞曲以外の楽章(挿入楽章)が加えられることもありました。 バッハが「パルティータ」で最も重視したのは、形式や様式の多様性を示すことだったというのが研究者の一致した見解です。たとえば開始楽章はふつう「前奏曲」なのですが、「パルティータ」では、第1番から順に「プレルーディウム(前奏曲)」「シンフォニア」「ファンタジア」「ウーヴェルテュール(序曲)」「プレアンブルム」「トッカータ」と、すべて異なっています。また必須舞曲のほかに加えられている楽章も様々で、たとえば第3番には「スケルツォ」という新しい種類の楽章も加えられています。 そうした多様な楽章を組み入れ変化に富むものとすることで、バッハは組曲作曲の集大成と目指したのかもしれません。出版への意気込みが感じられます。 なお同プログラムの鈴木優人氏の解説によると、バッハが「パルティータ第1番」を印刷したのが1726年、41歳の時です。Aを1、Bを2、と数えていったとき、Jをラテン語のようにIと数えると、J+S+B+A+C+H=41になります。(いま数えたら42でしたが…) 「パルティータ」を構成する舞曲の数も41。鈴木氏も41歳。なにか因縁のようなものを感じますね。 地下鉄有楽町線の江戸川橋駅から徒歩10分ほどでトッパンホールに到着。なおチケットは完売でした。こじんまりとしたアット・ホームな雰囲気のホールに入ると、ステージ上には装飾が施された見事なチェンバロが置かれていました。プログラムによると、ヴィレム・クルスベルヘン製作(ユトレヒト、1987年)によるフレンチ・タイプの楽器だそうです。 そして鈴木優人氏と譜めくりの女性が登場。ホールの照明が落とされ、いよいよ演奏の開始です。まず前半は以下の三曲。 第1番 変ロ長調 BWV825 第2番 ハ短調 BWV826 第3番 イ短調 BWV827 最初の数小節を聴いただけで、バッハの音楽に優しく温かくつつまれ、身も心もとろけるよう。さまざまな踊りの音楽にたゆたう、夢のような時間が過ぎていきます。(あまりの心地良さにちょっと寝落ちも) 響きも良いし、ステージとの距離が近く、奏者と聴衆の一体感が醸し出されます。ただ事前学習した、多様な開始楽章には意識を集中しました。なるほど、鈴木氏の表現を借りれば、柔らかく慈愛に満ちた第1番の「プレルーディウム(前奏曲)」、受難曲のような第2番の「シンフォニア」、メランコリーのもつれあう第3番の「ファンタジア」、天衣無縫なバッハの音楽にただ首を垂れるのみ。 そうそう第2番は、先日小林愛実氏のピアノで拝聴しましたが、とても同じ曲だとは思えません。ピアノの特徴を生かしたダイナミックなバッハと、チェンバロらしい端正なバッハ、ともに捨て難いですね。 そして二十分間の休憩。調律師の方が舞台に現れてチェンバロの調律を始めたのには驚きました。ほんとうに繊細な楽器なのですね。 後半は下記の三曲です。 第4番 ニ長調 BWV828 第5番 ト長調 BWV829 第6番 ホ短調 BWV830 鈴木氏の言を借りれば、それぞれの開始楽章は、豪華絢爛たる第4番の「ウーヴェルテュール(序曲)」、遊び心に満ちた第5番の「プレアンブルム」、壮大な第6番の「トッカータ」です。後半もさまざまな表情と曲想の舞曲に酔いしれました。氏の演奏も、正確無比なテクニックと乗り乗りのドライブ感、適確なフレージングで、バッハの宇宙を十全に表現していました。 なお第5番が終わったあと、再び調律師の方が登場し何やらチェンバロをいじっています。最後に鈴木氏が説明してくれたのですが、弦をはじく爪が折れてしまったそうです。ほんとうに繊細な楽器なのですね。 パルティータ全6曲を一夜で弾くという力技の後ですが、アンコールに平均律クラヴィーア曲集第2巻の第12番前奏曲を弾いてくれました。心やすまる静穏な曲とともに、充実した今宵の幕引きとなりました。 なお来年もここトッパンホールで平均律クラヴィーア曲集第2巻の全曲演奏会を行なわれるそうです。ぜひとも聴きに来ましょう。それはそうと、バッハ弾きとして忘れられない武久源造氏が最近演奏会を開いていないので気懸りです。鈴木氏の奏でる端正で美しいバッハもいいのですが、武久氏の弾く自由奔放・天衣無縫なバッハにも心惹かれます。 トッパンホールの公式サイトに鈴木優人氏へのインタビューが載っており、ピアノとチェンバロの違いについて興味深い話をされていたので紹介します。 ピアノは打鍵によって一音一音、音量の違いがつくれるので、ある声部を際立たせたり、沈ませたりということができますが、そこが逆に障害になるんです。チェンバロはそれができないので、必然的に全部の声部を平等に歌うことになる。すべてをくっきりアーティキュレーションすればするほど、フーガとして立体的になっていきます。 他にもバッハの魅力と、氏が選ぶ『バッハの五大名作選』についても語られています。 いわゆる"艶やか"みたいな魅力があるのかはわかりませんが、バッハはものすごく気配りの人だったと思います。たとえば、フーガ。演奏に携わる全員が心地よくかつ音楽の仕組みに等しく貢献できるように書かれています。ヘンデルのように、いつの間にかソプラノとバスしか格好良くない、みたいなことにはならないのが魅力ですね。みんなが等しく活躍する調和とでも言いましょうか。一瞬にして虜にするような魅力とは違いますが、人間や社会が神のもとに営んでいくべき理想的な構造を、音楽によって示しているところがすごいと思います。受難曲やカンタータのほうが、レチタティーヴォやアリアがあってキャッチーですが、そういうものを一切省いて、平均律は序曲とフーガだけという。プレゼンテーションとしては、めちゃくちゃストイックだと思います。みんなが活躍できる構造と調和を保っているところは、いまの日本に必要なものという気がしますね。 えー! 難しいな、そうですね…、一番は、「カンタータ第127番 ソプラノのアリア」。冒頭の部分だけで泣けてくるほど、最高の名曲です。歌うのは死ぬほど難しいと思いますが。次は「イギリス組曲第2番 イ短調〈サラバンド〉」。こちらものっけから泣けますね。3曲目は「Aus Liebe(マタイ受難曲 BWV244より)」。ゆっくりな曲ばかりだから4曲目は「ヨハネ受難曲第24番 アリア」。最後は営業目的で(笑)、「平均律第1巻 第24番 ロ短調(h-Moll)」。Dur(長調)の曲がひとつもなかったな。 "みんなが活躍できる構造と調和"か…ほんとうに良い言葉ですね。差別と分断を党是とする自由民主党の皆々様に、熨斗をつけてクール宅急便で贈呈したいものです。 追記です。プラグラムと一緒に鈴木優人氏の写真が載ったポストカードをいただきました。後でよく見ると、なんとブルーノート東京に出演してアストル・ピアソラを演奏するそうです。時は2月15日(水)、さっそく席をおさえました。これは楽しみですね。
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by sabasaba13
| 2023-02-07 06:02
| 音楽
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さて時刻は午後一時ちょっと過ぎ、さすがにお腹がへりました。「スマート珈琲店」で玉子サンドを食べようと来店したら長蛇の列ができています。なぜ行列に並んでまで喫茶店に入ろうとするのか理解できませんが、よほど美味しいのでしょう。再訪を期す。御幸町教会に行く途中、市役所の西側で「ポット」という喫茶店を発見しました。駄目でもともと、当たって砕けろ、人生万事塞翁が馬、入ってみましょう。客はわれわれのみ、そして玉子サンドも珈琲も美味。これは超穴場です、お薦め。 ![]() それにしても京都には、地元資本の素敵な喫茶店が多いですね。『路地裏の資本主義』(角川SSC新書231)の中で平川克美氏がこう述べられていました。 これらの理由以上に喫茶店減少に拍車をかけたのは、日本人のライフスタイルの変化だろうと思います。どういうことかと言うと、喫茶店の椅子に座ってボーッと半日を過ごすような人間が生きていくのが、難しい時代になったということです。当時の私が、今を生きていることを想像すると、アルバイトの収入では食べるのがやっとで、コーヒー代を払って無為の時間を過ごす余裕は、どこを探しても見つからないように思えます。 京都には"喫茶店の椅子に座ってボーッと半日を過ごすような人間"が多く、"無為の時間を過ごす余裕"があるということなのでしょうか。だとしたら素晴らしいことです。人間らしさを大切にする京都の分厚い伝統が、「競争」「自己責任」を是とする新自由主義を拒否しているのかもしれません。
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by sabasaba13
| 2023-02-06 07:39
| 京都
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30分ほどロスしましたが、東西線東山駅近くから送迎バスに乗り込み、山上にある京都大学花山天文台に着きました。解説を引用します。 東山連峰の山中に、昭和4年、日本で2番目に設立された大学天文台。施設建造物や望遠鏡に博物的価値がありながら、現在も最新天文学の研究の場として観測が続けられています。直径9mのドームがある「本館」には、国内3番目の大きさの45cmの屈折望遠鏡があり、山頂の施設ならではの眺望も楽しめます。また、開設当初に建てられた「歴史館」(旧子午線館)は大正から昭和の洋式木造建築として貴重なもので、天体観測資料などが展示されています。 銀色に輝く巨大なドームを頂いたモダンな円筒形の建築、見事な建築ですね。中に入ると、国内3番目の大きさの屈折望遠鏡の迫力に圧倒されます。天文学に関してはまったくの門外漢なのでその価値はよくわかりませんが。 ![]() またここからの眺望が素晴らしい。眼下には山科の街並み、そして大阪やあべのハルカスも遠望できました。はるばる来た甲斐がありました、一見の価値あり。 ![]() 「こんちき」の像は、昭和51年10月、(社)京都青年会議所が創立25周年を記念して、国内外で活躍されている彫刻家流政之氏に制作を依頼され、京都市に寄贈されたものです。「今の日本人に必要な『自立と自戒の精神』」をテーマに制作された「いましめの像」は、京都を代表する祇園祭のお囃子「コンチキチン」から「こんちきの像」と名付けられました。 #
by sabasaba13
| 2023-02-05 07:29
| 京都
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。
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