神楽坂編(2):神楽坂(08.5)

 それでは神楽坂へと向いましょう。この時に気づいたのですが、稲荷町駅入口も相当古い物件ですね。さすがは日本最古の地下鉄・銀座線です。
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 上野駅でJR山手線に乗り換え、秋葉原で中央線に乗り継ぎ、お茶の水→水道橋→飯田橋へ。飯田橋駅から堀端にそって西へ数分歩くと、牛込見附から山手の台地へ上る坂がありますが、ここが神楽坂です。江戸時代は武家屋敷と寺社地でしたが、明治の中ごろから商店街ができたそうです。関東大震災(1923)による被害を受けなかったため、その後花街として繁華を誇るようになり、昭和初期には早稲田派の文学者、演劇人たちによって広く紹介され、新宿をしのぐといわれたほどでした。今でも往時を偲ばせる料亭や路地が残っており、落ち着いた雰囲気を醸し出しているそうです。何回かは来たことがあるのですが、表通りしか歩いたことがありません。今回は裏通りや路地を中心に徘徊するつもりです。中心となる通りには老舗が散見されますが、特段の風情はありません。マ○ド○ル○やモ○バ○ガ○やロ○ヤ○ホ○トが建ち並び、町の表情を金太郎飴のように画一的で平板なものにしていました。
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上り方向の右手にある路地に分け入ると、さまざまな表情に出会えます。芸者新路、かくれんぼ横丁、本多横丁、見かえり横丁といったネーミングもいわくあり気でいいですね。鍵の手、袋小路、石段などが組み合わされて、歩いていても飽きることがありません。機能的・合理的とはとても言えませんが、先を見通せない曲がりくねった小路は精神衛生上よいものですね。角を曲がるたびに景観が変化し、視覚を刺戟してくれます。料亭や小料理屋、和風住宅の落ち着いた佇まいも興趣にあふれます。並べられた植木鉢や庭木の緑も心地よさそうに薫風に揺れていました。なお、電気・ガスメーターが露骨に露出しないように一工夫されているのが、京都を思い起こさせます。京都の場合はプライバシーを守るための措置という印象を受けましたが(壁の穴から覗き込む=敷地内に入るな)、こちらでは景観への配慮という感じが強いですね(壁面に設置されてガラス窓がついている)。
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 私が一番気に入ったのが、毘沙門天から通りをはさんで真向かいにある細い路地。まるでヴェネツィアのカッレのような光も差さぬ小路を抜けると、石段、鍵の手、旅館の黒板塀、そして庭木・生垣・植木鉢の緑に包まれた小宇宙に入り込めます。
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 ここでは首輪をつけた、人懐っこい猫に出会えました。そういえば、木戸の下部に猫用の出入り口があったり、「かわいい仔猫がいます 里親になって下さい」「ねこさがしています 飼われている方が居ましたら、心配ですのでご一報ください」といった貼り紙を見かけたりしました。「ネコのエサをかいだんにおかないで下さい」ということは、他の場所には置くのは可ということですね。猫に対するほのぼのとした愛情を感じさせてくれる街です。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2009-01-29 06:23 | 東京 | Comments(0)
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