本日はバスでゴールウェイへ移動します。しみじみとがつがつと最後の朝食をいただき、余韻を味わうかのように部屋でしばし寛ぎました。午前十時の発車時刻に間に合うよう、チェックアウトをし、荷物を持ってすぐ近くのターミナルへと向かいます。黒く重そうな雲がたちこめていますが、幸い雨は降っていなかったので助かりました。バスはほぼ満員の状態ですが、早めに着いたので席も確保できこれで一安心。
![]() なおゴールウェイ直行ではなく、リムリックで乗り換えることになります。出発してしばらくすると小糠雨が降り始めました。今朝のTVニュースがダブリンで洪水と報道していましたが、これからの天候が心配、やはり今年の雨の多さは異常なようです。一時間ほどすると突然の渋滞、バスは遅々として進まなくなります。リムリックでの乗り継ぎ時間は20分ほどなので、下手すると次のバスに乗れなくなるなとやきもきしてしまいました。しばらくすると前方の道路が通行止めで、車が迂回している状況がわかりました。理由は今もって不明ですが。ようやく車が流れはじめましたが、結局四十分ほどの足止め、運転手が携帯電話で連絡をとっていたので乗り継ぎバスはたぶん待っていることと期待します。いくつかの町を通り過ぎながら、バスは一路北へ。ふと気づいたのですが、バイパスがなく、必ず町の目抜き通りを走り抜けていきます。よって車に乗っている人はちょっと町のレストランやパブに寄ったり、買物をしたりすることができるのではないかな。地方を衰微させないヒントになりそう。そして大幅に遅れてリムリックに到着、駅で小用をすませ、待ってくれていたバスに慌てて乗り込み、セーフ。やれやれ。 ![]() ここからゴールウェイまで約二時間、雨は相変わらず降りつづいています。そして鉄道の駅と一体となったターミナルに到着。雨が降りしきる中、十分ほど歩いたところにあるホテル"Harbour"に辿り着きました。 ![]() ゴールウェイでは四泊しますが、中日はすでにモハーの断崖へのバス・ツァーを予約してあります。よって今回の旅行における最大の見もの、アラン諸島訪問を明日にするか、三日後にするかが悩みの種。悪天候だったら目もあてられません。島内で自転車による移動は困難となるし、船の揺れも心配(へたすりゃ欠航)。困ったときの神頼み、山ノ神のご託宣をうかがうと「よきにはからえ」。んな無責任な! しょうがない、乾坤一擲、一か八か、のるかそるか、山勘で明日行くことにしましょう。駅の近くにあるインフォメーションに行って、アラン諸島行きバス+船の申し込み場所を確認し、ついでに三日後のコング・コネマラ国立公園ツァーの予約も入れておきました。道路を渡った対面にあるツァー受付事務所に行って、アラン諸島のイニシュモア島への往復バス+船の予約をし、係の女性に明日の天気を訊ねると、たった一言、"pray"。ま、そりゃそうだよね。祈り、そして耐える、しかし挫けない。アイリッシュ・ウェイがほんの少しわかってきました。なお二つの会社がツァーを主催していますが、料金・内容・所要時間等まったく同一のものです。狂ったように料金とサービスを競り合って共倒れになるより、のんびりやって共存していこうぜ、ということなのでしょうか。だとしたら素晴らしいですね。「悪魔の碾き臼」から抜け出す秘訣がここにありそうです。 ![]() それでは気を取り直して夕食をとりましょう。目抜き通りキー・ストリート(Quay Street)に行くと歩行者天国となっており、雨のそぼ降る中多くの人で賑わっていました。ガイドブックに掲載されていた店"Quay Street Wine Bar & Restaurant"に入り、鯖と鮭のソテーをいただきました。 ![]() そして腹ごなしの散策、店の近くにあるのが聖ニコラス教会、そう「サンタクロース」として知られる守護聖人ですね。コロンブスも1477年にここを訪れているそうです。そしてリンチ家の城、ゴールウェイの名家リンチ家の住まいだった家で、現在は銀行として使用されています。 ![]() そしてキー・ストリートの先にある石造りのスペイン門を見学。かつてスペインの貿易船がよく入港したのが名前の由来で、街を取り巻く城壁の末端部分だそうです。門の近くには"IN MEMORY OF MARINERS LOST AT SEA"という碑があり、背面には数人の人名が刻んでありました。荒れ狂う大西洋の海鳴りが耳に響いてくるような気がしました。再びキー・ストリートを歩いていると、オスカー・ワイルドと彼の父が向かい合って坐る銅像を発見。ゴールウェイとはどういう関係があるのでしょうか? さてそれではホテルの部屋に戻り、明日の好天を願って就寝前の祈祷をすることにしますか。pray… ![]() 本日の二枚です。 ![]() ![]()
by sabasaba13
| 2009-05-14 06:09
| 海外
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自己紹介
東京在住。旅行と本と音楽とテニスと古い学校と灯台と近代化遺産と棚田と鯖と猫と火の見櫓と巨木を愛す。俳号は邪想庵。
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