アイルランド編(54):巨人のテーブル(08.8)

 ビジター・センターによって用を済まし、バスへと乗り込みさあ出発、次なる目的地は「巨人のテーブル」とも呼ばれる巨石墳墓Poulnabrone Dolmenです。なおドルメンとは、ケルト語で「石(men)の机(dol)」を意味し、大きな天井石と、それを支える数個の石からなる墳墓。支石墓とも訳されます。新石器時代から鉄器時代にかけてつくられ、世界的に分布しているとのこと。ここでこうした巨石記念物についてのお勉強をしておきましょう。G・ダニエルはヨーロッパの巨石記念物を次の4種に分類しています。以下、スーパー・ニッポニカ(小学館)からの引用です。
1,立石
 一本の巨石を立てたもので、メンヒル(menhir)と呼ばれます。フランスのブルターニュ地方に多く分布しています。高さは1~6メートルほどのものが多いが、とくに巨大なロックマリアケルのメンヒルは長さ20メートルを超えているそうです。

2,立石群
これはさらに二つに分けられます。
a,石を円形状に並べる環状列石で、ストーン・サークル(stone circle)あるいはストーン・リング(stone ring)と呼ばれます。正円状、楕円状、単一の輪、複数の輪などいろいろな形態があります。何といってもストーンヘンジが著名ですが、日本でも大湯環状列石があります。
b,巨石を立てて列状に並べる列石で、アリニュマン(alignement)と呼ばれます。フランスのブルターニュ地方カルナックの列石が著名です。

3,巨石墓
ヨーロッパの巨石記念物のなかではもっとも多く、中心的な存在です。三枚以上の支石の上に天井石をのせた単純な構造のものが支石墓(ドルメンdolmen)。また棺をおさめた玄室とそこへ通じる羨道からなる羨道墓(ギャラリー・グレーブgallery grave)というタイプもあります。

4,巨石神殿
地中海のマルタ島、ゴゾ島周辺に限られています。かつては墓所と考えられたこともありましたが、埋葬の痕跡がなく、現在では神殿と考えられています。
 なるほど頭の中がすっきりとしました。こうした巨石記念物を見るのは大好きで、機会があったら訪れるようにしています。イサム・ノグチが「石は地球の骨である」と言っていたように記憶していますが、われわれ人類が暮らしてきたこの惑星の本質を担う、何か聖なるものを感じます。たぶん古代人もそうした思いから、石を組み合わせてモニュメントをつくってきたのでしょう。彼ら/彼女らが石に何を托し何を願い何を祈ったのか、想像するだけでも楽しいものです。ま、そんな小難しいことをいわなくても、ただその圧倒的な存在感の前に立ち尽くすだけで清々しい気分になってきます。小雨が降りしきる中、モハーの断崖から五十分ほどで到着。むき出しの岩が埋め尽くす荒野の中をすこし歩くと、「巨人のテーブル」が現れました。
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 高さ2mほどの四枚の立石の上に、巨大な天井石が斜めに乗せられています。発掘の際16~22人の大人と、産まれたばかりの赤ん坊を含む子供6人の人骨が見つかったそうですが、科学的な研究で紀元前3800~3200年頃に埋葬されたとみられています。高貴な一族のために継続的に使用されたのでしょうか。すぐ近くには、強風によってねじまげながらも荒涼とした大地に根をおろして屹立する一本の巨木がありました。アイルランドを象徴するような光景に思えてきます。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2009-05-29 06:06 | 海外 | Comments(0)
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