ここから裏道を駅の方に歩いていくと、十分ほどで国立博物館・本館(コリンズ・バラック)の裏手、イースター蜂起(1916)のリーダーたちが眠るアーバー・ヒル墓地(Arbour Hill Cemetary)に到着です。教会の右を奥へ進むと、正面に墓所とモニュメントがありました。そこにゲール語と英語で刻まれているのは、蜂起の際に中央郵便局の玄関ポーチ階段で臨時大統領ピアースが読み上げた「独立宣言書」ですね。冒頭の部分で"IRISHMEN & IRISHWOMEN"と女性にも呼びかけているところに志の高さを感じます。墓に一礼してフェニックス公園へと向かいました。
実はさきほどオールドジェイムソン蒸留所でもらったダブリン観光地図がかなりの広域がのっており、ジョイス関連物件も記載されている優れもので、さっそくこれを見ながら住宅街を抜けて公園方向へと向かう道を歩き始めました。墓地の裏側には"DEDICATED TO THE IRISH CITIZENS WHO DIED IN THE SERVICE OF THE UNITED NATIONS"と刻まれたモニュメントがありましたが、国際連合の活動中に落命した方々への追悼でしょう。さて住宅街を歩いているうちに地図の表現がどうも曖昧となり、なかなかたどりつけません。
右往左往してようやく公園正門を見つけました。ここフェニックス公園の面積はおよそ700ヘクタール、ニューヨークのセントラルパークの2倍以上でヨーロッパ最大の広さだそうです。もともとキルメイナムの聖ジョン修道院の土地でしたが、16世紀の宗教改革で没収され、そこにオーモンド公爵が1662年にロイヤルディア(鹿)パークを建築したのが始まり。よってとてもとても全部を廻りきることはできず、入り口近くのベンチで広大な芝生の広場や生い茂る木々を見ながら一休みしました。ここから見える、高さ61メートルの巨大なオベリスクがウェリントン公爵記念碑。ワーテルローの戦いでナポレオンを破ったイギリスの軍人・政治家ですね。オコンネル通りのネルソン記念碑は爆破して除去したのに、こちらを残してあるのはちょっと不思議。何か謂れでもあるのでしょうか。
本日の四枚です。