近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)

 さてふたたびリフトで眺望を楽しみながら下山、タクシーに戻りました。すると親切な運転手さんが「すぐ近くに奥琵琶湖を望める絶好のビュー・ポイントがありますよ」とオファー、よし、のった。リフト乗り場から数分ほど走り旧道のトンネルを抜けたところでクルマを停めてくれました。なるほど、抉られたような湾の奥から眺める琵琶湖もまた格別です。右手には竹生島、その向こうには菅浦があるのですね、しかし雨がそぼ降りはじめ視界はさらに悪くなってきました。いつか晴れた日に再訪を期しましょう。
近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)_c0051620_675430.jpg

 クルマに戻り、十分ほどで木ノ本駅に到着。長浜に行く列車が来るまで十数分あるので、山ノ神は駅の地元物産販売所を物色、私はせっかくなので駅周辺を散策することにしました。すこし先には1936(昭和11)年につくられた古い駅舎が保存されています。当時の写真が展示されていましたが、大きな窓が壁一面に配置されたインターナショナル様式のモダンな建物です。残念ながら上部の窓が塗り込められてしまい、現在の佇まいは凡庸なものになっております。
近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)_c0051620_682047.jpg

 その前には(たぶん)秀吉の兜を乗せたご当地ポストがありました。そしてその隣の公衆便所でフェイス・ハンティング、困っているような怒っているような陰翳にあふれた表情です。
近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)_c0051620_695577.jpg

 用をたしに中に入ると「トイレットペーパーの芯を流さないで下さい」という貼り紙、とんでもない輩がいるものですね。駅前にある図書館は四連アーチ窓が軽快な表情をつくる洋館でした。
近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)_c0051620_6102483.jpg

 付近にあった妻入造の民家では棟木の先端が飛び出しているような部分があり、火難除けでしょう「水」と書かれていました。近江でよく見かける様式ですね。
近江錦秋編(19):木ノ本(08.11)_c0051620_6105471.jpg

 さてそろそろ列車の到着時間ですので駅へ戻りましょう。山ノ神と合流して入線した列車に乗り込み、以後の行程を検討しました。時刻は午後一時すこし前、帰りの新幹線は16:16京都発だし、大津でコインロッカーの荷物を回収しなければならないので、玄宮園(彦根城)に寄る時間はありません。近江孤蓬庵に行った後、長浜をすこし散策して京都に向かうことにしましょう。
by sabasaba13 | 2009-10-22 06:11 | 近畿 | Comments(0)
<< 近江錦秋編(20):孤蓬庵(0... 近江錦秋編(18):賤ヶ岳古戦... >>