土佐・阿波編(11):伊野(09.3)

 観光案内所も貸し自転車も、よく駅でもらえる観光地図もなし、ま、これは想定内です。コインロッカーもありませんが、駅員の方にお願いすると荷物を快く預かってくれました。多謝。ガイドブック「中国・四国 小さな町小さな旅」(山と渓谷社)からコピーした小さな地図を片手に、徘徊を開始。駅から一つ向うの道には、路面電車の終着駅がありました。ここから高知市内まで直通です。
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 道ぞいにすこし歩くと明治中期に建てられた紙問屋を移築復元した豪壮な土居邸、煉瓦と白漆喰と黒板と水切り瓦(※雨から漆喰を守るため壁面につけられた小さな屋根)が絶妙のマッチングでした。
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 このあたりから町の懐へと食い込んでみましょう。町割りや都市計画なんざ糞食らえ、という感じで路地が縦横無尽に入り組む私好みの町並み。統一感はありませんが、ところどころに漆喰壁や格子窓のある古い商家を見かけます。観光で食べていく気は毛頭ないようで、地元に根づいた商店が元気に商いをされていました。どこからでも見える里山には山桜が産毛のようにぽわぽわと咲き誇っています。「人間の暮らしなんてほどほどでいいんだよ」と町から囁きかけられているようで、歩いているだけでほのぼのとした気持ちになってきました。
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 足の向くまま気の向くまま彷徨していると、交通量の多い国道に出ました。このあたりが問屋坂、紙問屋や酒蔵の古い建物が何軒か残っています。中でも眼を引かれたのが、なまこ壁・格子窓のまるで蔵のような重厚なお宅、かつては紙問屋として隆盛をほこっていたのでしょうか。漆喰塗りの塀にオーバーハングがあるのはやはり雨除けでしょう。
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 小高いところに奇麗に咲き誇る山桜があったので、失礼して民家の入口まで石段を上っていき撮影。ここからは水切り瓦のある蔵を見下すことができました。
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 このあたりでフェイス・ハンティングを二発。
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 紙の博物館の脇からふたたび閑静な町なかに入り込み散策を続けましょう。なまこ壁と「ひまわり牛乳」の看板、何とものどかな取り合わせですね。遠くの方から歓声が聞こえてくるので、その方向に行ってみると伊野小学校、長く伸びた影といっしょに子どもたちが浅黄色に染まった校庭で遊んでいるところでした。思わず「春が来て校庭いっぱいの子どもかな」(字余り・一茶さんごめんなさい)と雑俳を一つ。授業が終わったら友だちと校庭で遊ぶ、そんな平凡だけれどもかけがえのない環境を、なぜわれわれは子どもたちに用意してあげられないのだろう。万死に値します。
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 さてそろそろ列車の着く時間、伊野駅に戻りましょう。ふと左手を見ると、小高いところに巨大な石碑が見えます。さきほど車窓から見て気になっていた物件と同様の佇まい、これは忠霊塔に違いない、それ急げ。駅にほど近い琴平公園の石段を駆け上がると、やはりそうでした。忠霊塔の建てられ方には地域的な偏差があるのでしょうか、ここ高知では格別目立つところに大きな碑をつくった模様です。なおここからは山々に抱かれた伊野の町並みがよく見晴らせました。
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 石段をおりて駅へ向かう途中で気づいたのですが、建物正面に堂々とすえつけられた梯子状の非常階段をいくつか見かけました。泥棒に入られそうだなあ、何か理由でもあるのでしょうか、気になります。駅員さんに丁重にお礼を言って荷物を受け取り、17:50発の列車に乗り込みました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2010-01-07 06:22 | 四国 | Comments(0)
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