言葉の花綵33

 小生は日本の現状に満足せず。と同時に、浅層軽薄なる所謂非愛国者の徒にも加担する能はず候。在来の倫理思想を排するものは、更に一層深大なる倫理思想を有する者ならざる可らず。亦(しか)して現在の日本を愛する能はざる者は、また更に一層真に日本を愛する者ならざる可らず。(石川啄木)

 自ら得意になる勿れ。自ら棄つる勿れ。黙々として牛の如くせよ。孜々として鶏の如くせよ。内を虚にして大呼する勿れ。真面目に考へよ。誠実に語れ。摯実に行なへ… (夏目漱石)

 戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。(ユネスコ憲章)

 王は両院で可決して持って来られたら、自分自身の死刑執行書にも署名しなければならない。(オックスフォード卿)

 小国寡民、その食を甘しとし、その服を美しとし、その居に安んじ、その俗を楽しむ。(老子)

 丸山真男は、民主主義の根幹を成す思考方法として「他者感覚」という造語を用い、「相手の身になって考えること」、「相手の真意と、主張の依って来る所以を正しく理解すること」の大切さを説き続けて倦むところなかった。(中野雄)

 絵から「粗雑」という病気を取り除かなければならない。「稚拙」も「未熟」でもいい。「粗雑」とは心の病である。(小倉遊亀)

 悪魔パーピマンがいった、
「子のある者は子について喜び、また牛のある者は牛について喜ぶ。人間の執着するもとのものは喜びである。執着するもとのもののない人は、実に喜ぶことがない。」
 師は答えた。
「子のある者は子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。実に人間の憂いは執着するもとのものである。執着するもとのもののない人は、憂うることがない。」(『ブッダのことば スッタニパーダ』)

 われわれが批判すべき相手は、なにかをつくりだそうという欲望を資本の流れへとすべて回収し、還元しようとするあるおぞましい制度であり、その欲望そのものではない。(上野俊哉/毛利嘉孝)

 おい、オレの不安はどこへ行ったんだ。(オリバー・カーン)

 戦争は、人類の宿命ではない。(佐原真)

 風起すちからうせてもしふうちは またふさはしき鍋のした敷 (山上卓樹)

 絶望の中にも焼け付くような快感がある。(ドストエフスキー)

 民主主義の利点は、極めて非能率な側面を持つにもかかわらず「大きな失敗」を避けることができる点にある。それは、小さな失敗を絶えず補整していく仕組みに他ならない。(金子勝)
by sabasaba13 | 2010-07-26 06:24 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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