言葉の花綵35

 あの快い夜のなかへおとなしく入っていってはいけない。光の滅んでゆくのを激怒せよ。激怒せよ。(ディラン・トーマス)

 耐えろ、馴れろ、考えるな。(日本帝国海軍の説教)

 魂たちが私を待っている
 残る生涯をかけて彼らの話を聞こう
 私はこの島に残ろう
 島に残ろう (A・N・ソクーロフ)

 もし世界の終わりが明日だとしても
 私は今日林檎の種子をまくだろう (G・ゲオルギウ)

 医療と教育は、あらゆるものが実験である。(村上陽一郎)

 人は死んだら、残された者の心の中に行く。(中井英夫)

反対

 僕は少年の頃
 学校には反対だった。
 僕は、いままた
 働くことに反対だ。

 僕は第一、健康とか
 正義とかが大きらひなのだ。
 健康で正しいほど
 人間を無情にするものはない。

 むろん、やまと魂は反対だ。
 義理人情もへどが出る。
 いつの政府にも反対であり、
 文壇画壇にも尻を向けている。

 何しに生まれてきたと問はるれば、
 躊躇なく答えよう。反対しにと。
 僕は、東にいるときは、
 西にゆきたいと思ひ、

 きものは左前、靴は右左
 袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
 人のいやがるものこそ、僕の好物。
 とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。

 僕は信じる。反対こそ、人生で
 唯一つ立派なことだと。
 反対こそ、生きてることだ。
 反対こそ、じぶんをつかむことだ。(金子光晴)

 人は何かに向かっているときは生き生きとしている。しかし、向かうことをやめ、立ち止まると全てが形骸化してしまう。(山本義隆)

 うるせいやい。負けるもんかい、江戸っ子だい。役人も俺からは夢だけは奪えないぜ。(『歌麿・夢と知りせば』)
by sabasaba13 | 2010-09-05 08:04 | 言葉の花綵 | Comments(0)
<< 「博物誌」 ご当地電話ボックス >>