南東北錦秋編(6):立石寺(09.10)

 運転手さんに丁重にお礼を言って下車すると、さすがに観光の名所、参道は多くの善男善女で賑わっています。ゆるやかな石段をのぼって境内に入り、根本中堂の前を左折すると、芭蕉の像がありました。おお曾良さん、先日、壱岐であなたのお墓に詣でたばかりです。もう他人とは思えません。その前にあるのが秘宝館、あっそこのあなた、今ちょっと期待したでしょ。残念なが、もといっ、実は立石寺の文化財を展示するほんとの秘宝館でした。
c0051620_6234363.jpg

 そして山門で拝観料を支払って、いよいよ1015段の石段に挑戦です。昼なお薄暗い鬱蒼とした木立のなか、黙々と上りつづけると、あたりは修験道に関係するらしい石碑や石塔が林立しています。
c0051620_6241215.jpg

 そして「せみ塚」に到着。明和年間に最上林崎の俳人・坂部壷中が、芭蕉のあの名句を書いた短冊を埋め、石の塚を立て蝉塚と名付けたものです。仁王門のところまで来ると、だいぶ視界が開けてきました。
c0051620_6243655.jpg

 右手には魁偉な容貌の石山、解説によると「修業の岩場」というそうです。危険な岩場を通って釈迦の御許にいたる行場で、出世や欲望のために入山した修行者は、しばしば転落死したとのこと。岩肌のところどころに穿たれている数多の穴が、その修行の場なのでしょうか。ギリシア・メテオラの修道院を思い出しました。そして岩山を覆う紅葉の見事な色づき! 奇岩と錦のコントラストがまるで一幅の絵のようです。そしてさらに石段をのぼると眺望が開け、眼下に街並みや遠くの山なみが見晴らせます。切り立った岩山の上に立てられた開山堂と納経堂も、張りつめたような緊張感を漲らせています。
c0051620_625155.jpg

 その先にあるのがまるで舞台のような五大堂、噂に違わずここからの眺望は圧巻でした。左手には山寺の紅葉と寺容の一部、そして正面から右手にかけて家並みとほのかに色づく山なみのパノラマを堪能できました。
c0051620_6252638.jpg

 そして奥の院のあたりをぶらついて下山。山寺駅へ向かう途中にあったのが「対面石」という巨石です。慈覚大師円仁が山寺を開くにあたり、この地方を支配していた狩人の磐司(ばんじ)磐三郎とこの石の上で対面し、山岳仏教の霊場をつくるために動物を殺すことをやめてほしいと嘆願したそうです。その心に感動した磐三郎は狩猟をやめ、仏道に帰依し山寺開山の基礎づくりに協力したとのことです。ここから駅までは橋を渡って数分ほど、駅前には「山寺ホテル」という堂々とした和風建築がありましたが、どうやら廃業した様子です。
c0051620_6255254.jpg


 本日の五枚です。
c0051620_6261516.jpg

c0051620_6263653.jpg

c0051620_627056.jpg

c0051620_6272317.jpg

c0051620_6274529.jpg

by sabasaba13 | 2010-09-27 06:28 | 東北 | Comments(0)
<< 南東北錦秋編(7):山形(09... 南東北錦秋編(5):立石寺へ(... >>