そして十分弱で中尊寺に到着。泣く子も黙る天台宗東北大本山、850(嘉祥3)に慈覚大師円仁が開創、後に藤原清衡によって再興された古刹です。何と言っても当時の美術工芸の粋を集めた、金色堂で有名ですね。こちらは以前に何回か訪れているので、今回は紅葉に注目しました。おおさすがは観光名所、広大な駐車場には車やバスが満ち満ち、観光客でごった返しています。月見坂をせっせせっせとのぼると、木立が空を覆い隠し深山幽谷の趣です。
歩くこと十数分でまずは寺宝を展示する讃衡蔵(さんこうぞう)に到着、こちらで金色堂と共通の拝観券を購入して中を見物。さきほどポストの上に乗っていた金銅華鬘を見ることができました。おっ、宮沢賢治の「中尊寺」という詩碑があるぞ。
七重の舎利の小塔に
蓋なすや緑の燐光
大盗は銀のかたびら
おろがむとまづ膝だてば
赭のまなこただつぶらにて
もろの肱映えかがやけり
手觸れ得ね舎利の寳塔
大盗は禮して没ゆる
そして金色堂を見物、もちろん黄金にも圧倒されますが、蒔絵や螺鈿細工の精妙さにも目を瞠ります。さてさて肝心の紅葉ですが…いまひとつ。オレンジや黄色のものがほとんどで、顔が火照るような真っ赤なモミジにはなかなか出会えませんでした。金色堂の裏にある経蔵のあたりがまあまあ奇麗でした。中尊寺特設消防隊を物珍しげに眺め、さて下界へと戻ることにしましょう。
おっ途中で弁慶の
顔はめ看板を発見。駐車場のトイレに行くと、平安朝貴族を描いた
男女表示でした。
本日の五枚です。