養老渓谷編(5):(09.11)

 さて16:36発の列車は、時刻からいって相当混むだろうなあ、気が滅入るなあ、とここで名案が浮かびました。駅の時刻表を見ると、16:18発の上総中野行き列車があります。これに乗って次の駅が終点の上総中野。ここでいったん降りてすぐ折り返しの列車に乗れば座れることは必定。Good idea ! Good wisdom ! 我ながらせこいですけどね。よし気持ちが楽になった、それでは観光案内所でもらったパンフレットに掲載されていたレストラン、「麻生亭」に行って軽食か珈琲でもいただくことにしましょう。
 養老渓谷駅から歩くこと十分弱でそのお店に到着しましたが閉店でした。あれれ、今現在の時刻は15:40、午後四時までは開いているはずなのに… ショックと疲労のため、へたりこみたくなりましたが、店の前がオープンスペースになっておりテーブルと椅子がいくつか置いてあります。そこに座って紫煙をくゆらしながらこれからのことを考えていると、こちらもすでに閉店しているお隣の「窯焼きパン 酪」というパン屋さんの戸が開き、ご主人が出てきて曰く「何をしているんですか」。小生曰く「休ませてもらっています」。「ここは公園じゃないんだから」。うーん、ドアも塀もない店の前の空間で、話が違うことに愕然としてへたりこんでいる疲れた善良な(?)観光客に対して、なんと冷たくつれないお言葉。観光客なら何をしても許されるという傲岸不遜な考えは毛頭ありませんが、丸い卵も切りようで四角、もっと違う言い方もあるのでは。ま、いいや、許しましょう、忘れないけど。

 そそくさと立去り駅へと向かうと、長蛇の列ができています。みなさん名案を思いついたようで、上総中野行きの列車を待っているようです。やれやれ… 観光案内所で訊くと、他の交通手段はないとのこと。せめてこの時期だけでも増発していただけると助かるのですが。とりあえず上総中野まで行って、いすみ鉄道で帰るか、いやこれは相当な時間がかかりそうです、却下。駅前には喫茶店もなく、座る場所はすべて満杯。呆然として立ち竦んでいると、並んでいた方々がぞろぞろとホームに入っていきます。乾坤一擲、私もくっついていきましょう。人で満ち溢れるホームに列車が入線、わやわやと座席を求めてみなさんが乗り込みましたが、車輌が大きいためけっこう座ることができます。私も座ることができました、ラッキー。七分ほどで上総中野に到着、この列車がそのまま折り返して五井行きとなります。車内清掃もなく、座ったままでいることができました。そして16:38に出発、養老渓谷駅でたくさんのお客を乗せ、山手線状態と化した列車は、17:48に五井に着きました。幸い、18:04に東京行き快速列車がありましたので、ちょっと贅沢をしてグリーン車自由席に乗ることにしました。車内販売が来たので、地獄のように熱い珈琲を所望すると、持ってきてくれたのが缶コーヒー、やれやれ。不味いコーヒーを飲みながら面白い本を読んでいると、あっという間に馬喰町に到着。降りようとすると、ドアにところに「デッキにお立ちの場合でもグリーン券が必要です」というステッカー、やれやれ。
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by sabasaba13 | 2010-11-18 06:23 | 関東 | Comments(0)
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