武蔵野錦秋編(5):深大寺(09.12)

 そして「かえで園」のすぐ近くに深大寺へと抜けられる門があります。せっかくなので久しぶりに寄ってみましょう。天台宗別格本山にして、浅草・浅草寺に次ぐ都内第二の古刹、733(天平5年)に満功上人が開創したと伝えられます。なおお隣の神代植物公園はかつて深大寺の寺領だったそうです。名物「深大寺そば」の前を通り過ぎ、「長時間駐車はご遠慮下さい 世界動物友の会」という怪しげな貼り紙を横目に、境内に入るとたいへんな賑わいです。
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 おっ絵馬だ、ひさしぶりに絵馬ウォッチングと洒落込みますか。こちらの絵馬には中央に「角大師」が描かれております。比叡山中興の祖、元三(がんざん)大師良源(913-985)が、疫病が流行していた984(永観2)年、鏡の前で座禅をし自らの姿を骨ばかりの鬼に変え、その姿を写した絵をお札に刷って家々の戸口に張るように命じ、疫病を退散させたという伝説によるものです。私、この異形のお姿に心を惹かれます。なお「元三大師」という名は元月三日(1月3日)に入寂したため、また彼ははじめて「おみくじ」を考案したそうです。
 Here we go ! 「早く結婚できますように。腰が痛くならず健康でいられますように」 お大事にね、○子さん。「小学校合格できますように」 頑張ってね、でも私立小学校に入ると地元の友だちがいなくなるよ、○太郎くん。「しょうぼうしになりたいです」 その意気やよし、○○ゆき君。花火師・燈台守とともに、私が最も尊敬する職業です。
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 さてなにやらお堂の前に長蛇の列ができています。どりゃどりゃと近づくと、秘仏・元三大師座像が二十五年ぶりのご開帳だそうです。列の長さに怖れをなし、拝観はスキップ。
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 すぐ近くには高浜虚子の句碑と像がありました。「遠山に日の当りたる枯野かな」 この句は、深大寺となにか縁があるのでしょうか。
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 なお紅葉に関しては一本のみ、ものの見事に真っ赤になったモミジがお堂の前に屹立していました。色の鮮やかさでは本日一番です。境内の一角には「戦捷紀念碑(揮毫は山県有朋)」と「忠魂碑」がありました。
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 そして蕎麦屋が建ち並ぶ路をぶらつき、表参道に出ると「鬼太郎茶屋」がありました。なんでも市内在住の漫画家・水木しげるにちなんだお店だそうです。
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 そして店頭に鬼太郎と猫娘とねずみ男の顔はめ看板がありました。裏側を見ると、「ペット撮影禁止」「危ないよ! よりかかるとたおれちゃうよ!!」 やれやれこの穴にペットの頭をねじこんで撮影する御仁がいるわけですか。まあリビドーの捌け口はいろいろあるでしょうから、とやかく言いませんが。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2010-12-20 06:33 | 東京 | Comments(0)
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