小金井公園編(3):(05.4)

 さてさてたてもの園を出ると、眼前は桜、桜、桜、人、桜、人、人、桜、人。あたり一面を埋め尽くし咲き誇る桜は圧巻ですね。そしてその花の下を埋め尽くす人々の数も。この世のものとも思えぬ光景でした。いったい、根元には何万人ぐらいの死体が埋まっているのだろうと、梶井基次郎でなくとも思ってしまいます。そうそう、小金井公園のみなさんは上野公園の花見客よりもはるかに上品なような気がします。カラオケも、泥酔者も、一気飲みもなく、和気藹々と花見を楽しんおられました。印象的だったのが、おそらく会社の花見のために場所取りをしているのでしょう、体中に花びらを浴びながら一心不乱に読書をしていたスーツ姿の若い男性です。一幅の絵のようでしたね、うん。思わず写真におさめてしまいました。それにしても花見の席まで職場の人間関係とか上下関係を持ち込むのは無粋の極みだと思いますけれど。彼の胸中やいかに。
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 そぞろ歩きをしながら桜の園を西口へ抜け、玉川上水を渡り、徒歩で駅へと向かいました。武蔵小金井駅までは歩いて十数分。実はこのあたりは山ノ神の祖母が住んでいたところで、彼女が幼少の砌、よく遊びに来ていたとのことです。当時は武蔵野の俤を残す田園風景が広がっていたそうですが、あまりの激変ぶりに言葉を失っていました。思い出の地を失うのは悲しいことですね。スヌーピーが生まれた場所も駐車場にされてしまい、彼は「お前たちは僕の思い出の上に駐車しているんだ!」と叫んでいましたっけ。JRに乗って西荻窪に行き、「フランクフルト」で美味しいウィンナーとベーコンを購入し、「こけしや」(フランス料理)で昼食を堪能。両店とも山ノ神御用達のお店です。再びJRに乗り、中野駅で下車し、練馬行きのバスに乗って帰宅です。これも彼女のお勧めなのですが、駅から練馬へと続く中野通りの桜並木を車窓から眺めようという趣向です。なるほどこりゃすごい。満開の桜並木が延々と数キロも続いております、これは穴場。途中の新井薬師公園や哲学堂のあたりにもたくさんの桜があります。
 というわけで、身も心も桃色に染まった一日でした。来年の桜をまた見るために、生き長らえてやろうと決意を新たにします。来年はどこに行こうかな。
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by sabasaba13 | 2005-04-29 08:13 | 東京 | Comments(2)
Commented by mesato52 at 2014-07-22 18:57 x
懐かしいですね
学生時代前半を公園の向かい側の下宿で過ごしたもので
でも、当時は桜以外は何もなかったような
太宰入水地は三鷹駅から井の頭公園への中間ぐらいだったような。
Commented by sabasaba13 at 2014-07-27 19:42
 こんばんは、mesato52さん。江戸東京たてもの園はなかなかのものです。太宰の入水地は、こんど是非おとずれようと館がています。
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