クロアチア編(10):ポストイナ鍾乳洞へ(10.8)

 などととりとめもないことを考えていると、対向車線が渋滞してきました。かなり走っても、車の長蛇の列が途切れません。ヨーロッパはバカンスの真っ最中、ブレッド湖には多くの国から観光客が押し寄せてくるようです。大場政夫(古いなあ)なみの視力と動体視力があれば、ナンバー・プレートを瞬時に読み取って、どこの国からやってきたのかわかるのに。そしてバスは市街地を抜けて郊外へ。岩肌も露わな連山や、森や林、緑の畠や牧場、教会を中心に身を寄せ合うように家々が集まる集落が、車窓に現れては流れ去っていきます。畠で何がつくられているのか、いたく興味を引かれるところですが、視認できたのはとうもろこしだけでした。飼料か食用か、その両方なのでしょう。牛、羊、馬の姿はあまり見かけません。時々、切妻の屋根を乗せた木組みがありましたが、何に使うのでしょう。あそこで農作物を乾燥させるのかな、それにしてはあまり大きくはありません。
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 旅の楽しみの一つは、こうしてバスや列車の車窓から、訪れた地の自然や人々の暮らしぶりを眺めること、まったく飽きることがありません。後部の座席で、左へ右へと長めの良い方へ移動しながら写真を撮りまくっていましたが、ふと気づくとツァーのみなさんは皆うたた寝をしているようです。zzzzzzzzzzzzzzzzzz 異郷の地の美しい風景や、日本とは違う自然のありよう、異文化をもつ人々の暮らしを、己の眼で見つけ出すことを放棄すれば、旅の喜びは半減すると思うのですが。やはりパック旅行に慣れてしまうと、業者が用意し提供してくれる名所にしか興味・関心が向かなくなるのかもしれません。たくさんの点が散在するだけの旅。パック旅行に呑み込まれないよう、点と点を結ぶ努力をできる範囲ですることにしましょう。
 ブレッド湖から一時間十五分ほどでポストイナ鍾乳洞の駐車場に到着です。バスから降りると…ゴシゴシ…思わず目をこすってしまったのですが、ソ連の名戦車T34が野外展示されていました。田宮模型の1/35ミリタリーミニチュアシリーズの製作に幼き日々を捧げた小生、旧友に偶然再会したかのような思いでした。いちおうウィキペディアによって名戦車である所以を紹介しますと、当時としては強力な砲の装備、避弾経始により高い防御力を誇る傾斜装甲、被弾したときに炎上しにくい(とされる)、燃費の上でも有利な高性能アルミ合金製ディーゼルエンジンの使用、高速走行に適したクリスティー式サスペンションを用いた大型転輪、ソ連国内での戦闘に適していた、幅広で接地圧の低い履帯、設計が徹底的に簡略化された結果としての生産性の高さがあげられていました。高い生産性の結果として、世界最多の約65,000輌が生産され、ドイツとの戦いを勝利に導いた要因の一つにもなっていると思われます。なお展示されていたのはT34/85、85mm砲を搭載した後期型でした。それにしてもなぜT34がスロヴェニアで野外展示されているのか??? 冷戦時代に、ソ連がスロヴェニアに軍事介入したという話は聞いたことがないし…。案内板には"Park of Military History Pivka"と記されていたので、軍事歴史博物館の一部なのかもしれません。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2011-09-04 08:18 | 海外 | Comments(0)
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