クロアチア編(41):ドブロヴニク(10.8)

 ブジャ門から旧市街へと入りましたが、その前にあった建物にも生々しい弾痕がありました。
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 門を抜けると、プラツァ通りへと下りる急な石段が続きます。途中で左折して、プラツァ通りと並行する狭い路地を歩いてみることにしました。そそり立つ石の壁、古色をおびた石畳、路地いっぱいに並べられた椅子とテーブル、なかなか趣のある光景です。おっ、向かいの建物との間に張り渡したロープに洗濯物が干されていました。
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 どんつきを右に曲がると、山ノ神の歩が止まりました。画廊に飾ってあるドブロヴニクを描いた水彩画に惚れ込んだ模様です。高校時代の服をいまだに着ている(※筆者注:セーラー服ではありません)しぶちんの彼女ですが、本当に気に入ったものに出会うと、金に糸目をつけません。さっそく入店し、若い店主と英語で価格の交渉を始めました。だいたい五万円くらいで交渉が成立したようです。んが、一天にわかに掻き曇る彼女の表情、どうしたどうした。「お金が足りない…」 えっ? あっそうだ。連泊ということで、現金とクレジット・カードを部屋のセーフティ・ボックスに入れてしまったんだ。もちろん私も手持ちの現金はすこししかありません。二人合わせて二万円ぐらい、店主に事情を話して購入を断念。同じ絵の廉価な写真版を買って、すごすごと退出しました。
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 気を取り直して、遊覧船に乗ることにしましょう。ルジャ広場からオールド・ポートに出て、さきほど唾をつけておいたブースでチケットを買い、遊覧船に乗り込みました。約四十分で、ドブロヴニクとロクルム島を廻ってくるというクルーズです。この頃になると、雲一つない快晴となっています。日頃の善行と単なる偶然の成せる業でしょう。
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 そして出航、船は穏やかな紺碧のアドリア海を滑るように進んでいきます。まずは城壁に沿って、ドブロヴニクを半周、海上から見るとこの町が岩場の上につくられていることがよくわかります。城壁の威容も、海から見るとひときわ際立ちます。これだけ「町を守る」という断固たる意志を見せつけられたら、敵も攻め込むのを躊躇するだろうなあ。「獣は敵に会うとうなり声をあげおそろしいカオで吠える。なぜかわかるかい? ひき退がってくれれば戦いを避けられるからだ。本能はまず戦いを避ける」という吉岡清十郎の言葉を思い出しました。(『バガボンド』第3巻より 井上雄彦 講談社)
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 ロヴリィエナッツ要塞のあたりで船は航路を変え、ロクルム島へと向かいます。この島はかつてドブロヴニクの検疫所および隔離地域だったそうです。ペストが蔓延しているところから来た外国人は、その潜伏期間が過ぎるまでのおよそ四十日間、この島で上陸を待たされたとか。ちなみに英語で隔離・検疫はクワランティーンと言うそうですが、これはイタリア語の「四十日間」「クアランテーナ」からきた言葉だそうです。また世界的に有名なヌーディスト・ビーチもあるそうな。いやいや別にそれが見たくてこのクルーズを選んだわけではありません、滅相もない。島を半周ほどまわりましたが、お目当て、もといっ、たまたまコースの途中にあるというヌーディスト・ビーチは見えてきません。おかしいなあ。最後のあたりで、ビーチというよりは岩場の上に何人かの裸体らしき方々がおりました。ただ気を使っているのが、船は島からちょっと離れたところを航行しているので、眼の悪い小生にはあまり詳細に視認することができませんでした。抜群の視力を誇る山ノ神曰く、ヌーディストのほとんどが中年男性で、若い女性は二人しかいなかったそうです。
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 本日の六枚です。
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by sabasaba13 | 2011-10-21 15:30 | 海外 | Comments(0)
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