橋を渡ると、チャルシャ(旧市街)、軒の低いトルコ風の町並みが続きます。このあたりから眺める橋と川と街並みはなかなかの絶景です。
おっ店先でまどろむ
猫を発見、その人智を超えた愛くるしさに♪私のハートはストップモーション♪。(たぶん)彼ら/彼女らは「三毛猫だけが居住する地域をつくるためにとら猫を追放し殺戮しよう」などといった愚行は犯さないでしょうね。そして昼食をとるレストランへ到着です。ケバブ風の肉料理ですが、これはほどよいスパイスがきいたジューシーな逸品。結論を言ってしまえば、今回の旅行でもっとも美味なる一皿でした。デザートのパイ風お菓子も、さくさくとした食感と鮮烈な甘さが印象的。トルコ料理ってなかなかいけますね。
さてそれでは、のんびり歩きながら、集合場所のバスまで戻りましょう。途中で"DON'T FORGET"と記された石を発見。あの惨劇を胸に刻み二度とくりかえすまいとする、市民の思いを代弁しているのかもしれません。道の脇に何気なく置かれている鉄兜も気になります。
土産屋では薬莢を利用してつくったボールペンを売っていたので購入しました。金属細工を得意とするトルコ文化の影響かと思われますが、転んでもただではおきないしたたかさを感じます。
またチトーの胸像やマグネットをよく売っているのにも気づきました。クロアチアやスロヴェニアではあまり見かけなかった光景です。内戦が凄惨なものであっただけに、他民族が平和共存できていたチトー時代への郷愁があるのかもしれません。このあたりで
フェイス・ハンティングを一発。
駐車場の近くには、最近できたらしいコンクリート製のモダンなカトリック教会と天を刺すような巨大な鐘楼がありました。添乗員さんから目印になると言われたのですが、そのあまりの大きさに違和感を覚えました。
実は帰国後に『「民族浄化」を裁く -旧ユーゴ戦犯法廷の現場から』(多谷千香子 岩波新書973)を読み、その謎が解けました。以下、引用します。
カトリック教徒(クロアチア人)が約千人しかいなくなったコト・ヴァロス市では、以前に増して巨大なカトリック教会が再建されるなど、他民族に対して威圧的・挑発的ですらある。世界のイスラム諸国やカトリック教会によって集められた金の多くは、従前より大きなモスクやカトリック教会の建設に回される一方、デイトン合意からそろそろ一〇年が経とうとするのに、ボスニアの多くの地域では、いまだに破壊された民家がそのままに放置されているのが現状である。(p.192)
うーむ、なるほど。破壊された民家より、巨大な教会やモスクの再建を優先しているのか。民族間の和解にはもうすこし時間がかかりそうですね。なお教会の近くで物乞いをしている若者を見かけましたが、結局今回の旅行で出会った物乞いは彼だけでした。
アテネではいたるところで見かけたのですが。
本日の五枚です。