クロアチア編(50):プリトヴィッツェ国立公園(10.8)

 朝目覚めてカーテンをあけると、おお快晴です。本日はこのホテルに連泊、9:00にロビー集合と、時間に余裕があるので朝食前に散歩をすることにしました。森の中の小道をすこし歩くと、エコロジー・バスだけが走行可能な車道に出ます。そして地図をたよりにゆるやかな下り坂を歩いていくと、目の前にきれいな湖が見えてきました。ここがプリトヴィッツェ国立公園で最も大きいコジャク湖です。朝日をあびて輝く山々や緑を、鏡のような湖面が美しく映しています。船着き場がありますが、ここがたぶんP(pier?)1で、対岸のP2とボートでつながれているようです。
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 湖に沿った遊歩道があるので、すこし歩いてみることにしましょう。それにしても何と透明で美しい水なのでしょう。湖底や泳ぎ回る魚が手に取るように見えます。地下水脈から湧き出た泉が石灰岩層を通り浄化されるので、おそろしいまでに澄んだ水となるそうです。水中の倒木に白い石のようなものが付着していますが、これは石灰華と言うそうです。
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 石灰岩質を流れる湖に含まれる炭酸カルシウムが固まったもので、これも水を浄化する働きをするそうです。なおこの石灰華が長い時間をかけて堆積して堰を築き、この堰が水の流れをせきとめ、行き場をなくした水が別の場所から溢れだす。ブナやモミの自然林に囲まれた渓谷に、大小十六の湖、九十二の滝が点在する素晴らしい景観はこうした自然の悠久の営みによってつくられたものなのですね。中国の九寨溝と並び賞される、プリトヴィッツェ国立公園、ほんとうに楽しみです。人っ子ひとりいない遊歩道を、凄絶なまでに美しい湖水や、それが映し出す山並みや木々の緑を眺めながら時を忘れて散策。木の幹のいたずら書きを彫った不届き者がいるのには残念ですね。木の痛みがわからないのかしらん。
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 おっ気がつけばそろそろ八時だ、朝食をとりにホテルへ戻りましょう。さきほどの車道に出ると、二台の客車を牽引したベンツ社製エコロジー・バスが疾走していきました。ん? ほのかにガソリンの匂いがするぞ。てっきり電気自動車かと思っていたのですが、どこがエコロジーなのでしょうね。ま、電気だって、それを発電する際に自然に与える負荷を考えると決してエコロジーとは言えないのですけれどね。巷に氾濫する"エコ"という謳い文句にはくれぐれも騙されないようにしましょう。不必要な物は買わず、徒歩か自転車で移動すればいいだけのことです。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2011-11-02 06:18 | 海外 | Comments(0)
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