京都観桜編(8):革島医院(11.4)

 朝、目覚めてカーテンをあけると空は薄曇り、でも雨の心配はなさそうです。本日の予定は桜に加えて、近代化遺産と重森三玲のお庭めぐりです。それでは朝食もとらずに、地図を頼りに自転車でGO。京都散策の楽しみの一つは、人知れず佇む小粋な建物を発見することですね。さっそくリズミカルに踊るアーチ窓が魅力的な「京友仙 石田愛商店」を発見。久保田美簾堂は典型的な町屋建築ですが、簾が生業として成立していることに驚愕。
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 そして「文化遺産オンライン」で唾をつけておいた京都芸術センター(旧明倫小学校)に到着。竣工は1931(昭和5)年で、ベランダのついたスパニッシュ風の校舎と、セセッション風の門柱のアンバランスさが魅力的です。前にある明倫幼稚園も、見逃せない物件ですね。
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 玄関を飾る四本の巨大な柱と丸窓が印象的な旧生祥(せいしょう)小学校も町のランドマークです。こうした物件を安易に破壊しない自治体の姿勢は評価したいですね。窓の意匠が洒落た「金翠堂」を経て、革島医院へ。
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 いやはや古い病院をいろいろと見てきましたがこちらは間違いなく五本指に入れたい物件です。ハーフチンバー造りに円筒形の塔屋、一面にからまる蔦、もう口をあんぐりとして見惚れてしまう建物でした。その前には「八文字屋自笑翁邸跡」という碑がありましたが、江戸時代の本屋として有名な八文字屋がここにあったのですね。
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 そして河原町通へ、「上島珈琲店」があったのでモーニングセットをいただくことにしました。ベーコンエッグにトースト、そして香り高い珈琲を胃袋におさめ、地図をひろげてこれからのコースを確認。なおこちらのお店は、店内にモダンジャズが流れ、「サキソフォン・コロッサス」など古いレコードのジャケットが飾られた心落ち着ける雰囲気です。
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 そして高瀬川沿いに屹立する旧立誠小学校へ。"コ"の字型の重厚なファサードが印象的ですね。入口脇には、高瀬川を開削した「角倉了以顕彰碑」がありました。なお高瀬川の桜並木は五分咲き、惜しいなあ。
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 スパニッシュ風の意匠が冴える「東華菜館」、四条大橋交差点にある放物線型の尖塔に目を引かれる某ビル、出雲の阿国像を撮影して、三条へ。ここにあるのが旧京都市立有済小学校太鼓望楼、授業の開始・終了や火事を知らせる太鼓楼が屋上に保存されています。日本で唯一残る貴重な文化財だそうですが、至近距離で見られないのが残念。
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 そしてふたたび鴨川を渡り、御池通を西へ行くと、重厚な京都市役所が見えてきました。烏丸通へと右折すると、京都国際マンガミュージアム旧本館棟(旧京都市立龍池小学校本館)があります。縦長の連続する窓がスタイリッシュですね。
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 本日の二枚、京都芸術センター(旧明倫小学校)と革島医院です。
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by sabasaba13 | 2012-09-12 06:17 | 京都 | Comments(0)
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