「のだめカンタービレ」

 「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子 講談社)が面白いですね。初めて本屋の店頭で見た時、楽器を弾く美少女の表紙から「のためのカンタービレ」というタイトルだと勝手に思い込んでしまいました。何だ、惚れた腫れたのクラシック+恋愛マンガかとたかをくくっていたのですが、ある日、「のだめ」とは主人公の名前、野田恵を略したものだと発見。普通、ヒロインのニックネームに「のだめ」などとつけませんよね。これは何かありそうと早速購入。現在も愛読しています。指揮者をめざす千秋真一と、ピアニストだか保育園の先生だか千秋の嫁さんだか何をめざしているのかよくわからない野田恵を主人公とするマンガです。とにかくアクの強い個性的な登場人物が目白押し。派手好き目立ちたがりの峰竜太郎、古武士のような黒木康則、千秋に恋する山形出身で凝り性な奥山真澄、女癖の悪い菊池亨、そしてほとんど性格が破綻している世界的名指揮者フランツ・フォン・シュトレーゼマン(偽名ミルヒ・ホルスタイン)… もうバルザックの世界ですね。真面目さと不真面目さの絶妙なバランスが、お見事です。
 そして作者の描写力の確かさには感服します。マンガで楽器を描くのは、非常に難しいと思います。これまでバイオリンやトランペットの曲線をまともに描いたマンガにはお目にかかったことはないのですが、氏はそれを楽々とリアルに表現してしまいます。これは凄いことです。
 音楽マンガの傑作といえば、「わずか1小節のラララ」「いつもポケットにショパン」(くらもちふさこ)、「Blow up !」(細野不二彦)、「Go ahead !」(江口寿史)などが思い出されますが、その殿堂に加えましょう。
 疑問が一つ。千秋真一のパリでのデビュー・コンサートで、なぜシベリウスの交響曲第二番を選んだのか。次巻で明らかにされるかな。私は、二番よりも五番と六番の方が好きなのですが。
by sabasaba13 | 2005-05-21 21:15 | | Comments(0)
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