言葉の花綵77

 自殺という考えは大いなる慰めである。そのおかげで人は不安な夜を何度となく乗り越えることができるのだ。(ニーチェ)

 権力者の迫害や尊大な者の傲慢無礼、報われぬ恋の苦しみ、裁判の遅れ、威張りちらす役人、優れた人物が耐え忍ぶくずどもの蔑み、短剣でひと突き、我と我が手ですべてが清算できるとういのに。(『ハムレット』 シェークスピア)

 この人生で、死ぬというのはかくべつ目新しいことではない。しかし生き続けることにも新しさは何もないのだ。(イェセーニン)

 絶望とは死に至る病である。(キルケゴール)

 ジャズは、白人たちに対する黒人のすばらしい文化的報復である。(パデレフスキ)

 同じ音符を弾いても一晩ごとに違うのはジャズだけだ。(オーネット・コールマン)

 イギリス人はたった一人でも正しく列を作る。(ジョージ・マイクス)

 イギリスの天候は世界で最も強力な植民地政策の推進力である。(ラッセル・グリーン)

 たくさんの引用を用意しておくと、自分でものを考えないで済むの。(ドロシー・セイヤーズ)

 引用とは、貧民が皇帝の紫衣に身を包むようなものである。(キップリング)

何もしない筋肉が衰えるように何も考えない脳味噌もまた腐っていく。(『夜を賭けて』 梁石日)

 ひとは死ぬまで生きることを強いられるが、人間にとって自然死などありはしない。(『夜を賭けて』 梁石日)

 天から役目なしに降ろされたものは一つもない。(『静かな大地』 池澤夏樹)

 軍の権力機構が強大にならざるをえない状況はつくらないことです。軍の権力機構があまりにも強大になると、いかなるかたちの政府のもとでも自由を脅かし、とくに共和国の自由と対立すると考えられます。(ジョージ・ワシントン)

 君主よ 人びとの「生」を
 ただ汝だけに捧げよと 強制したいならするがよい
 汝の傲慢をわたしたちは赦す。
 だが汝が 人びとの「魂」の
 思考と感性まで縛ろうと望むならば 必ずや
 復讐の叫びが 神の玉座に届くほど 高々と上げられることだろう (ゲーテ 「わが友の兄弟の死についての悲歌」)

 ソクラテスは途方に暮れることを愛したひとであった。(ハンナ・アーレント)
by sabasaba13 | 2012-09-20 06:13 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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