軽井沢編(5):旧北軽井沢駅(11.7)

 閑話休題。そしてバスは塩壺温泉、千ヶ滝温泉、峠の茶屋を通り過ぎて一路北へと走ります。そして45分ほどで北軽井沢に到着。こちらでは草軽鉄道旧北軽井沢駅舎を見学です。草軽鉄道とは、新軽井沢~草津を結んだ軽便鉄道で、1926(大正15)年に全長55.5kmの全線が開通しました。オモチャのようなミニ列車の平均時速は20kmほどで両駅を約3時間半で結び、女性が途中で飛び降り、花を摘み、また乗ることができたという、のどかなエピソードも残されているそうです。しかしモータリゼーションの波には勝てず、1962(昭和37)年に廃線とあいなりました。合掌。余談その一。日本初のオールカラー作品『カルメン故郷に帰る』(監督/木下恵介・主演/高峰秀子)はこの北軽井沢駅や浅間牧場を中心に撮影されています。余談その二。軽井沢と草津に開発においては、箱根山戦争・伊豆戦争と同様、"強盗(五島)"慶太率いる東急グループと"ピストル"堤康次郎率いる西武グループの熾烈な争いがくりひろげられたそうです。なるほど、だから今でも西武バスと草軽交通バス(東急系列)が走っているのか。
 そして唯一残されている草軽鉄道の駅舎がここ北軽井沢駅です。駅の隣には旧草軽電鉄の電気機関車「デキ十二形」の実物大木製模型が置かれています。パンタグラフが高く、カブトムシが角を突きだしているように見えることから、「カブトムシ」の愛称で、当時の利用者や鉄道ファンにも広く親しまれた電気機関車だそうです。駅舎はまるでお寺さんのような造り。なんでも、ここに広大な土地を持っていた法政大学学長・松室致が学者・文化人などへ別荘として分譲して「法政大学村」を造成した際に、この駅舎を建てて草軽鉄道に寄付したとのことです(1927)。だから欄間に連続した「H」の彫り物があるのですね。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2012-11-07 06:16 | 中部 | Comments(0)
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