山形編(28):銀山温泉(11.8)

 それでは能登屋旅館の先にある散策路へと向かいましょう。「はいからさん通り」というお店でカリーパンをいただいて腹ごしらえ。
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 その奥には落差22mの白銀の滝が、二条の美しい流れを滝壺に落としています。
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 坂道を登ると「こうもり穴」がありましたが、洞窟を利用した祠に蝙蝠が住み着いているのでしょう。清新な空気を胸一杯に吸い、滴るような緑を愛でながら、川沿いの遊歩道をすこし歩くと、岩盤を走る籟音(らいおん)の滝とご対面。
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 洗心峡という綺麗な清流に沿って行き、昭和初期につくられたレトロな石橋・河鹿橋を渡ると左手に斎藤茂吉の歌碑があります。"蝉のこゑひびかふころに文殊谷 吾もわたりて古へおもほゆ" 彼は戦時中に能登屋旅館に滞在していたことがあるそうです。銀山坑の一つである「夏しらず坑」に入ると、岩盤の隙間から冷気がふきだしておりまるで天然のクーラー。
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 その先にある「おもかげ園」は広場と休憩所になっていますが、下草刈りか何かの作業をしておられた地元の方々数人が東屋でスイカを食べながら休憩されています。微かに響く"じゅるるるる"という垂涎の音、これ、はしたない。するとわれわれを手招きし、「スイカを食べていかないかね」と勧めてくれました。感謝感激雨霰、ご好意に甘えてさっそく尾花沢スイカにかぶりつきました。美味しい! 迸る果汁に舌鼓を打ち、あっという間にたいらげてしまいました。
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 金山でも、地元の方に岩魚・チューハイ・漬物で饗応された記憶がよみがえってきます。現金な話ですが、こうしたもてなしを受けるとその地への好感度の針が三目盛くらい上がりますね。山形、大好き! 皮はどうしましょうかと訊ねると、「これでいいよ」と谷底へと投げ捨てました。熊がやってこないかなという一抹の不安とともに投げ捨て、丁重にお礼を言ってお別れ。"涙もろい人情のみがこの世に平和を齎らすのである"という柳宗悦の言葉が胸をよぎりました。そして延沢銀山の廃坑洞へ、数十メートルほどが無料で公開されており、照明設備や歩道橋も整えられ安全に見学をすることができます。このあたりは岩盤が固いので、薪木や木炭を燃やして表面を加熱し水で急冷して剥ぎ取るように鉱石だけを採掘する"焼き掘り"が行われたそうですが、その黒々とした跡を確認することができます。銀鉱の発見者・儀賀市郎左衛門の像は、何者の仕業でしょう、無惨にも顔面が破壊されていました。
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 さて分岐です、左に折れれば出発点に戻るはずですが、右に行くと温泉街に並行する遊歩道があり、白銀橋のあたりで下りられるようです。こちらに行けば、風情ある温泉街を上から眺められるビュー・ポイントがあるかもしれないと色気を出したのが運のつき、惨劇の原因でした。てくてくと歩いていきましたが樹木が生い茂り視界が悪く、街並みはほとんど見えません。
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 やれやれ、もう少し先にある山の神神社にお参りをして温泉街に下りようかと考えていると、数匹の蜜蜂がまとわりついてきます。手で追い払っていると、すぐに数が増え、大群となって襲いかかってきました。これはまずい、と速足で脱出しようとすると…ブチ…右太腿をジーンズの上から蜂に刺されてしまいました。視線を落とすと黄色ではないのでスズメバチという最悪の事態は避けられたようですが、それでもけっこう大きい、たぶんアシナガバチでしょう。鈍痛が走る脚に鞭打って、山ノ神とともに駆け足、ようやく温泉街へと着くことができました。やれやれ、旅館の帳場で事情を話すと、「今、蜂の巣づくりの季節ですから」と塗り薬をくれました。部屋に戻ってジーンズを脱ぐと、腫れがかなりひろがっています。いたしかたない、しばらく様子をみて痛みがひどくなったら医者に行くしかないですね。

 本日の六枚です。
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by sabasaba13 | 2012-12-30 08:11 | 東北 | Comments(0)
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