山形編(41):松ヶ岡開墾場(11.8)

 さてそれではタクシーへと戻りましょう。次なる目的地は松ヶ岡開墾場、二十分ほどで到着しました。おおこれはすごい、木造三階建ての大蚕室が威風堂々と五棟並んでいます。明治維新後、庄内藩は新政府軍と敵対したことで17万石から12万石と石高を減らされ困窮状態にあったため、藩士3000人がここ松ヶ岡で開墾事業・養蚕事業などを遂行したそうです。現在では記念館や食事処、用具収蔵庫、庄内映画村資料館などに再利用され観光地としても整備されています。
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 それでは鶴岡駅へと戻ってもらいましょう。途中に柿の木が植えてありましたが、これが有名な庄内柿ですね。駅には午前十一時すこし前に到着、ほぼ二時間でおさまりました。運転手さんにお礼を言い、羽越本線酒田行きの列車に乗り込みました。
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 三十分ちょっとで酒田駅に着きましたが、ホームでは大きな獅子がお出迎え。酒田まつりに登場する大獅子だそうです。そして駅構内にある観光案内所で資料を物色、おっ、復元された北前船「みちのく丸」がちょうど酒田港に寄港しているではありませんか。これは見にいかねば。なにはなくとも江戸紫…じゃない貸自転車。さっそく借りようと係の方にお願いしましたが、もう出払っているとのこと。あじゃぱあ。トニー・ウィリアムズのドラミングのようにびしびしと自転車でまわるつもりでしたが、シュリーフェン計画のようにその企図はあっけなく崩壊。なんとかならぬかと懇願すると、あと何カ所か貸出場所があるのでそちらなら自転車があるかもしれないとのこと。よろしいそちらに歩いて行ってみましょう。
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 駅前にあったマンホールの蓋には、灯台と北前船が描かれていましたが、これは日和山公園にある日本最古級の木造灯台ですね、勿論後ほど行くつもりです。路地の先には、昔ながらの町屋を利用した「酒田あいおい工藤美術館」という私設美術館が見えました。
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 ある自動販売機には「キャー100円」というポップな貼り紙。海晏寺は曹洞宗の古刹で、近年大改築された三重塔が屹立しています。
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 駅から二十分ほど歩くとデパート「清水屋」に着きましたが、ああよかった貸自転車が並べてありました。デパート内にある事務所に行くためエレベーターに乗りましたが、実はここが鳥海山ビューポイント。しかし厚い雲に隠れて秀麗な山容を見ることはできません。自称・他称"晴れ男"の看板を下ろさねばなりませんね。事務所で自転車の貸し出しをお願いすると、なんと無料! これは嬉しいですね、やるでねが、酒田。鍵を受け取って一階に下り、自転車にまたがってHere we go. まずは、超弩級に美味しいワンタンが食べられるという「満月」に行って飢えを満たし、その勢いでちょいと離れたところにある土門拳記念館へと向かうことにしました。異形の屋根を戴いたお宅や風雪に敗れた「クドウ時計店」を写真におさめ、中の口橋を渡ります。
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 ここも鳥海山のビューポイントなのですが、依然そのお姿は見えません。そして「満月」に到着…すごい行列だ… バルバロッサ作戦のように、私の戦略は脆くも崩壊。潔く撤退し、土門拳記念館へと向かいましょう。最上川にかかる出羽大橋のたもとには「地震があったら津波に注意」という看板がありましたが、東日本大震災の影響なのでしょう。橋の中央で、悠久の大河を撮影。そして左折してしばらく走ると記念館に到着です。「清水屋」からここまで三十分弱かかりました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2013-01-16 06:18 | 東北 | Comments(0)
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