九州編(16):延岡(11.9)

 そして10:30発のバスに乗って延岡へ。延岡バスセンター到着は11:49、こちらで昼食をいただいて飫肥に向かうことにしましょう。とはいうものの、駅前は閑散としており、美味しいものが食べられるような雰囲気ではありません。いや、あきらめたらそこで試合終了です。途中にあった「日本一弘法大師像」という案内板には、「日本で何番目」フリークとしてはちょっとそそられましたが、時間の関係で訪問は断念。ん、はたはたと風に翻る幟に「チキン南蛮は延岡生まれ」と記されていました。
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 へえー、てっきし宮崎生まれかと思っていましたが、違うんだ。ご当地B級グルメマニアとして外せません、さっそく「直ちゃん」に入店、元祖チキン南蛮を所望しました。ご来臨を待つ間に、店においてあったガイドブックを見ていると…宮崎に行く途中にある美々津の古い街並みが目に飛び込んできました。時刻表を紐解くと、五十分ほど滞在できそう。というわけで急遽予定を変更して美々津に立ち寄ることにしました。そして神々しく輝くチキン南蛮のご来臨です。揚げた鳥肉を南蛮酢につけたものですが、元祖はタルタルソースをかけてありません。袋入りの辛子がうず高く積まれていたので、きっとこれをつけるのでしょう。
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 いっただっきまーす。…んまいっ! 肉汁迸る鳥肉を甘酸っぱい南蛮酢が引き締め、辛子がピリリとアクセントを加えています。なんて能書きは今思いついたもの、食べている最中はトランス状態、気がついたら離脱した霊魂が恍惚とした面持ちで呆然としている己の肉体を見詰めていました。いかんいかん、合体。お代を支払って延岡駅へと行き、日豊本線12:33発宮崎空港行き普通列車に乗り込みました。美々津には13:15に到着、次の列車が到着する14:07まで散策することにしましょう。
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 なおガイドブックによると、町並保存地区まで駅から約2㎞、駅前にタクシーが客待ちをしていてくれれば助かるなあ、と何の根拠もない期待をしていたら…一台だけ待っていていました。神様、仏様、稲尾様、おまけで山ノ神様、ありがとう。なお駅前に観光案内地図があったので、念の為確認すると、「西南の役」と記されていました。駅から近そうだし、当該の地に寄ってもらうことにしましょう。さっそくタクシーに乗り込んで走ること数分、耳川沿いの道で下車して対岸を見やると、鬱蒼とした木々に埋もれるように「西南の…」という看板がありました。
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 しかしそこまで行くにはかなりの困難が予想されますので、探訪は断念、ズームで写真を撮るだけにしましょう。ちなみに、今、インターネットで調べたところ、1877(明治10)年の西南戦争において、7月30日、薩摩軍宮崎本営は官軍の総攻撃に会い、宮崎を捨てて美々津方面に退却しました。各隊とも死傷者も多く、耳川に達したときは50名を越える部隊は無く、隊伍を整えるものすらほとんど無かったそうです。ここ耳川の戦いでも、多勢に無勢、遂には敗走。長井に集結し、8月18日早朝可愛岳を突破、鹿児島に向かいました。(美々津郷土史要約) なおここからの眺めはなかなかの絶景、大きく蛇行する耳川とそこにかかるスタイリッシュな鉄橋、緑なす山々が素晴らしい景観をかたちづくっています。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2013-02-11 07:06 | 九州 | Comments(0)
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