「日本全国路面電車の旅」

 「日本全国路面電車の旅」(小川裕夫編著 平凡社新書275)読了。旅をする時に必ず立ち寄り関わるものがいくつかあります。灯台、史跡、近代化遺産、古い学校や建物、牛肉、棚田、鯖、トマソン(赤瀬川原平氏の定義で「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」 興味のある方はホーム・ページ「お散歩 Photo Album」をご覧ください)、変な張り紙などなど。この本を読んで、これからは路面電車が加わりそうです。鉄道事業法で運行すると線路を道路に敷設できず、軌道法で運行すると線路を道路にしか敷設できない、という区別があるそうです。実際には例外措置などもあり、厳密には路面電車の定義は難しい。ま、「道路を走る電車」とおおざっぱに考えましょう。車窓からゆっくりと街を眺められ、乗り降りが便利で、地元の人々の暮らしの様子が感じられ、運転士を間近に見られるのが魅力です。古い車体だとなお結構、木やニスやシートの匂いに幼き日々を思い出します。この本で知ったのですが、LRV(Light Rail Vehicle)、軽快な電車を走らせて街全体を歩行者優先の環境にしようという考え方が一部の自治体に浸透しつつあり、路面電車の保存・復活・延長・新設の動きがはじまっています。また自動車社会により荒廃した中心市街地の活性化も意図しています。ブラーバ!
 というわけで、札幌、函館、都電、江ノ電、高岡、豊橋、岡山、広島、松山、高知、長崎、熊本、鹿児島の路面電車が紹介されています。路面電車を使った観光ガイドではなく、その保存と整備に尽力した方々の証言や運動を紹介した本です。「どうすれば、自分の街がみんなにとって暮らしやすくなるのか」という熱い思いに共感。路面電車というのは、走る公共性なのですね。「古い車両は自分の意思で操作できるし、快適な運転ができる」というベテラン運転士の話が心に残ります。機械に操作されるのではなく、機械を操作する。もう一度取り戻すべき、真っ当な人間のあり方だと思います。JR西日本幹部の方々、耳を傾けてください。
 路線図と名所・旧跡等を組み合わせた地図や、素敵な街並みの中を走る路面電車のカラー写真があればいいなと思いましたが、これは贅沢な望みでしょう。自分で作り写すことにします。
 路面電車の走る街に行きたくなりました。これからは意識的に旅程に組み込むことにします。私が過去に撮影した路面電車を、おまけとしてのせました。チンチン
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 ①アムステルダム ②ウィーン ③ポルト ④リスボン ⑤岡山 ⑥広島 ⑦松山 ⑧東京
by sabasaba13 | 2005-06-23 06:14 | | Comments(0)
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