言葉の花綵98

 軍人というものは、人殺しが専門なのです。人を殺すのは、異常な心理状態でなければできないことです。一種の気ちがいです。(甘粕正彦)

 樹をみろ。いかに大きな幹であっても、枝葉がそれを支えている。その枝葉を忘れて幹を論じてはいけない。その枝葉のなかに大切なものがある。学問や研究はあくまで民衆や庶民の生活を土台に築き上げるものだ。(宮本常一)

 学校の勉強の方は中位にして金がゆるせば映画も劇もみるのがいいし、美術や文学にしたしむのもいい。ゆたかな情操と、こせつかない人になることが何より大切だ。君を田舎で育てたのも、健康でのんびり成長させたかったからだ。
 そしてオヤジのエラさなどの幻影におびえないことだ。ボクは人々からヤンヤといわれるよりは三人の子がすなおに育って、それを一人前にする力があって、おばあちゃんが幸福な晩年をすごして、おかアちゃんといつまでも恋人同士のように愛しあって、君たちのまえでも平気でキスしたり抱きあったりしてもおかしくないようなあたたかい自然さの中にありたいと思っている。
 故に息子よ、安心して而して努力せよ、前進せよ。(宮本常一)

 記憶に残ったものだけが記録にとどめられる。(宮本常一)

 みんなで力をあわせて、多少はマシな日本をつくろうじゃありませんか。(宮本常一)

 はァ、おもしろいこともかなしいこともえっとありましたわい。しかし能も何にもない人間じゃけに、おもしろいということも漁のおもしろみぐらいのもの、かなしみというても、家内に不幸のあったとき位で、まァばァさんと五十年も一緒にくらせたのは何よりのしあわせでございした。
 だいぶはなしましたのう。一ぷくしましょうかい。(梶田富五郎)

 やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす。(梶田富五郎)

 父でなければ尊敬できる人でした。(宮本恵子)

 銀行屋というものは、小学校の先生みたいなものです。いい仕事をしてだんだん成長した姿をみて、うれしく思うというのが、本当の銀行屋だと思いますね。えらくなるのは生徒です。先生じゃない。(渋沢敬三)

 おんがくとおしゃれとしゃしんはぶんかです。(高木東六)

 "真実"は見つけ出そうとするな。作り出せ。(『宇宙兄弟』)

 ええ経験でしたやろ。…グッと話しの幅が広うなりましたな。(『日本三文オペラ』 開高建)

 新聞に書いてあることでギリギリ信用できるのは将棋の図面と日附だけやちゅうゾ。(『日本三文オペラ』 開高建)
by sabasaba13 | 2014-02-01 08:36 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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