イタリア編(79):トファーナ山(12.8)

 さあそれではフェデーラ湖へと戻りましょう。アンブリッツォラ鞍部を越えて、さきほどの道をのんびりとおりていきます。途中であった家族連れとマヌエラさんが挨拶を交わし、しばし会話に花を咲かせました。山ノ神が幼い娘さんに「キティ」のポケット・ティッシュをあげたら大喜び。
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 そしてクローダ・ダ・ラーゴ小屋に到着。車が来るまで、小屋のテラスで待つことにしました。マヌエラさんによると、ここのチーズ・ケーキが美味だというので、さっそく彼女の分も含めて注文。濃厚な味の手作りチーズ・ケーキを楽しみました。時刻は午前11時半、さっきは誰もいなかった湖周辺にはたくさんのハイカーが押し寄せています。やはり早起きは三文の得ですね。気温もだいぶ上がり、水飲み場では丸太の流し場に犬がおさまり、水浴びの真っ最中。
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 そしてランドクルーザーがやってきました。ボノ、ビル・クリントン、ビョルン・ボルグときたので、今度はチェット・ベイカーかはたまたジェリー・マリガンか。ああっ、ボノだ! ファローリア山でお世話になったルカさんだあ。思わず駆け寄るわれわれ、山ノ神を抱擁し私と握手をかわすルカさん、三人で再会を祝しました。これもセレンディピィティ(serendipity)の為せる業かもしれません。驚き顔でいたマヌエラさんも事情を聞いて納得の様子。さっそく車に乗せてもらうと、ルカさんは抜群のドライビング・テクニックで山を駆け下りていきます。チンクエ・トッリやトレ・チーメの思い出話に花を咲かす山ノ神とルカさん、ふん、悔しくなんか…あるぞ。努力しないで英語が喋れるようになる方法なんて…ないですよね。途中で、クローダ・ダ・ラーゴに歩いて向かう何人ものハイカーとすれちがいました。中には私たちの車を止めて、「車をつかまえたいのだがどうすればいい?」と訊ねる御仁も。「もう予約でいっぱい」と断るルカさん。やはりツァーを利用して正解でした。往路で送ってくれたマッシーモさんともすれ違い、ルカさんと何やら打ち合わせ。どうやらピストン輸送のようですね。
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 そしてコルティナの町に到着、お願いしてロープウェイ乗り場まで送ってもらいました。マヌエラさんとルカさんに丁重にお礼を言ってお別れしました。Arrivederci ! 現在の時刻は12:40、バスの発車時刻は15:15なので余裕の吉田松陰で間に合うでしょう。ところが好事魔多し、機械のトラブルのため出発が十分以上遅れました。
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 やっと二本目のロープウェイ駅に着いたところ、またもや遅延。三十分ほど待ってやっと復旧です。
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 しかしバスの発車時刻まであと一時間半、猪突猛進か勇気ある撤退か、"虎穴に入らずんば虎児を得ず"か"君子危うきに近寄らず"か、慎重居士の私としては後者を選びたいのですが、山ノ神は「乗るぞなもし」と松山弁で断言。「でも上に行ってまたトラブルがあったらバスに乗り遅れるよ」「大丈夫」「根拠は?」「何となく」 Q.E.D. ヴェネツィアの悪夢をいまだ忘れない私としては二の足三の足を踏みますが、"汝の意志は自由にして健全なればそのむかふがまゝに行はざれば誤らむ(『神曲』浄火第二十七曲)""妻の意見と茄子の花にゃ、千に521ぐらいしか無駄がない"、その根も葉も根拠もない自身に賭けてみましょう、というか私に選択の余地はありません。供奉させていただきましょう。二本目のロープウェイに乗って中間駅Ra Valles(2475m)に着くと、思いもかけず三本目のロープウェイにすぐ乗り継げました。「もんだどんない」と腹を張る山ノ神、はいはい(「はい」は一回でいいの)、目盛りを508に下げましょう。山頂駅Tofana di Mezzo(3243m)に着いて展望テラスに出ると、先日とはうってかわり視界は良好。言葉を失うような凄絶なるパノラマを堪能することができました。幾重にも連なるドロミテの岩山、そしてその中に浮かぶ"黄金の盆地"コルティナ・ダンペッツィオの町。これは一見の価値あり、山ノ神の蛮勇に感謝感激雨霰です。
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 とはいっても時刻はすでに14:00、下りのロープウェイが止まってしまったら万事休すなので、そそくさと下山することにしました。案ずるより産むが易し、ロープウェイは三本とも何の問題もなく運行、ドロミテの美しい眺めに落ち着いた気持ちで別れを告げることができました。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2014-02-23 07:39 | 海外 | Comments(0)
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