青森・岩手編(3):花巻(02.9)

 本日は花巻を自転車で徘徊。まずは宮沢賢治が命名したイギリス海岸に寄りました。白い泥岩と青い水の風情に、ドーバー海峡の白亜の壁を連想し、賢治は「イギリスあたりの白亜の海岸を歩いているような気がする」といってイギリス海岸と名付けたのですね。残念ながら今では渇水時にしか見られないそうです。
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 そして花巻農業高校の敷地に移築された「羅須地人協会」へ。晩年の賢治が自耕生活をしながら、農民たちに農業技術や芸術を教えたところです。ちなみに、地人=農民、羅須については諸説あり、「修羅」をひっくりかえした、あるいは賢治が尊敬したウィリアム・モリスの師ジョン・ラスキンの「らす」からつけた… 後者の説が魅力的ですね、私も二人のファンなので。入口には「下ノ畑ニ居リマス 賢治」と書いた黒板が復元されています。質素な部屋には、火鉢を中心に五、六脚の椅子とオルガン。彼が今にもふらっと入ってきそうです。壁に掲示されている賢治自作の教授用プリント(地質や原子構造)に感激。「風景はなみだにゆすれ」てしまいました。集会の案内状に「われわれはどんな方法でわれわれに必要な科学をわれわれのものにできるか」とありました。臓腑を抉られる言葉ですね。
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 鍵を返却しに高校の事務室に行くと、玄関に「交通マナーアップ・自転車盗難防止推進モデル校」と大きな看板が。長閑でいいですね。つづいて童話村へ。宮沢賢治の童話を人形やジオラマで再現した、子供のための施設です。「セロ弾きのゴーシュ」の展示解説にあった「僕らはどんな意気地なしでも、喉から血が出るまでは叫ぶものです」というゴーシュの言葉を銘肝しましょう。入口のところに「月夜のでんしんばしら」に登場する電信柱の軍隊がつくられていたのは嬉しい、私あの童話がなぜか好きなのです。青森・岩手編(3):花巻(02.9)_c0051620_21585196.jpg

ドッテテドッテテドッテテド
でんしんばしらのぐんたいは
はやさせかいにたぐひなし
ドッテテドッテテドッテテド
でんしんばしらのぐんたいは
きりつせかいにならびなし
by sabasaba13 | 2005-07-03 22:49 | 東北 | Comments(0)
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