越後編(3):弾埼灯台(13.3)

 運転手さんに頼んで、まずは大佐渡をまわってもらうことにしました。まずは内海府海岸沿いの道を北上、しばらく走ると左手に廃校が寂しげにたたずんでいました。そして弾埼(はじきさき)灯台に到着です。1990(平成2)年に建て替えられたわりと新しい灯台ですが、佐渡の最北端にあって日本海を見つめながら孤塁を守っておられました。なお隣りにははじき野フィールドパークというキャンプ場がありますが、この時期は閉鎖されており中へは入れません。フェンス越しに寄り添う夫婦らしき銅像の後姿が見えたのですが、これは1957年に松竹が制作・公開した、木下恵介監督の映画作品『喜びも悲しみも幾歳月』の主人公夫妻のものでした。
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 この映画は未見なのですが、海の安全を守るため、日本各地の辺地に点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る燈台守夫婦の、戦前から戦後に至る25年間を描いた長編ドラマだそうです。市井の一灯台マニアとしてはやはり見なければなりませんね。映画の舞台となったのは、観音埼灯台、石狩灯台、伊豆大島灯台、水ノ子島灯台、女島灯台、弾埼灯台、御前埼灯台、安乗埼灯台、男木島灯台、御前埼灯台、日和山灯台ですが、私は御前埼灯台にしか行ったことがありません。なお個人的に灯台守と花火師という職をたいへん尊敬しております。何の留保もなく他者の幸福のために尽力して見返りを求めない、稀有な職業だと思います。♪おーいらみーさきの、灯台もおりいよ♪と口ずさみながら写真を撮影。

 後日談。『喜びも悲しみも幾歳月』のDVDを購入して拝見しましたが、いやあ面白かった。これは灯台マニア必見の名画ですね。ここ弾埼灯台におけるストーリーは、1941(昭和16)年の太平洋戦争勃発の時に展開されます。主人公の灯台守・有沢(佐田啓二)は、喧嘩で殴られた見習いの若者を叱りますが、その理由が島の若者から「徴兵逃れのために灯台守になったのだろう」と揶揄されたためだと知り激怒。自ら、その若者らがいる宴会に乗り込みますが、酒をすすめられて痛飲するうちにダウン。リヤカーに乗せられて帰宅した有沢に、高峰秀子が呆れ顔、というお話でした。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2014-06-01 08:51 | 中部 | Comments(0)
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